
スキャナーやカメラから画像を読み込もうとしたときに、突然デバイスが反応しない経験はありませんか?
その原因の一つとして考えられるのが、Windowsの「Windows Image Acquisition(WIA)」サービスが正しく動作していないケースです。
このサービスは、Windows 11において画像取得に不可欠な役割を担っており、スキャンアプリや一部のドライバと連携しています。ここでは、WIAの役割と設定方法、よくあるトラブルの対処法をまとめてご紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Image Acquisition (WIA)
- 内部サービス名:
stisvc
- 実行ファイル:
svchost.exe -k imgsvc
- スタートアップの種類:自動(初期設定)
サービスの概要
Windows Image Acquisition(WIA)は、スキャナーやカメラなどの画像入力デバイスとWindowsアプリケーション間でのデータやコマンドのやり取りを制御するサービスです。
このサービスが有効になっていないと、画像取得やスキャン操作を行うアプリが正しく機能しない場合があります。
主な用途と機能
- スキャナーやカメラから画像を取得
- Windows Faxとスキャン、ペイントなどのアプリでスキャナーを使用可能にする
- WIA対応デバイスの操作とイベント処理
- サードパーティのスキャンソフトとも連携可能
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を入力しEnter- 一覧から「Windows Image Acquisition (WIA)」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」が「自動」になっていることを確認
- サービスが停止中の場合は「開始」ボタンをクリック
有効化や無効化の手順
有効化する場合
sc config stisvc start= auto
net start stisvc
無効化する場合
net stop stisvc
sc config stisvc start= disabled
※WIAを無効にすると、スキャナー機能が正常に動作しなくなることがあります
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動(既定のまま)
- スキャナーやカメラを使用する環境では必須
- 一部のOCRアプリや画像読み込みツールもWIAに依存しているため、無効化は推奨されません
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- スキャナーがアプリに認識されない
- 「スキャナーに接続できません」などのエラーメッセージが表示される
- WIAサービスが自動で停止している
- デバイスマネージャーでは問題がないが、スキャンできない
解決手順
- サービスの状態を確認
sc query stisvc
- サービスの再起動
net stop stisvc
net start stisvc
- デバイスの接続確認
- USBケーブルの抜き差し
- 他のポートへの接続変更
- スキャナーの再インストール
- デバイスマネージャーからアンインストール後、再接続して再認識を促す
- sfc /scannow の実行でシステムファイル修復
関連サービスや補足情報
サービス名 | 説明 |
---|---|
Windows Faxとスキャン | スキャナーからの画像取得アプリ |
Shell Hardware Detection | スキャナーの自動検出に関与 |
Plug and Play | 新しいスキャナーデバイスの認識を担当 |
Windows Biometric Service | 指紋スキャナーと混同されることもあり注意 |
バッチファイル例:
@echo off
sc config stisvc start= auto
net start stisvc
pause
FAQセクション
Q1:スキャナーが動作しないとき、WIA以外に確認すべきサービスは?
「Shell Hardware Detection」や「Plug and Play」も関連しているため、これらが停止していないか確認することをおすすめします。
Q2:WIAに依存していないアプリもありますか?
はい。スキャナーによってはWIAではなく、TWAINや独自ドライバを使用することもあります。アプリケーション側の仕様も確認してください。
関連リンク
まとめ
Windows Image Acquisition(WIA)は、スキャナーやカメラからの画像取得に欠かせない重要なサービスです。Windows 11では、標準で「自動」に設定されており、基本的にはそのままにしておくのが最適です。
スキャナーが認識されない、スキャンできないといった不具合の多くは、このWIAサービスの状態を確認することで解決する可能性があります。
システムを安定して使うためにも、サービスの状態や設定を正しく把握しておきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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