
Windows11の最新アップデート「24H2」は、多くの新機能と改善点をもたらしましたが、一部のユーザーからは深刻な不具合の報告が相次いでいます。特に、インターネット接続の不安定化、Wi-Fiの接続問題、ネットワーク共有の失敗、さらにはブルースクリーン(BSOD)の増加などが問題視されています。本記事では、これらの不具合の原因と対処方法について詳しく解説します。
Windows11 24H2によるBSODの増加
Z890マザーボードとBSODの関係
Windows11 24H2では、特定のZ890マザーボードを搭載したIntel PCでブルースクリーンエラーが発生するという重大なバグが報告されています。特に、Core Ultra 200Sシリーズと統合されたXe-LPGグラフィックスを使用している場合、GPU間の互換性問題が原因でシステムがクラッシュすることがあります。
対処方法
- GPU設定の変更
- PCを再起動し、起動時にBIOSキー(通常はDelまたはF2)を押してBIOSメニューに入ります。
- 「詳細」セクションで「内部グラフィックス」を見つけ、「無効」に設定します。
- 設定を保存し、再起動します。
- BIOSのアップデート ASUS以外のBIOSのアップデート方法 BSODが頻発する問題に対して、BIOSのアップデートが有効な対処方法の一つです。以下に、ASUSだけでなく他のメーカー(MSI、Gigabyte、ASRockなど)のマザーボードでのアップデート方法も紹介します。 各メーカーのBIOSアップデート方法
- ASUSのBIOSアップデート
- ASUS公式ウェブサイトにアクセスし、マザーボードのモデル番号で検索します。
- 最新のBIOSバージョン(バージョン08xx以降)をダウンロードします。
- EZ Flashツールを使ってインストールします。
- MSIのBIOSアップデート
- MSI公式ウェブサイトにアクセスし、マザーボードの型番で検索します。
- 最新のBIOSをダウンロードし、USBメモリに保存します。
- PCを再起動し、BIOSメニューでM-Flashツールを起動して、USBからのインストールを行います。
- GigabyteのBIOSアップデート
- Gigabyte公式サイトにアクセスして、モデル番号で検索します。
- 最新のBIOSファイルをダウンロードし、USBメモリにコピーします。
- BIOSセットアップでQ-Flashユーティリティを起動し、USBからBIOSアップデートを実行します。
- ASRockのBIOSアップデート
- ASRockの公式ウェブサイトで対象のマザーボードを検索し、最新のBIOSをダウンロードします。
- Instant Flashを起動し、USBからファイルを選択してアップデートします。
ネットワーク接続の不具合

インターネット接続の切断とIPアドレスの問題
Windows11 24H2にアップデート後、多くのユーザーがイーサネットやWi-Fi接続が不安定になると報告しています。特に、DHCPサービスに問題があり、有効なIPアドレスを取得できずに169.x.x.xのアドレスが自動的に割り当てられるケースが見られます。
解決策
- レジストリの修正
- 管理者権限でレジストリエディターを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WcmSvc
に移動します。DependOnService
からWinHTTPAutoProxySvc
を削除します。- 変更を保存し、再起動します。
- WinHTTP AutoProxyサービスの有効化
- レジストリエディターで
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WinHttpAutoProxySvc
に移動します。 Start
の値を4
(無効)から3
(手動)に変更します。- 変更を保存し、再起動します。
- Windows接続マネージャーサービスの変更
- 管理者としてコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します:
sc config wcmsvc depend= RpcSs/NSI
- コンピューターを再起動します。
ネットワーク共有の問題

一部のユーザーでは、PCがネットワークリストに表示されない、または他のデバイスがネットワーク上で認識されないという問題も報告されています。これはFunction Discovery Resource Publication(FDResPub)サービスの不具合に関連している可能性があります。
対処方法
- FDResPubサービスのスタートアップの種類を「手動(トリガー開始)」から「自動」に変更します。
- 必要に応じて、関連するレジストリ設定を調整します。
既知の問題と公式対応
Microsoftは、Windows 11 24H2アップデートに関連する複数の既知の問題を公開しています。以下に主要な問題とその対策方法をまとめました。
1. Ubisoftゲームの応答停止
- 概要: 一部のUbisoftゲーム(例: アサシンクリード ヴァルハラ、スターウォーズアウトロー)で応答が停止し、黒い画面が表示される可能性があります。
- 状態: 確認済み
- 対策方法:
- ゲームやVoicemeeterアプリケーションを最新バージョンに更新する。
- 問題が発生した場合はタスクマネージャーを使用してアプリケーションを強制終了する。
2. eSCLスキャンプロトコル対応USBデバイスの検出不良
- 概要: eSCL(eScanner Communication Language)をサポートするUSBデバイスが検出されない場合があります。
- 状態: 確認済み
- 対策方法:
- デバイスのドライバーを最新バージョンに更新する。
- 互換性ホールドの設定を確認し、必要に応じて調整する。
3. タイムゾーン変更の制限
- 概要: 管理者権限を持たないユーザーがタイムゾーンを変更できない問題が発生することがあります。
- 状態: 軽減
- 対策方法:
- コントロールパネルの「日付と時刻」セクションからタイムゾーンを変更する。
4. その他の既知の問題
その他にも、ブルースクリーンエラーやネットワーク接続の不安定化など、さまざまな問題が報告されています。詳細については、Microsoftの公式リリースヘルスページを参照してください。
Q&Aセクション
Q1: Windows11 24H2のアップデートを強制的に避ける方法はありますか?
A1: はい、Windows Updateの設定から自動アップデートを一時的に停止することが可能です。また、特定のアップデートを延期するオプションも利用できます。
Q2: BIOSのアップデートはリスクがありますか?
A2: BIOSのアップデートは慎重に行う必要があります。不適切なアップデートはシステムの不具合を引き起こす可能性があるため、公式ガイドに従い、必要なバックアップを取ることをお勧めします。
Q3: ネットワーク接続の問題が解決しない場合はどうすれば良いですか?
A3: 上記の対処方法を試しても問題が解決しない場合、Microsoftのサポートに連絡するか、公式フォーラムで同様の問題を抱えるユーザーの解決策を探すことをお勧めします。
まとめ
Windows11 24H2のアップデートは多くのユーザーに新しい機能と改善を提供しますが、一部のハードウェア環境では深刻な不具合が発生しています。特にBSODやネットワーク接続の問題は、日常的な使用に大きな支障をきたすため、迅速な対応が求められます。本記事で紹介した対処方法を試し、問題の解決を図ってください。また、Microsoftからの公式な修正パッチのリリースを待つことも一つの方法です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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