
Wi-Fiルーターやプリンターなど、WPS(Wi-Fi Protected Setup)機能を使った接続は、複雑なパスワード入力なしにスムーズな設定が可能です。Windows 11にも、このWPS接続をサポートするサービス「Windows Connect Now – Config Registrar」が搭載されています。
このサービスは通常は手動起動ですが、必要な場面で自動的に動作する仕組みです。今回は、このサービスの機能や設定方法、トラブル時の対処法について詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Connect Now – Config Registrar
- 内部サービス名:
wcncsvc
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalServiceNetworkRestricted
- スタートアップの種類:手動
サービスの概要
Windows Connect Now – Config Registrarは、WPS(Wi-Fi Protected Setup)対応機器とPCの接続情報をやり取りし、無線接続を自動で構成するためのサービスです。
WPSボタンを使用してプリンターやWi-Fi子機を接続する際、このサービスが一時的に動作し、暗号化設定などを自動で構成します。
主な用途と機能
- WPSプロトコルを使用した無線機器の接続設定
- ネットワークプロファイルの自動構成
- 無線セキュリティ情報(SSID、暗号化方式)の自動登録
- WPSボタン連携処理のサポート
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を実行- 一覧から「Windows Connect Now – Config Registrar」を選択
- ダブルクリックしてプロパティを開く
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に変更(必要に応じて)
- 状態が「停止中」の場合は「開始」ボタンで手動起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
WPS機能を利用する前に、サービスを有効にする必要があります。以下のコマンドで設定可能です。
sc config wcncsvc start= demand
net start wcncsvc
常に起動させたい場合
sc config wcncsvc start= auto
無効化する場合
WPSを使わない、セキュリティポリシー上無効化したい場合は以下のコマンドを使います。
net stop wcncsvc
sc config wcncsvc start= disabled
推奨設定とその理由
「手動」設定が推奨されます。
- 使用時にのみ起動されるため、リソース消費を最小限にできる
- セキュリティ上、WPSを常時有効にする必要はない
- 必要なときにのみ起動できる柔軟な運用が可能
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- WPSでプリンターが接続できない
- 接続の途中でエラーが発生する
- WPSボタンを押してもPCが反応しない
- ネットワークプロファイルが保存されない
解決手順
- サービスの状態を確認
sc query wcncsvc
- サービスの手動起動
net start wcncsvc
- ファイアウォールの設定確認
Windows DefenderファイアウォールでWCN(Windows Connect Now)関連の通信がブロックされていないか確認
- ネットワークの状態確認
WLAN AutoConfigサービスが有効かどうかも確認すること
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
WLAN AutoConfig (WlanSvc ) | 無線LAN全般の制御と接続処理を管理 |
Windows Event Log | 接続ログの取得と確認に必要 |
Network List Service | 接続されたネットワークの情報取得に関与 |
バッチファイル例
@echo off
sc config wcncsvc start= demand
net start wcncsvc
pause
FAQセクション
Q1:このサービスが無効でもWi-Fiは使えますか?
はい。通常のWi-Fi接続(SSIDとパスワードを入力する接続)には影響しません。このサービスはWPS接続時のみ必要です。
Q2:セキュリティ的にWPSは危険ではありませんか?
一部の古いルーターではWPS機能に脆弱性が存在します。信頼できる機器と環境でのみ使用し、使わない場合はこのサービスも含めて無効にしておくのが望ましいです。
関連リンク
- Windows 11でWPS機能を利用する方法
- scコマンドの基本的な使い方
- Wi-Fiが接続できないときのチェック
- WLAN AutoConfigサービスについて
まとめ
Windows Connect Now – Config Registrarは、WPS機能によるワイヤレス接続をサポートするWindowsの補助的なサービスです。通常は手動で起動されるため、普段の使用で意識することは少ないですが、WPS接続がうまくいかないときには確認が必要です。
セキュリティの観点からも、必要なときだけ有効化する運用が安心です。設定変更やトラブル時の対処法を覚えておくと、Wi-Fi接続のストレスが減るはずです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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