
Windowsで動作するアプリケーションの中には、WPF(Windows Presentation Foundation)という描画エンジンを使用しているものがあります。これらのアプリをスムーズに動作させるためにバックグラウンドで動いているのが「Windows Presentation Foundation Font Cache」サービスです。
起動時のパフォーマンス向上や、描画のなめらかさに影響するため、WPFアプリを頻繁に使う環境では重要な存在です。この記事では、サービスの役割や設定方法、問題発生時の対処法を紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Presentation Foundation Font Cache 3.0.0.0
- 内部名:FontCache3.0.0.0
- 実行ファイル:
FontCache3.0.0.0.exe
- スタートアップの種類:手動(初期設定)
サービスの概要
このサービスは、WPFアプリケーションで使用されるフォントデータを事前にキャッシュしておくことで、アプリの起動時間を短縮し、描画の滑らかさやパフォーマンスの向上を実現します。
特に、複雑なUIや多数のフォントを利用するアプリでは効果が大きく、WPFベースのアプリを快適に使用するためには有効な機能です。
主な用途と機能
- WPFアプリ起動時のフォント描画高速化
- フォントデータのキャッシュと再利用
- UIレンダリング時のCPU負荷軽減
- フォント読み込みエラーの防止
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を実行- 「Windows Presentation Foundation Font Cache 3.0.0.0」を探してダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」に設定(初期値)
- 状態が「停止」している場合は、必要に応じて「開始」
有効化や無効化の手順
有効化する場合
sc config FontCache3.0.0.0 start= demand
net start FontCache3.0.0.0
無効化する場合
net stop FontCache3.0.0.0
sc config FontCache3.0.0.0 start= disabled
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動
- WPFアプリ使用時に自動で起動されるため、常時有効にしておく必要はありません
- 無効にするとアプリの初回起動が遅くなることがあります
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- WPFアプリの起動が異常に遅くなる
- UIが一部正しく描画されない
- イベントビューアーに「FontCache3.0.0.0」のエラーが記録される
解決手順
- キャッシュファイルの削除
以下のフォルダーを削除すると再構築されます(サービス停止後に実施)
%LOCALAPPDATA%\FontCache
- サービスの再起動
net stop FontCache3.0.0.0
net start FontCache3.0.0.0
- WPFアプリ再インストールや更新確認
関連サービスや補足情報
サービス名 | 内容 |
---|---|
Windows Font Cache Service | 全体のフォントキャッシュを管理 |
Windows Presentation Foundation Host | WPFアプリの描画エンジン |
バッチファイルでの制御例:
@echo off
net stop FontCache3.0.0.0
del /q "%LOCALAPPDATA%\FontCache\*.*"
net start FontCache3.0.0.0
pause
FAQセクション
Q1:WPFアプリを使っていないなら停止していい?
はい、使用していない場合はサービスを停止しても問題ありません。ただし将来的にWPFアプリを起動する際は自動で起動します。
Q2:キャッシュが壊れた場合どうなる?
アプリの起動が遅くなったり、描画に不具合が出ることがあります。キャッシュを削除すれば自動的に再作成されます。
関連リンク
- Windows 11の標準サービスガイド
- WPFアプリケーションのパフォーマンス最適化ガイド
- バッチファイルでFontCacheサービスのキャッシュ削除手順
- バッチファイルでのWindowsサービス操作方法
まとめ
Windows Presentation Foundation Font Cacheは、WPFアプリケーションの起動や描画パフォーマンスを向上させる補助的なサービスです。
頻繁にWPFアプリを利用するユーザーにとっては重要な役割を果たします。
トラブルが起きた場合は、キャッシュファイルの削除やサービスの再起動で解決できることが多く、設定を見直すことで快適な操作環境が保てます。Windows 11での安定動作を保つためにも、必要に応じてこのサービスの状態を確認しておきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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