
パスワード入力の代わりに、指紋認証や顔認証を使ってWindowsにログインしている人は多いでしょう。これらの生体認証機能を裏で支えているのが「Windows Biometric Service」というサービスです。
このサービスが停止していると、Windows Helloなどの認証機能が正常に動作しなくなります。本記事では、このサービスの基本的な役割や設定方法、認証がうまくいかないときのトラブル対処法を紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Biometric Service
- 内部サービス名:
WbioSrvc
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalSystemNetworkRestricted
- スタートアップの種類:自動
サービスの概要
Windows Biometric Serviceは、Windows Helloなどの生体認証機能を実現するために必要なサービスです。指紋センサーや顔認証カメラなどから取得したデータをキャプチャし、保存・比較処理を行います。
このサービスが有効であることで、ユーザーはPINやパスワードを使わず、より安全かつスピーディにログインできます。
主な用途と機能
- 指紋認証や顔認証など、生体データの取得と認証処理
- Windows Helloを利用したサインインのサポート
- 認証デバイスとの連携と制御
- 認証情報の安全な保存と一致確認の実行
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を起動- 一覧から「Windows Biometric Service」を選択してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」が「自動」になっているか確認
- サービスが「停止中」の場合は「開始」ボタンで起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
以下のコマンドでサービスを自動起動に設定し、起動します。
sc config WbioSrvc start= auto
net start WbioSrvc
無効化する場合
生体認証機能を使わない場合は無効化も可能ですが、Windows Helloなどが使用できなくなります。
net stop WbioSrvc
sc config WbioSrvc start= disabled
推奨設定とその理由
スタートアップの種類は「自動」が推奨されます。
- Windows Helloの指紋・顔認証に必須
- 無効にすると生体認証が利用不可になる
- 安全性と利便性の両立のため、常時有効が最適
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 指紋リーダーや顔認証が動作しない
- Windows Helloが設定できない
- 「Windows Biometric Serviceが実行されていません」と表示される
- 認証デバイスがデバイスマネージャーに表示されない
解決手順
- サービスの状態確認
sc query WbioSrvc
- サービスの再起動
net stop WbioSrvc
net start WbioSrvc
- Windows Helloの再設定
設定 > アカウント > サインインオプション
で生体認証の設定を見直す
- デバイスマネージャーでドライバー確認
生体認証デバイスが認識されているか確認し、必要なら更新
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Credential Manager | 資格情報の保存と管理 |
Plug and Play | 認証デバイスの認識に関与 |
Windows Hello | 生体認証全体のUI・UX制御 |
バッチファイル例
@echo off
sc config WbioSrvc start= auto
net start WbioSrvc
pause
FAQセクション
Q1:サービスが停止していると指紋認証ができませんか?
はい。Windows Biometric Serviceが停止していると、Windows Helloでの指紋認証や顔認証は使用できません。
Q2:Windows Helloを使用しない場合でも有効にしておくべきですか?
使用しないのであれば無効化しても問題ありません。ただし再度使う際には手動で有効化が必要です。
関連リンク
まとめ
Windows Biometric Serviceは、Windows 11で指紋認証や顔認証を可能にする基盤的なサービスです。セキュリティと利便性を高めるためにも、このサービスは「自動」設定で有効にしておくことが推奨されます。
認証がうまくいかないときは、サービス状態やデバイスの認識状況を確認することで、問題の特定と解決に繋がります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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