
Windows 11のスリープから思わぬタイミングでパソコンが復帰してしまうと、夜間の騒音やバッテリーの消耗を招き、不意の作業中断にもつながります。本記事では「スリープから勝手に復帰」してしまう現象に絞り、その主な原因と具体的な対策をわかりやすく解説します。
スリープから勝手に復帰するとは?
たとえば、仕事を終えてスリープに入れたはずのノートPCが、深夜に起動音を立ててしまう──。画面を点灯させたまま気づかずバッテリーを消耗した経験はありませんか? この現象は「スリープモードを解除する何らかの信号」が意図せず発生しているためです。
主な原因とチェックポイント
復帰原因の特定方法

何がスリープ解除を引き起こしたかを調べるには、管理者権限でターミナルを開き、以下を実行します。
powercfg -lastwake
表示されたデバイス名やイベントから「マウス」「ネットワーク」「タスクスケジューラ」など、まずは原因の候補を絞り込みましょう。
デバイスによる誤動作

- マウス/キーボード
マウスの微細な動きやキーボードのチャタリングでスリープ解除されることがあります。- 対策:デバイスマネージャーで該当する入力デバイスを開き、「電源の管理」タブの「このデバイスでスリープ解除を許可する」のチェックを外します。
- ネットワーク アダプター
LANやWi-Fiの「Wake on LAN」機能が原因で遠隔から、あるいはネットワークトラフィックで復帰することがあります。- 対策:ネットワークアダプターのプロパティ→「詳細設定」タブで Wake on LAN 関連項目を無効化し、「電源の管理」でスタンバイ解除をオフにします。
スケジュールされたタスク
Windows Update の自動メンテナンスやサードパーティ製ソフトの定期バックアップが、指定時刻にスリープを解除して実行される場合があります。
- 対策
- コントロールパネル>「セキュリティとメンテナンス」>「メンテナンスの設定変更」で「スリープ解除を許可」のチェックを外す。
- タスクスケジューラを開き、目的のタスクの「条件」タブで「スリープ解除してタスクを実行する」をオフにする。
電源オプションの設定
高速スタートアップやハイブリッドスリープの設定が影響するケースもあります。
- ハイブリッドスリープ:メモリとディスクを同時に保存し、復帰方式を複雑化させるためトラブルの原因に。
- 高速スタートアップ:シャットダウン時にカーネル状態を保存する機能で、再起動やスリープからの復帰動作に干渉する場合あり。
- 対策:
- コントロールパネル>「電源オプション」>「電源ボタンの動作を選択」>「現在利用できない設定を変更」で、両機能を無効化してみましょう。
- 対策:
補足:項目が表示されない場合
管理者権限でコマンドプロンプトを開きpowercfg /a
を実行すると、サポート状況が確認できます。
一部のPC(特にModern Standby対応機)では「ハイブリッドスリープ」が非対応となり、設定画面に項目が表示されません。
問題が断続的に起こるときのヒント
「毎回ではなく、たまにだけ勝手に復帰する」という場合は、発生タイミングを記録しておくと原因究明につながります。たとえば…
- 時間帯:深夜だけ、起動後数分だけ、など
- 接続機器:外付けHDDやUSB充電器を接続しているか
- システムイベント:Windows Update実行後、特定アプリ使用後 など
こうしたメモを残すことで、設定変更の効果を見比べやすくなります。
まとめ
スリープから勝手に復帰するトラブルは、その原因が多岐にわたりやすいため、以下の手順で順番に潰していくと効率的です。
powercfg -lastwake
で原因を特定- 入力デバイス・ネットワークアダプターの電源管理設定を見直す
- タスクスケジューラや自動メンテナンスのスリープ解除設定をオフ
- 高速スタートアップ/ハイブリッドスリープを無効に
- 発生タイミングを記録し、断続的な問題にも対応
これらを実践すれば、Windows 11のスリープが意図せず復帰してしまう問題はほとんど解消できます。快適なスリープ運用の参考にしてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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