
WindowsでIPアドレスを手動で変更したい場合、設定アプリやコントロールパネルを使う方法が一般的です。
しかし、より効率的に設定を変更したいなら、コマンドプロンプト(netsh)を使う方法が便利です。
本記事では、次のような操作を解説します。
netsh
コマンドで IPv4アドレス・DNSサーバーの設定- 固定IP ⇔ DHCP(自動取得) の切り替え方法
- 有線LAN/無線LAN(Wi-Fi)のアダプター名の確認手順
- 1行コマンドでまとめて設定する方法
コマンドプロンプトで使う「netsh」とは?
netsh
(Network Shell)は、Windowsのネットワーク設定をコマンドラインで操作できる強力なツールです。
以下のようなIP設定やDNSの構成が可能です:
設定項目 | 使用コマンド例 |
---|---|
IPアドレスの固定設定 | netsh interface ip set address |
DNSの設定 | netsh interface ip set dns |
自動取得(DHCP)へ戻す | 同コマンドの引数を dhcp に変更 |
事前準備:アダプター名を確認しよう
コマンドで設定を行うには、対象となるアダプター名(例:Wi-Fi、イーサネット)を正確に把握する必要があります。
手順

- コマンドプロンプトを開く(管理者権限推奨)
- 以下のコマンドを入力:
ipconfig /all
- 「イーサネットアダプター」または「Wireless LAN adapter」に表示されるアダプター名(例:”Wi-Fi”)をメモしておきます
IPアドレスとDNSを設定するコマンド例
固定IPアドレスを設定する場合

netsh interface ip set address "Wi-Fi" static 192.168.0.100 255.255.255.0 192.168.0.1
"Wi-Fi"
:アダプター名(環境により変更)192.168.0.100
:割り当てるIPアドレス255.255.255.0
:サブネットマスク192.168.0.1
:デフォルトゲートウェイ
DNSサーバーを設定する場合

netsh interface ip set dns "Wi-Fi" static 8.8.8.8 primary
8.8.8.8
はGoogle Public DNSの一例です
DHCP(自動取得)へ戻す方法

IPアドレスの自動取得に戻す場合
netsh interface ip set address "Wi-Fi" dhcp
DNSの自動取得に戻す場合
netsh interface ip set dns "Wi-Fi" dhcp
一行コマンドでIPとDNSを同時に設定する
複数の設定をまとめて実行したい場合は、以下のように &&
を使った一行コマンドも便利です。
netsh interface ip set address "Wi-Fi" static 192.168.0.100 255.255.255.0 192.168.0.1 && netsh interface ip set dns "Wi-Fi" static 8.8.8.8 primary
→ さらに簡略化するには start
コマンドを併用する方法もあります(バッチファイル向け)。
バッチファイルにまとめてさらに時短も可能
上記コマンドを .bat
ファイルに記述しておけば、ダブルクリックでIP設定を一括変更することも可能です。
管理者権限での実行に注意してください。
以下に、記事「【Windows11対応】コマンドプロンプト(netsh)でIPアドレスとDNSを設定する方法」のよくある質問(FAQ)セクションをご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q1. netshコマンドはすべてのWindows 11で使えますか?
はい、Windows 11 Home / Pro のどちらでも利用可能です。
ただし、コマンドプロンプトは管理者権限で実行する必要があります。スタートメニューで「cmd」と検索し、「管理者として実行」を選んでください。
Q2. Wi-Fiとイーサネット(有線LAN)でアダプター名は同じですか?
いいえ、異なります。アダプター名は環境により異なりますが、一般的に以下のようになります。
接続方式 | 一般的なアダプター名 |
---|---|
無線LAN(Wi-Fi) | "Wi-Fi" |
有線LAN(イーサネット) | "イーサネット" |
→ 実際の名前は ipconfig /all
コマンドで確認しましょう。
Q3. DHCPに戻すコマンドを実行しても反映されないのはなぜですか?
以下の原因が考えられます:
- コマンドプロンプトを管理者権限で起動していない
- アダプター名が正しく指定されていない
- IPアドレス設定後に再接続またはPC再起動が必要なケースもあります
→ 正しいアダプター名を使用し、管理者として実行した上で確認してください。
Q4. 複数の設定をバッチファイルで一括適用できますか?
はい、可能です。以下のように複数の netsh
コマンドを記述し、.bat
ファイルとして保存すれば一括で実行できます。
netsh interface ip set address "Wi-Fi" static 192.168.0.100 255.255.255.0 192.168.0.1
netsh interface ip set dns "Wi-Fi" static 8.8.8.8 primary
→ ファイルは「右クリック → 管理者として実行」で動作させてください。
Q5. 設定を間違えて通信できなくなった場合はどうすればよいですか?
まずはDHCPに戻すコマンドを使って復旧を試みてください:
netsh interface ip set address "Wi-Fi" dhcp
netsh interface ip set dns "Wi-Fi" dhcp
それでも通信できない場合は、次の方法でリセットを試してください:
- 設定アプリ →「ネットワークとインターネット」→「状態」→「ネットワークのリセット」
- PCを再起動して再接続
まとめ
コマンドプロンプト(netsh)を使えば、WindowsでのIPアドレス・DNSの設定を効率よく操作できます。
以下のような用途で役立ちます:
- 固定IPアドレスの割り当てが必要な環境(プリンターやNASなど)
- トラブル時の一時的な設定変更
- バッチファイルでの一括適用
コマンドの入力に慣れると、GUIでの操作よりも素早く設定できるようになります。
ぜひ活用してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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