
日本時間2025年11月12日に、Windows 11 25H2/24H2向け累積更新「KB5068861」が配信されました。月例のセキュリティ修正に加え、先月のプレビュー(KB5067036)の品質改善が含まれます。
ゲーム端末の省電力やコントローラーの応答、ストレージ、タスクマネージャー、ネットワークのHTTPパースなどが改善対象です。既知の不具合は特に案内されていません。
ここでは更新内容の要点、すぐ試せる対処、確実な適用・削除手順、よくあるハマりを整理します。25H2/24H2(OS Builds 26200.7171 / 26100.7171)を前提に説明します。
KB5068861はセキュリティ修正が主で、10月末のプレビュー(KB5067036)の品質改善も取り込みます。既知の不具合は公開時点でなしです。
- 対象:Windows 11 25H2 / 24H2(OS Builds 26200.7171 / 26100.7171)
- 主な改善:ゲーム端末の省電力・入力遅延、Storage Spaces、タスクマネージャー終了不備、HTTP.sysの厳格パース挙動など
- SSU:KB5067035(26100.7010)同梱のため、LCU単体の「wusa /uninstall」は不可
2025年の月別スケジュールや、他の月のKB情報は 【2025年度版】Windows11セキュリティ更新プログラムのスケジュールとトラブルシューティングまとめ で一覧化しています。
課題の要点(要約)
今回の更新は、セキュリティ修正が中心です。加えて、ゲーム関連の省電力・入力遅延、Storage Spacesの一部シナリオ、タスクマネージャーのプロセス残留、デスクトップ選択でTask Viewが開く事象、HTTP/1.1のチャンク拡張のパース厳格化などが解消されます。
適用はWindows Updateで自動配信されます。業務端末は通常の検証フローで段階適用し、HTTP.sysの厳格パースで影響が出る環境はレジストリでの一時回避も検討します。
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すぐ試せる対処(ショート版)

時間をかけずに確認・適用できるポイントをまとめます。家庭用・小規模環境向けの即効策です。
- 「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」を実行
- 「2025-11 累積更新プログラム(KB5068861)」が表示されたら「ダウンロードしてインストール」を選択
- 再起動を実施し、
winverでOSビルド(26200.7171 / 26100.7171)を確認 - ゲーム端末はスリープ・低電力状態への移行と復帰、ゲームパッド応答をテスト
- Storage Spaces利用環境は記憶域プールの状態とボリュームのアクセス可否を確認
- Web公開サーバー/IIS環境はアプリのHTTP通信の動作確認(後述の厳格パース項目)
再起動後にOSビルドが期待値になっていれば適用成功です。現象が改善しない場合は後述の「仕組みと原因」「手順(確実版)」を参照してください。
今回の改善点(カテゴリ別)

主な修正・改善をカテゴリごとに整理します。管理者は自組織の影響領域に絞って検証すると効率的です。
| カテゴリ | 内容 | 想定影響 |
|---|---|---|
| Gaming(携帯型) | 低電力状態を維持できず電池消耗が速い問題を修正。内蔵ゲームパッドでサインイン後、約5秒入力無応答となる遅延を修正。 | 携帯型Windowsゲーミング端末のバッテリー持続・UI応答改善 |
| Storage | 一部でStorage Spacesがアクセス不可、またはS2Dのクラスタ作成が失敗する問題を修正。 | 記憶域プール/クラスタ構築の安定性向上 |
| System utilities | タスクマネージャーを「×」で閉じても背後に残留し、時間経過で性能劣化につながる問題を修正(KB5067036適用後に発生しうる事象)。 | 端末の軽微なリソース浪費の抑制 |
| Voice Access | 初期セットアップ時にマイク未接続かつ音声モデル未導入で失敗する問題を修正。 | 音声アクセスの初期導入が安定 |
| Window管理 | デスクトップ選択で意図せずTask Viewが開く問題を修正。 | ウィンドウ操作の誤動作抑制 |
| Networking / HTTP.sys | HTTP/1.1のチャンク拡張における改行処理をRFC 9112準拠へ厳格化(CRLF必須)。フロントプロキシ構成でパース差異が出る可能性。 | IIS/リバプロ環境で一部要求が拒否される可能性の低減(要動作確認) |
AIコンポーネントの更新
| コンポーネント | バージョン |
|---|---|
| Image Search | 1.2510.1159.0 |
| Content Extraction | 1.2510.1159.0 |
| Semantic Analysis | 1.2510.1159.0 |
| Settings Model | 1.2510.1159.0 |
既知の不具合は「なし」とされています。配信後に公表される場合があるため、運用環境では段階的に適用してください。
仕組みと原因

HTTP.sysの厳格化は、チャンク拡張の区切りをCRLFで終端するという仕様順守を強めたものです。従来の単一LF許容と、フロントプロキシの実装差で不一致が起きうるため、今回の更新で整合性が取られました。
ゲーム端末の省電力・入力遅延は、スリープ遷移やサインイン直後の入力処理経路の不整合に起因します。Storage Spacesやタスクマネージャーの問題は、特定条件下の状態遷移・クリーンアップ不備によるものです。更新で各処理の順序やチェックが改善されています。
手順(確実版)
企業・検証環境向けに、取得・適用・ロールバックを体系的にまとめます。SSU同梱のため、LCUのアンインストールはDISM経由のみ可能です。
入手方法と配布チャネル
| チャネル | 提供状況 | 次のアクション |
|---|---|---|
| Windows Update / Microsoft Update | 提供中 | 自動ダウンロード・インストール。再起動後にビルド確認 |
| Windows Update for Business | 提供中 | リング/展開グループで段階適用 |
| Microsoft Update Catalog | 提供中 | CAB/MSUでSCCM/Intune配布 |
| WSUS | 提供中 | 承認後に配下へ展開 |
適用前の確認
- バックアップと復元ポイントの作成(システム/重要データ)
- 残容量(Cドライブ10GB目安)、安定したネットワークを確認
- IIS/リバースプロキシ環境はステージングでHTTP動作検証
インストール手順(手動)
- カタログから該当エディション/アーキテクチャのKB5068861を取得
- 管理者権限でMSUを実行し、指示に従って再起動
winverまたは設定 → システム → バージョン情報でOSビルドを確認(26200.7171 / 26100.7171)
HTTP.sysの厳格パースで問題が出た場合の一時回避
フロントプロキシとの組み合わせで要求が弾かれる場合、厳格パースを一時的に無効化できます(再起動が必要)。
レジストリキー:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Http\Parameters
値:
"HttpAllowLenientChunkExtParsing"=dword:00000001
本設定は暫定回避です。可能であればミドルウェア側の実装/設定をRFC準拠に合わせ、レジストリは元に戻してください。
アンインストール(ロールバック)
今回のLCUはSSU(KB5067035, 26100.7010)と結合されています。wusa /uninstallは使用できません。DISMでLCUパッケージ名を特定して削除します。
管理者PowerShell/コマンドでパッケージ名を確認:DISM /online /get-packages | findstr 5068861- 表示されたLCUパッケージ名を用いて削除:
DISM /online /Remove-Package /PackageName:Package_for_RollupFix~<略>~KB5068861~<略> - 再起動後、
winverでビルド番号を再確認
よくあるハマり
| 症状 | 想定原因 | 主な対処 |
|---|---|---|
| 更新が「0%/ダウンロード中」から進まない | ネットワーク不安定・空き容量不足・一時ファイル破損 | 再起動→Wi-Fi再接続→ディスクのクリーンアップ→再試行 |
| 再起動後にビルドが変わらない | 保留中の更新/再起動未完了、競合中のインストーラー | 追加再起動、保留更新の解消、インストール履歴を確認 |
| IISで一部のリクエストが失敗する | HTTP.sysのCRLF必須化とプロキシ側の改行実装差 | ステージングで再現確認、ミドルウェア更新、暫定レジストリ回避 |
| 携帯型ゲーム端末で電池持ちが変わらない | ファーム/ドライバ未更新、ゲームごとの設定影響 | BIOS/チップセット/GPUドライバ更新、電源プラン見直し |
FAQ(よくある質問)
まとめ
KB5068861は月例のセキュリティ更新に加え、ゲーム端末・Storage Spaces・タスクマネージャー・HTTP.sysなどの品質問題をまとめて解消します。既知の不具合は示されていませんが、サーバーやプロキシ構成では通信の回帰テストを推奨します。
- 25H2/24H2向け、OS Buildは26200.7171 / 26100.7171
- HTTP/1.1チャンク拡張はCRLF必須化。必要時はレジストリで一時緩和
- SSU KB5067035同梱。ロールバックはDISMで実施
家庭用はWindows Updateで即適用、業務用は段階展開とステージング検証が安心です。通信やストレージ周りを使うシステムは重点的に確認してください。
Tamaglo最後までお読みいただきありがとうございました。
参考リンク
更新履歴
- 公開日:2025/11/12(JST)— 初版。KB5068861の内容と対処を反映



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