Windowsの最新機能やセキュリティ更新プログラムを確実に適用するためには、Windowsアップデートの正常な動作が不可欠です。しかし、時折アップデート中にエラーが発生し、インストールが失敗することがあります。本記事では、一般的なWindowsアップデートのエラーとその解決方法について詳しく解説します。DISMやSFCコマンドを活用した修復手順や、Microsoftの公式リソースへのリンクもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
一般的なWindowsアップデートのエラー
Windowsアップデート中に発生するエラーには様々な種類があります。以下に、よく見られるエラーコードとその説明をまとめました。
エラーコードとその説明
コード | エラー | 説明 |
---|---|---|
0x80070002 | ERROR_FILE_NOT_FOUND | 指定されたファイルが見つかりません。 |
0x800f0831 | CBS_E_STORE_CORRUPTION | CBSストアが破損しています。 |
0x8007000D | ERROR_INVALID_DATA | データが無効です。 |
0x800F081F | CBS_E_SOURCE_MISSING | パッケージまたはファイルのソースが見つかりません。 |
0x80073712 | ERROR_SXS_COMPONENT_STORE_CORRUPT | コンポーネントストアは不整合な状態にあります。 |
… | … | … |
(※詳細なエラーコード一覧はこちらをご参照ください)
Windowsアップデートのトラブルシューティング手順
DISMコマンドを使用した修復
DISM(Deployment Image Servicing and Management)ツールを使用して、Windowsのイメージを修復し、アップデートエラーを解決する方法です。詳しい手順は【解説】WindowsのDISMコマンドの使い方 | システムイメージの管理と修復を参照してください。
手順概要
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」と入力し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - DISMコマンドの実行
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- 修復ソースの指定(必要に応じて)
インターネットに接続できない場合、ローカルの修復ソースを指定します。
DISM.exe /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:\<servername>\c$\winsxs /LimitAccess
- システムファイルの修復
DISM修復後、以下のSFCコマンドを実行します。
sfc /scannow
SFCコマンドを使用したシステムファイルの修復
SFC(System File Checker)ツールを使用して、破損したシステムファイルを修復します。詳細な手順は【解説】sfc コマンドの使い方 | システムファイルを修復するWindowsの基本コマンドをご覧ください。
手順概要
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」と入力し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - SFCコマンドの実行
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
sfc /scannow
- 修復結果の確認
スキャンが完了すると、修復されたファイルの詳細が表示されます。
Microsoft Updateカタログからの更新プログラムの手動インストール
特定の更新プログラムが自動でインストールされない場合、Microsoft Updateカタログから手動でダウンロードしてインストールすることが可能です。
手順概要
- Microsoft Updateカタログにアクセス
Microsoft Updateカタログにアクセスします。 - KB番号で検索
必要な更新プログラムのKB番号を検索バーに入力し、検索します。 - 適切な更新プログラムをダウンロード
自分のシステムに合った更新プログラムを選び、ダウンロードします。 - ダウンロードしたファイルを実行
ダウンロードした.msu
ファイルをダブルクリックしてインストールを実行します。
Windows Updateのキャッシュをクリアして問題を解決する方法
Windows Updateのキャッシュをクリアする
Windows Updateのエラーが発生する原因の一つに、更新プログラムのキャッシュファイルが破損している場合があります。この場合、以下のコマンドを使用してキャッシュをクリアすることで問題を解決できる可能性があります。
手順
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
スタートメニューで「コマンドプロンプト」と入力し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - 以下のコマンドを1行ずつ入力して実行
以下のコマンドを順番に実行してください。cmdコードをコピーする
net stop wuauserv
net stop cryptsvc
del /f /q %windir%\SoftwareDistribution
net start wuauserv
net start cryptsvc
- コマンドの説明
net stop wuauserv
とnet stop cryptsvc
Windows Updateサービスと暗号化サービスを一時停止します。del /f /q %windir%\SoftwareDistribution
更新プログラムのキャッシュフォルダを削除します。このフォルダにはダウンロード済みの更新プログラムが保存されています。net start wuauserv
とnet start cryptsvc
停止したサービスを再起動します。
- 再試行
上記の手順を実行後、Windows Updateを再度試してエラーが解消されているか確認してください。
注意点
この手順では一時的にWindows Updateのキャッシュデータを削除しますが、再度更新プログラムをダウンロードするため、インターネット接続が必要です。また、削除するデータは自動で再生成されるため、システムに影響を与えることはありません。
詳細なトラブルシューティング方法
高度なトラブルシューティングが必要な場合は、DISMユーティリティを用いた手動修復方法が有効です。詳細な手順については、以下の内容を参考にしてください。
DISMユーティリティを用いた高度な修復
- CBS.logファイルの分析
C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log
を開き、エラーの詳細を確認します。 - 不足しているファイルの特定とダウンロード
エラーログから不足しているファイルのKB番号を特定し、Microsoft Updateカタログからダウンロードします。 - .msuファイルと.cabファイルの抽出
ダウンロードした更新プログラムを特定のフォルダーに抽出します。 - ソースファイルを使用して破損したファイルを修復
抽出したファイルを使用して、DISMコマンドで修復を実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:C:\temp\Source\ /LimitAccess
- 修復の確認
再度DISMコマンドを実行し、問題が解決されたか確認します。
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
トラブルシューティングのまとめ
Windowsアップデートのエラーは、システムファイルの破損や不足、更新プログラムの不整合などが原因で発生します。DISMやSFCコマンドを活用することで、多くの問題は解決可能です。また、必要に応じてMicrosoft Updateカタログからの手動インストールも有効です。問題が解決しない場合は、Microsoftの公式サポートページを参照してください。
参考情報
- 【解説】WindowsのDISMコマンドの使い方 | システムイメージの管理と修復
- 【解説】sfc コマンドの使い方 | システムファイルを修復するWindowsの基本コマンド
- Microsoft Update カタログ
- Windows Update の破損とインストールエラーを修正する
よくある質問(Q&A)
Q1. Windowsアップデートが途中で止まってしまいます。どうすればいいですか?
A1. 一時的なネットワークの問題やサーバーの混雑が原因でアップデートが止まることがあります。まずはインターネット接続を確認し、数分待ってから再試行してください。それでも解決しない場合は、DISMやSFCコマンドを使用してシステムファイルを修復してください。
Q2. DISMコマンドを実行してもエラーが修正されません。次に何をすればいいですか?
A2. DISMコマンドで問題が解決しない場合、手動で不足しているファイルをMicrosoft Updateカタログからダウンロードし、修復ソースとして指定して再度DISMコマンドを実行してみてください。また、最新のWindowsアップデートを適用することも重要です。
Q3. Windowsアップデートのエラーコードが分からない場合はどうすればいいですか?
A3. エラーコードが表示されない場合でも、Windows Updateのトラブルシューティングツールを使用して自動で問題を診断・修復することが可能です。スタートメニューから「設定」 > 「更新とセキュリティ」 > 「トラブルシューティング」 > 「Windows Update」を選択し、指示に従ってください。
Q4. 更新プログラムを手動でインストールするとシステムに悪影響はありますか?
A4. 正規のMicrosoft Updateカタログからダウンロードした更新プログラムを手動でインストールすること自体は安全です。ただし、必ず自分のシステムに適したバージョンの更新プログラムを選択してください。不適切な更新プログラムのインストールは、システムに問題を引き起こす可能性があります。
まとめ
Windowsアップデートのエラーは、システムファイルの破損や不足、ネットワークの問題などが原因で発生します。本記事で紹介したように、DISMコマンドやSFCコマンドを使用することで多くの問題を解決できます。また、必要に応じてMicrosoft Updateカタログから更新プログラムを手動でダウンロードする方法も有効です。
解決が難しい場合は、Microsoftの公式サポートページもご活用ください。問題を早期に解決し、最新のWindows環境を快適に保ちましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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