
モデムやFAXは、業務や特定の用途で今でも利用されることのある機能ですが、Windows 11では設定や通信の相性によってトラブルが起きやすい部分でもあります。
たとえば「FAXが送れない」「モデムが認識されない」「接続中にエラーが出る」といった症状はよく見られます。
この記事では、モデム接続とFAX送受信にまつわるトラブルを取り上げ、それぞれのケースに合った確認ポイントと具体的な対処法を紹介します。日常の業務での困りごとを解消するための実用的な内容です。
目次
よくある症状と原因の傾向
まずは、トラブルの内容から原因をおおまかに整理してみましょう。
症状 | 考えられる主な原因 |
---|---|
モデムが認識されない | ドライバがインストールされていない、USB接続の問題 |
FAXが送信できない | 通信先の番号設定ミス、回線の障害、FAXサービスがオフ |
接続後すぐ切断される | モデムの互換性、発信トーンの問題、回線不良 |
FAXが届かない | 相手先のFAXが受信待機になっていない、設定ミス |
設定の確認手順とチェックポイント
1. モデムの認識とドライバの状態を確認する
- デバイスマネージャーを開き、「モデム」や「ポート」項目に表示されているかを確認
- 表示がない場合は一度抜き差し、もしくは別のUSBポートに変更
- ドライバに警告マークがある場合は、右クリックから「ドライバーの更新」を選択
2. FAXサービスが有効かを確認
WindowsではFAX機能を使うために専用のサービスが必要です。
- 「Windows の機能の有効化または無効化」を開く
- 「Windows FAXとスキャン」にチェックが入っているかを確認
- 有効にした後は再起動を実施
3. FAXとスキャンのアプリ設定を見直す
「Windows FAXとスキャン」アプリを開いて、以下を確認します。
- ツール → アカウントの管理 → 使用中のFAXモデムが選択されているか
- 発信者番号、FAX番号などが正確に入力されているか
- 国番号・市外局番など、通信先に合わせた書式になっているか
接続できないときの具体的な対処法
再接続・電源の入れ直し
- モデムの電源が入っているか確認
- モデムとPCの接続ケーブルに緩みがないか確認
- 一度モデムの電源をオフにし、数秒待って再投入
一時的な競合の解消
- 他のFAXソフトや印刷関連ソフトが干渉している場合があります
- 一度「サービス」アプリで「Windows FAX」関連サービスを停止 → 再起動
通信トーンの設定を変更
一部の回線では、自動認識で失敗することがあります。
「モデムのプロパティ」→「詳細設定」→「追加の初期化コマンド」に次のようなコマンドを試すことで安定する場合があります。
ATX3
運用を安定させる工夫
定期的なFAX送信テスト
長期間使っていないと、設定がリセットされていることがあります。
- 月に一度はテストFAXを送る習慣を
- 送信結果はFAXアプリ内の履歴で確認可能
電話回線との接続順に注意
FAXと電話を共用している場合、スプリッタの接続順や差し込み口によって通信が不安定になることがあります。
- モデムには「LINE」ポートから回線を直接つなぐ
- 他の機器(電話機や分配器)はそのあとに接続
まとめ
モデム接続やFAX送受信でのトラブルは、環境や使っている機器によってさまざまです。しかし、落ち着いて接続状態や設定を一つずつ確認していくことで、多くの問題は解消できます。
特にWindows 11では、ドライバやサービスが自動で無効になるケースもあるため、今回紹介したような手動確認と簡単な再設定を覚えておくと安心です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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