
ノートパソコンやタブレットでSIMカードを使ってインターネットに接続する場面が増えてきました。こうしたモバイルネットワーク(WWAN)接続を裏で支えているのが「WWAN AutoConfig」サービスです。普段は意識されないこのサービスですが、無効化されていると接続できないといったトラブルの原因になることもあります。この記事では、WWAN AutoConfigの概要や設定方法、トラブルが起きたときの対応策までを丁寧に解説します。
サービスの基本情報
サービスの概要
- サービス名:WWAN AutoConfig
- 実行ファイル:
wwansvc.dll
- 初期スタートアップの種類:手動
- サービス名(表示名):WWAN AutoConfig
- サービス名(内部名):WwanSvc
- 依存関係:Remote Procedure Call(RPC)など
主な用途と機能
WWAN AutoConfigは、Windowsデバイスに搭載されたモバイルネットワークアダプターを通じて、以下のような機能を提供します。
- SIMカードを使ったLTE/3G回線への接続管理
- APN(アクセスポイント名)設定の自動構成
- モバイルネットワークの自動接続とプロファイルの保存
- Windows設定画面での「携帯電話」セクションを有効化し、設定可能にする役割
これらの機能は、特にモバイル通信に特化したデバイスを使う際に重要です。
サービスの設定方法
有効化や無効化の手順

有効化する場合
Win + R
を押して「services.msc」と入力し、Enter- サービス一覧から「WWAN AutoConfig」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「自動」または「手動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックし、「OK」で設定を保存
無効化する場合
- 同様に
services.msc
から「WWAN AutoConfig」を開く - 「スタートアップの種類」を「無効」に設定
- 「停止」ボタンをクリックしてサービスを終了し、「OK」で閉じる
推奨設定とその理由
このサービスは、モバイル通信機能を利用する場合に必要となります。特にSIMスロットがあるノートパソコンや、USB型のモバイル通信アダプターを使用している場合には、WWAN AutoConfigを「自動」または「手動」状態で有効にしておく必要があります。
一方で、常にWi-Fiや有線LANのみを使用しており、WWAN機能を使わない環境では無効化しても問題はありません。ただし、誤って無効化してしまうと、設定画面にモバイルネットワークの項目が表示されなくなるため注意が必要です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- SIMカードを挿しても「携帯電話」設定が表示されない
- モバイルネットワークに自動接続されない
- モバイル回線のAPN設定が保存されない、または接続エラーが出る
解決手順
まず、WWAN AutoConfigサービスが実行されているかを確認しましょう。services.msc
で確認でき、停止している場合は開始すれば多くのケースは解決します。それでも改善しない場合は、以下の手順を試してみてください。
- ネットワークアダプターの確認
→ デバイスマネージャーで「モバイルブロードバンドアダプター」が有効か確認し、最新ドライバーに更新する - ネットワーク設定のリセット
netsh int ip reset netsh winsock reset
- SIMの抜き差しや再起動の実施
→ 認識エラーが出る場合、一度電源を切ってからSIMの再挿入を行う
関連サービスや補足情報
- WLAN AutoConfig:Wi-Fi接続を管理するサービス
- Network Connection Broker:ネットワークの接続状態をアプリに通知する補助サービス
- Network List Service:利用可能なネットワークを検出・分類するサービス
- Remote Access Connection Manager:モバイルネットワークやVPNなどの接続全般を管理
これらのサービスが無効化されていると、WWAN AutoConfigも正常に機能しない場合があります。
FAQセクション
Q1:WWAN AutoConfigはすべてのWindowsデバイスで必要ですか?
→ いいえ。WWAN(モバイル通信)に対応していないデバイスではこのサービスは使われません。その場合は無効化しても問題ありません。
Q2:サービスを停止したらモバイル通信ができなくなりました。どうすればいいですか?
→ services.msc
でWWAN AutoConfigを「自動」に設定し、再起動してください。その後、ネットワーク設定に「携帯電話」が表示されれば、正常に戻っています。
関連リンク
- Windows 11 モバイルネットワーク設定の確認|Microsoft公式
- コマンドプロンプトでネットワーク設定をリセットする方法|Microsoft公式
- ネットワーク接続のトラブルシューティング|Microsoft公式
- Windowsサービスの操作とトラブル対策
- バッチファイルでのサービス起動制御
まとめ
WWAN AutoConfigは、Windowsでモバイルネットワーク(WWAN)接続を自動的に管理するためのサービスです。SIMカードを使ったLTEや3G通信の接続設定、プロファイルの構成、自動接続などを担っています。モバイル回線を使用する端末では必要不可欠な存在ですが、使用しない環境では手動または無効でも問題ありません。通信できない、設定画面が表示されないといったトラブルが発生した際は、このサービスが有効かどうかを確認することで解決につながることが多いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント