
パソコンの時刻がずれてしまうと、ファイルの更新時刻が不正確になったり、ウェブサービスの認証で問題が起きたりすることがあります。
Windows 11では、ネットワークを通じて自動的に正確な時刻に合わせるしくみが用意されていますが、同期に失敗することもあります。
この記事では、時刻がどう同期されているのか、そして問題が起きたときにどのように確認すればよいかを詳しく紹介します。
目次
ネットワーク時刻同期のしくみとは?
Windowsでは、定期的に外部の時刻サーバーに接続して現在の正確な時刻を取得しています。この仕組みによって、数日間パソコンを使っていても時計が大きくずれることはありません。
初期設定では time.windows.com
というマイクロソフトの時刻サーバーが使用されています。必要に応じて、日本の ntp.nict.jp
などに変更することも可能です。
w32tmコマンドで確認できる情報
w32tm
は、時刻同期に関する情報を表示・設定できるコマンドです。以下のような操作が可能です:
操作内容 | コマンド例 |
---|---|
状態を確認する | w32tm /query /status |
同期に使用するサーバーの表示 | w32tm /query /source |
詳細設定の確認 | w32tm /query /configuration |
同期履歴の確認(ログ) | w32tm /query /peers または /verbose |
強制的に時刻を合わせる | w32tm /resync |
よく使うコマンドと結果の見方
状態確認:w32tm /query /status
w32tm /query /status
出力には、次のような情報が含まれます。
- 参照元:どの時刻サーバーと同期しているか
- 最後の同期:直近で時刻を合わせた日時
- 現在の時刻差:サーバーとどれだけずれていたか
トラブルが起きたときの確認ポイント
- 同期先のサーバーが無効になっていないか
→w32tm /query /source
で確認
→Local CMOS Clock
となっている場合、外部と同期できていない - サービスが動作しているか
→ コマンドsc query w32time
で確認
→ 停止中ならnet start w32time
で起動 - ファイアウォールが通信をブロックしていないか
→ UDPポート123が開いている必要がある
ログで履歴を確認する方法
同期のログはイベントビューアーで確認できます。
手順
- スタートボタンを右クリック → 「イベントビューアー」
- 左側メニューから「アプリケーションとサービスログ」 →
「Microsoft」→「Windows」→「Time-Service」→「Operational」を開く イベントID 35, 36, 37
などがあれば、同期の詳細が記録されています
トラブル解決の補助としてのバッチ化
繰り返しチェックしたい場合は、以下のようなバッチファイルを作成しておくと便利です。
@echo off
echo === NTPステータスの確認 ===
w32tm /query /status
echo.
echo === 使用中の時刻ソース ===
w32tm /query /source
pause
まとめ
時刻同期のしくみを知っておくことで、思わぬエラーやネットワーク接続の不具合を未然に防ぐことができます。w32tm
コマンドは、時刻のずれを特定・修正するのに非常に役立ちます。
トラブルの切り分けや、日常のメンテナンスにも活用してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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