
「Work Folders」は、職場で使うファイルを複数のWindowsデバイス間で自動的に同期し、外出先やオフライン環境でもファイルにアクセスできるようにするサービスです。クラウドストレージと似ていますが、社内サーバーを使ってセキュリティを維持しながらデータの共有と同期を行えるのが特徴です。本記事では、Work Foldersの仕組みや設定方法、トラブル時の対処法までを詳しく解説します。
サービスの基本情報
サービスの概要
- サービス名:Work Folders
- 実行ファイル:
syncshare.dll
- 初期スタートアップの種類:手動
- サービス名(表示名):Work Folders
- サービス名(内部名):workfolderssvc
- 依存関係:HTTPサービス、ファイル共有サービスなど
主な用途と機能
Work Foldersは以下のような用途で使われます。
- Windowsデバイス間で職場ファイルを自動同期
- インターネット接続がなくてもオフラインでファイルを閲覧・編集
- 職場サーバーと個人デバイスの間でセキュアにデータを共有
- ドメイン参加済みデバイスや一部のBYOD環境にも対応
多くの場合、企業ネットワークでポリシーに基づきこのサービスが活用されています。
サービスの設定方法
有効化や無効化の手順

有効化する場合
Win + R
→services.msc
を入力してEnter- 一覧から「Work Folders」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「自動」または「手動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動し、「OK」をクリックして確定
無効化する場合
- 上記と同様に「Work Folders」を選択してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「無効」に設定
- 「停止」ボタンをクリックしてサービスを終了し、「OK」をクリック
推奨設定とその理由
このサービスは、企業でWork Foldersのサーバー機能を導入している場合にのみ必要です。そのため、以下のように設定するのが一般的です。
- 個人用途やWork Foldersを使用しない環境では「無効」または「手動」で問題なし
- 社内サーバーとファイル同期を行っている場合は「自動」に設定が必要
不必要に常時起動させておくと、リソース消費や通信トラブルの要因になる可能性があるため注意しましょう。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- Work Foldersが起動しない、同期が開始されない
- ファイルがサーバーと同期されない
- 「Work Foldersの同期に失敗しました」という通知が出る
解決手順
- サービスの状態を確認する
→services.msc
でWork Foldersが実行中になっているか確認 - 設定が正しく構成されているかを確認
→ [設定] → [アカウント] → [Work Folders] で正しいフォルダーとURLが指定されているかチェック - 同期エラーが出ている場合
→ イベントビューアーで「Work Folders」関連ログを確認し、ネットワーク接続やストレージ容量などの要因を確認 - 手動で再同期を試す
%SystemRoot%\System32\SyncCenter.dll
関連サービスや補足情報
- Offline Files(オフラインファイル):似た用途でオフライン時のファイルアクセスを可能にする仕組み
- Sync Center(同期センター):Work Foldersとの統合が行われることもあるWindows機能
- File and Storage Services:Windows Server側での同期元サービス
Work Foldersは、これらの他サービスと連携して使われることが多いため、環境全体を把握することが重要です。
FAQセクション
Q1:Work Foldersはクラウドストレージと何が違うのですか?
→ データは社内サーバー上に保管されており、クラウド事業者のサーバーには保存されません。そのため、よりセキュアでコンプライアンス要件を満たしやすいという特徴があります。
Q2:Windows Homeエディションでも使えますか?
→ 一部機能が制限されることがあります。Work Foldersは主にPro、Enterprise、Educationエディションでの使用が想定されています。
関連リンク
- Windows 11 ファイル同期と共有の設定方法|Microsoft公式
- コマンドプロンプトを使ったファイル同期管理|Microsoft公式
- バッチファイルで同期処理を自動化する方法|Microsoft公式
- ネットワーク経由でのファイルアクセスを管理する方法|Microsoft公式
まとめ
Work Foldersは、Windows環境で社内サーバーとファイルの同期を行うためのサービスで、外出先やオフライン時でも業務ファイルにアクセスできる点が大きな特徴です。企業ネットワークでの使用を前提として設計されているため、一般的な個人利用の環境ではこのサービスを無効または手動のままにしていても支障はありません。もし同期エラーやサービスが起動しないといった問題が発生した場合でも、サービスの状態や設定内容、ネットワークの接続状況などを確認することで、多くのケースは解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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