
アプリのインストール中に「Windows Installerサービスにアクセスできません」というエラーが表示された経験はありませんか?
Windowsには、MSI形式のインストーラーで提供されるアプリを管理する専用のサービス「Windows Installer」が搭載されています。
このサービスが正しく動作していないと、アプリのインストールやアンインストール、更新ができなくなることがあります。ここでは、Windows 11でのWindows Installerの役割と設定確認、トラブル解決の方法について解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Installer
- 内部サービス名:
MSIServer
- 実行ファイル:
msiexec.exe /V
- スタートアップの種類:手動(初期設定)
サービスの概要
Windows Installerサービスは、.msi
や .msp
拡張子で提供されるWindowsアプリケーションのインストール、更新、修復、削除の各プロセスを管理するサービスです。
多くの商用ソフトウェアや企業向けアプリケーションで使用されており、信頼性と再現性の高いインストール手順を提供します。
主な用途と機能
.msi
ファイルのインストール・修復・削除を管理- インストールのロールバック機能で途中の失敗も安全に対応
- 複数のアプリケーションとバージョン管理が可能
- ソフトウェアのパッチ適用(
.msp
)処理もサポート
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を入力しEnter- 「Windows Installer」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」が「手動」になっていることを確認
- 状態が「停止」中の場合は、「開始」ボタンをクリックして起動可能
有効化や無効化の手順
有効化する場合
sc config MSIServer start= demand
net start MSIServer
無効化する場合
net stop MSIServer
sc config MSIServer start= disabled
※通常は「手動」のままで問題ありません
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動(初期設定)
- MSIベースのインストール時に自動で起動されるため、常時起動の必要はありません
- 無効化するとアプリのインストール・修復時にエラーが発生する可能性があります
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 「Windows Installerにアクセスできません」エラー
- アプリがインストール・アンインストールできない
- セットアップ中に停止してロールバックされる
解決手順
- サービスの状態確認
sc query MSIServer
- 手動で再起動
net stop MSIServer
net start MSIServer
- msiexecのバージョン確認
msiexec /version
- システムファイルチェッカーで整合性チェック
sfc /scannow
- レジストリ修正(エラー1601など)
必要に応じて、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSIServer
を確認し、ImagePath
の値が正しいかチェック
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Windows Modules Installer (TrustedInstaller ) | Windows UpdateのMSIと連携 |
Windows Update (wuauserv ) | 一部MSI更新処理と連動 |
Application Identity | グループポリシーによるMSI制御に影響 |
バッチファイル例
@echo off
sc config MSIServer start= demand
net start MSIServer
pause
FAQセクション
Q1:msiexecが起動しないときはどうすればいい?
msiexec /unregister
→ msiexec /regserver
の順でコマンドを実行することで、MSIエンジンの再登録が可能です。
Q2:MSI以外のインストーラーはこのサービスを使いますか?
いいえ。.exe
ベースの独自インストーラーはWindows Installerとは無関係です。MSI形式限定でこのサービスが使われます。
関連リンク
- Microsoft公式:Windows Installerの仕組み
- msiexecコマンドの使い方とパラメータ一覧
- Windows 11でのサービスの有効・無効化方法
- サービスを操作するバッチファイルの作成例
まとめ
Windows Installerサービスは、MSI形式で提供されるアプリケーションの管理に欠かせない存在です。通常は「手動」設定で、必要なときに自動的に起動されるため、特別な操作は不要ですが、エラー時にはサービスの状態確認や再登録で解決できることが多いです。
アプリのインストールがうまくいかないときは、まずこのサービスが正しく動作しているかを確認してみましょう。MSIインストール時のトラブルを避けるためにも、無効化は避け、正しい設定を維持することが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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