
Windowsを使っていて「パソコンがいつ起動されたか」「正常に終了しているか」を調べたい場面は少なくありません。特に、予期しない再起動や突然のシャットダウンがあった場合、原因を特定するために役立つのがイベントログです。
本記事では、Windowsのイベントログを使って起動と終了の履歴を確認する方法、主要なイベントID、トラブル時の原因調査手順をわかりやすく解説します。
イベントログとは?
イベントログは、Windowsがシステムやアプリケーションで発生した出来事を時系列で記録する仕組みです。
記録内容には、パソコンの起動・終了、エラー、警告、ドライバーの読み込み状況などが含まれます。
起動・終了の履歴を定期的に確認することで、以下のメリットがあります。
- 不正な起動や予期しないシャットダウンの検出
- システムトラブル発生時の原因特定
- 稼働状況の把握やメンテナンス計画の立案
イベントビューアーの起動方法

イベントログは「イベントビューアー」というツールで確認できます。Windows 10/11に標準搭載されており、追加のインストールは不要です。
イベントビューアーの起動手順
- スタートメニューを開く
- 検索バーに「イベントビューアー」と入力
- 表示された「イベントビューアー」をクリック

イベントビューアーが開いたら、左メニューから
[Windows ログ] → [システム] を選択します。
ここに、起動や終了に関する情報が一覧で表示されます。
起動ログの確認方法

起動に関連する代表的なイベントIDは6005と6009です。
- 6005:「イベントログサービスが開始されました」=システムが起動
- 6009:起動時のプロセッサ情報(CPUの種類やクロックなど)
確認手順
- イベントビューアーで「システム」を開く
- 右側の「現在のログをフィルター」をクリック
- イベントIDに「6005, 6009」と入力してOK
これで、起動履歴のみを効率的に確認できます。
終了ログの確認方法

終了に関する代表的なイベントIDは6006と6008です。
- 6006:「イベントログサービスが停止されました」=正常終了
- 6008:異常シャットダウン(停電や強制終了など)
確認手順
- 「システム」ログを開く
- イベントIDで「6006, 6008」をフィルター指定
- 記録時刻とイベントの種類を確認
6008が多発している場合、ハードウェアや電源設定の見直しが必要です。
主要イベントID一覧(起動・終了関連)
| イベントID | 内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 6005 | イベントログサービス開始 | システム起動 |
| 6006 | イベントログサービス停止 | 正常終了 |
| 6008 | 予期しないシャットダウン | 強制終了や電源断 |
| 6009 | プロセッサ情報 | 起動時のCPU情報 |
| 6013 | 稼働時間 | OS起動からの累計稼働時間 |
イベントログのフィルター設定

イベントビューアーでは、イベントIDを指定して絞り込み表示が可能です。
大量のログから目的の情報を探す場合、フィルター機能が必須です。
フィルター設定例
- 起動ログのみ →
6005, 6009 - 終了ログのみ →
6006, 6008
さらに、フィルター条件を保存しておくと、次回以降ワンクリックで同じ条件を適用できます。
ログデータの保存・出力方法
イベントログは画面で見るだけでなく、ファイルとして保存して他の人と共有できます。
wevtutilコマンドで出力

wevtutil qe System /q:"*[System[(EventID=6005)]]" /f:text > C:\startup_log.txt
PowerShellで取得

Get-EventLog -LogName System -InstanceId 6005 -Newest 10
PowerShellでは柔軟な条件指定やCSV保存も可能です。
トラブル時の原因調査
起動失敗・遅延の調査
- イベントID 6005の前後にエラーや警告がある場合、ドライバやサービスの読み込み失敗が原因の可能性があります。
異常シャットダウンの調査
- イベントID 6008を確認し、記録時刻や直前のエラーログを参照します。
Windows Update後の不具合
- Update直後に起動や終了が遅くなる場合、更新プログラムのインストール記録を併せて確認します。
よくある質問(FAQ)
- イベントログが表示されない
記録が無効化されている可能性があります。[イベントログサービス]が有効か確認してください。
- ログの内容が難しい
イベントIDをインターネットで検索すると、公式や専門サイトで解説が見つかります。
- イベントビューアーが起動しない
システムファイルが破損している可能性があります。
sfc /scannowで修復を試してください。
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まとめ
- イベントログを使えば、Windowsの起動・終了履歴を正確に把握可能
- イベントID 6005・6006・6008・6009を押さえておくと調査がスムーズ
- 異常があれば、早めに原因特定と対策を行うことが重要
定期的にイベントログを確認することで、トラブルの早期発見と安定したパソコン運用につながります。
Tamaglo最後までお読みいただきありがとうございます。
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