
2025年4月9日(日本時間)に提供されたWindows 11向けのセキュリティ更新プログラム「KB5055523」。本アップデートは複数の脆弱性に対応する重要なパッチですが、一部のユーザーから「Windows Helloが使えなくなった」「アップデートが失敗する」などの不具合報告が相次いでいます。
この記事では、発生している不具合の内容、回避策、そしてなぜKB5055523を安易に削除すべきではないかを詳しく解説します。
目次
不具合の内容
Windows Helloが動作しなくなる
- 顔認証またはPINでログインできない
- 「PIN を設定し直してください」「顔認証のセットアップでエラーが発生しました」などのメッセージが表示される
- カメラの物理スイッチやプライバシーモードが影響するケースも確認
アップデートのインストールが失敗する
- エラーコード:
0x80070306
,0x800f0905
,0x800704ec
- インストールが20%や70%で止まる、または100%でエラーになる
inetpub
フォルダが勝手に作成される
- IIS未使用環境でも
C:\inetpub
が生成される(削除非推奨)
不具合の発生条件と原因
以下の条件で不具合が起きやすいとされています。
- Windows Hello(顔認証・PIN)を使用している
- DRTM(Dynamic Root of Trust for Measurement)や System Guard Secure Launchが有効
- 「このPCをリセット」機能で再セットアップを行った
- プライバシー設定でRGBカメラを無効化している(IRカメラとの干渉)
回避策と暫定対応
顔認証(Windows Hello)再設定
- 設定 → アカウント → サインイン オプション → 顔認証(Windows Hello)を開く
- 「セットアップ」から再登録
カメラ構成の変更
- デバイスマネージャーを開く
- 「カメラ」を展開し、RGBカメラを無効にする(IRカメラは有効のまま)
- 再度顔認証のセットアップを行う
アップデートが失敗する場合
sfc /scannow
を実行してシステム整合性を確認.msuファイル
(Microsoft Update Catalog)から手動インストール- どうしても進まない場合は「Update Assistant」で再インストール(データ保持)
アップデートを削除してもよいのか?
一部ユーザーから「KB5055523をアンインストールすれば直る」との報告もありますが、この方法は非推奨です。
理由
- 本アップデートは複数の重大なセキュリティ脆弱性(例:CVE-2025-21204など)に対応している
inetpub
フォルダ作成やPKINIT認証問題など、システム保護のための仕様変更が含まれている- 今後のアップデートに影響する可能性あり
推奨される対応
- Windows Hello以外のログイン方法(PIN・指紋・パスワード)を一時的に使用
- Microsoftからの正式パッチを待つ(現在、修正対応中)
- セキュリティを優先してアップデートは維持する
よくある質問(FAQ)
Q1:KB5055523を削除しても問題ありませんか?
A:一時的に不具合が解消することはありますが、脆弱性への対策が解除されるため非推奨です。
Q2:アップデートが進まない場合、どうすればよい?
A:sfc /scannowやUpdate Assistantの使用を検討してください。
Q3:Windows Helloを使い続けたい場合は?
A:IRカメラのみ有効にするなどの回避策を試すか、Microsoftからの修正を待ちましょう。
関連リンク
まとめ
KB5055523は、セキュリティ強化を目的とした重要なアップデートです。一方で、Windows Helloの不具合やインストール失敗などの問題も報告されています。
重要なのは、焦ってアンインストールせず、代替手段や回避策で対応することです。
Microsoftは修正対応を進めており、今後のパッチでの改善が期待されます。セキュリティリスクを回避しつつ、慎重に状況を見守りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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