
Windows 11でバックアップや復元をしようとした際に、突然「VSSエラー」という表示が出ることがあります。
これはボリュームシャドウコピーに関する問題で、バックアップが正常に完了しない原因の一つです。
この記事では、VSSエラーが出る理由とその対処法、さらにイベントログを活用して原因を読み解く方法を、実際の操作とあわせて紹介します。
目次
よくあるVSSエラーの症状
- システムイメージの作成に失敗する
- タスクスケジューラのバックアップが完了しない
- サードパーティ製のバックアップソフトでエラーが表示される
- イベントビューアーに「VSS」の警告やエラーが記録される
一見して原因がわかりにくいエラーですが、イベントログを使って調べることで、トラブルのきっかけが見えてきます。
エラーの内容を確認するには?
イベントビューアーで確認する手順
- Windows + X →「イベントビューアー」を選択
- 左のメニューから「Windowsログ」→「アプリケーション」を開く
- 中央のリストから「ソース」が「VSS」の項目を探す
- 「重大」「エラー」「警告」のレベルを優先して確認
- ダブルクリックして、説明文・イベントID・日時などをチェック
ここでよく出るのが「イベントID 8193」「12289」「13」などです。
原因として多いパターンと対処法
1. サービスが停止している
VSS関連サービスが無効だったり停止していると、バックアップは正常に動作しません。
- 「サービス」アプリを開き、「Volume Shadow Copy」と「Microsoft Software Shadow Copy Provider」が開始されているか確認
- 手動になっている場合は、「自動」か「手動(トリガー開始)」に変更
2. シャドウコピーの領域不足
保存先の容量や、シャドウコピー用のディスク領域が足りないと、作成に失敗します。
- コマンドプロンプト(管理者)で以下を実行:
vssadmin list shadowstorage
- 必要に応じて領域を拡張:
vssadmin resize shadowstorage /for=C: /on=C: /maxsize=10GB
※ C:
は対象ドライブ、サイズは環境に合わせて変更
3. レジストリやアクセス権の異常
古いアプリや手動設定により、アクセス権に問題が起きることもあります。エラーコードに「アクセスが拒否されました」や「オブジェクトが見つかりません」などがある場合は、以下をチェック。
- バックアップ先フォルダのアクセス権(プロパティ → セキュリティ)
- エラーで指定されたパスやコンポーネントが存在するかどうか
- レジストリに不要なVSSプロバイダーが残っていないか
VSSを再登録してみる
システムファイルが壊れている場合、VSS関連コンポーネントを再登録することで改善することがあります。
cd /d %windir%\system32
net stop vss
regsvr32 /s ole32.dll
regsvr32 /s oleaut32.dll
regsvr32 /s vss_ps.dll
vssvc /register
net start vss
再起動後にイベントビューアーで再確認してみてください。
まとめ
VSSエラーは原因が多岐にわたるため、順を追って確認することが大切です。
イベントログを活用することで、ただの「バックアップ失敗」では終わらず、なぜ失敗したのかを明確にすることができます。
この記事を参考に、安定してバックアップや復元が使える環境を整えてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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