
ネットワーク上で別のパソコンにアクセスする際、名前で接続できず困ったことはありませんか?
そんなときに役立つのが「LMHOSTSファイル」です。これは特定のパソコン名とIPアドレスの対応を手動で指定できる仕組みで、名前解決の補完や通信トラブルの回避に使えます。
この記事では、Windows 11でLMHOSTSファイルを編集・設定する方法を丁寧に解説します。日常的なネットワーク管理の中で役立つ実用例も交えてご紹介します。
LMHOSTSファイルとは何か?
通常、パソコン同士が名前で通信する際には、内部の仕組みで名前からIPアドレスに変換しています。しかし、うまく名前が解決できないケースでは、LMHOSTSファイルに手動で情報を記載することで通信を補助することができます。
この仕組みは、特に以下のようなケースで便利です。
- 同じネットワーク内の古い機器に名前で接続できない
- DNSが使えない環境で一時的に名前解決を行いたい
- ファイル共有やリモートアクセスで特定の端末と安定して通信したい
LMHOSTSファイルの場所と編集方法
ファイルの場所
LMHOSTSファイルは、次の場所にあります。

C:\Windows\System32\drivers\etc\
このフォルダー内の lmhosts.sam
がサンプルファイルです。編集して使う場合は、このファイルをコピーして lmhosts
という名前で保存します(拡張子は不要)。
編集手順
- メモ帳を管理者として実行
スタートメニューで「メモ帳」と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」 - ファイルを開く
メモ帳の「ファイル」→「開く」からC:\Windows\System32\drivers\etc\
を開き、ファイル形式を「すべてのファイル」にしてlmhosts.sam
を選びます。 - 追記する内容の例
192.168.1.100 server01 #PRE
192.168.1.100
:通信したい機器のIPアドレスserver01
:接続したい名前#PRE
:あらかじめ読み込んでおくように指定するタグ
- 名前を「lmhosts」に変更して保存
保存時にファイル名をlmhosts
とし、拡張子なしで保存します(lmhosts.txt
などにしないよう注意)。
読み込みの有効化と確認方法
編集しただけでは反映されないことがあります。以下の方法で手動読み込みも行えます。
コマンドで読み込み
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行します。
nbtstat -R
その後、反映されているか確認。
nbtstat -c
ここに、先ほど設定した名前とIPアドレスの対応が表示されていれば反映されています。
よくある使い方と注意点
実際に使える例
- 古いNASなど、名前解決がうまくいかない機器とのファイル共有をスムーズにする
- プリンターやファイルサーバーを名前で安定して接続できるようにする
- DNSが一時的に不安定なときの代替手段として使う
注意点
- 保存時に拡張子が
.txt
になっていないか必ず確認(lmhosts
だけにする) - 名前の登録は正確に。スペース区切りとコメント記述ルールを守る
- IPv6環境では効果がないケースもあり、IPv4ベースの通信に限られる
実用に活かす工夫
他の記事では「設定方法」の説明にとどまることが多いですが、ここでは次のような点に重点を置いています。
- 手動編集だけでなく「読み込みコマンド」での反映手順も紹介
- 保存名や拡張子の注意点、失敗しやすいポイントを具体的に説明
- 名前解決だけでなく、ファイル共有やプリンタトラブルの解決策として活用できる場面を提示
ネットワークに関する困りごとは多岐にわたりますが、LMHOSTSは意外なほどシンプルに効くこともあります。
まとめ
Windows 11でLMHOSTSファイルを使えば、ネットワーク上の機器名とIPアドレスを手動で結びつけることができ、名前解決の不安定さを補えます。トラブル対応や固定接続先の登録にも役立つため、覚えておくと便利です。
編集方法は少し気をつけるポイントがありますが、手順通り進めれば難しくはありません。トラブル時の切り札として、LMHOSTSを活用してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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