
Windowsの動作状況やシステム情報を取得する際、多くの管理ツールやスクリプトが利用しているのが「Windows Management Instrumentation(WMI)」というサービスです。
このサービスは、タスクマネージャーやイベントビューアー、PowerShellスクリプト、監視ツールなどの裏側で動作しており、Windowsの健全な動作に深く関わっています。この記事では、WMIの役割や設定、よくある不具合の解決方法をわかりやすく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Management Instrumentation
- 内部サービス名:
winmgmt
- 実行ファイル:
svchost.exe -k netsvcs -p
- スタートアップの種類:自動(初期設定)
サービスの概要
Windows Management Instrumentation(WMI)は、Windowsの管理情報にアクセスするための標準インターフェースを提供するサービスです。
このサービスを通じて、アプリケーションやスクリプトがハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク構成などの詳細情報にアクセスできます。
主な用途と機能
- PowerShellやWMICコマンドからのシステム情報取得
- グループポリシー、監視ツール、アンチウイルスソフトとの連携
- イベントログやパフォーマンスカウンターとの統合
- リモート管理(Windowsリモート管理、WMI over DCOM)サポート
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を実行- 「Windows Management Instrumentation」をダブルクリック
- スタートアップの種類が「自動」になっているか確認
- 状態が「実行中」であることを確認(停止していれば開始)
有効化や無効化の手順
有効化する場合
sc config winmgmt start= auto
net start winmgmt
無効化する場合
net stop winmgmt
sc config winmgmt start= disabled
※無効化は推奨されません。多くの管理機能が停止する恐れがあります
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動(既定)
- 多くのシステムツールやアプリがWMIに依存しているため、無効化すると異常動作が発生するリスクがあります
- 通常は自動で起動されており、手動操作の必要はありません
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- PowerShellやWMICで「WMI サービスに接続できません」と表示される
- イベントビューアーで「WMIでの照会に失敗しました」エラーが出る
- システム情報やタスクスケジューラの一部が動作しない
解決手順
- WMIサービスの再起動
net stop winmgmt
net start winmgmt
- WMIリポジトリの修復
winmgmt /verifyrepository
winmgmt /salvagerepository
- WMIインストルメントフォルダの再構築
winmgmt /resetrepository
- sfc /scannow や DISMコマンドでのシステム整合性確認
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Remote Procedure Call (RPC) | WMIの通信に必須 |
Windows Remote Management | WMIのリモートアクセスに使用 |
DCOM Server Process Launcher | WMIでのCOM通信に必要 |
バッチファイルでの起動例
@echo off
sc config winmgmt start= auto
net start winmgmt
pause
FAQセクション
Q1:WMIサービスが停止するとどうなる?
PowerShellやWMIC、システム監視ソフトなどで情報取得ができなくなります。アプリケーションの一部機能が使えなくなることもあります。
Q2:WMIの再構築でデータが失われることはありますか?
WMIリポジトリはシステム情報のキャッシュのようなもので、再構築によって一時的な構成情報が消えますが、実際の設定は保持されます。
関連リンク
まとめ
Windows Management Instrumentation(WMI)は、システム情報の取得や構成管理において不可欠なサービスです。
特に企業ネットワークやトラブル診断において多用されるため、正しく動作しているかどうかは非常に重要です。
Windows 11でもWMIは「自動」に設定されており、通常はそのまま利用して問題ありませんが、エラーが出た場合はサービスの再起動やリポジトリ修復を試してみましょう。
多くのツールが依存しているため、無効化や削除は避け、安定した運用を心がけてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント