
Windows 11を使用する上で、動画視聴や音楽再生、オンライン会議など、音声機能は欠かせません。これらの機能を裏で支えているのが「Windows Audio」というサービスです。
スピーカーやマイクの動作だけでなく、音響効果やサウンドプロファイルの適用にも関係しており、音声出力に問題が発生したときには、このサービスが正しく動作しているかが重要なチェックポイントになります。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Audio
- 内部サービス名:
Audiosrv
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalServiceNetworkRestricted
- スタートアップの種類:自動
サービスの概要
Windows Audioサービスは、システム全体の音声機能を管理し、スピーカーやマイクなどのハードウェアとアプリケーション間で音の入出力を橋渡しする機能を提供します。
これにより、音声を再生したり、録音したり、エフェクト(音質調整)をかけたりすることが可能になります。
主な用途と機能
- スピーカーやヘッドホンからの音声出力制御
- マイクやライン入力からの録音処理
- サウンドエフェクトの適用(バーチャルサラウンド等)
- アプリごとの音量管理(ミキサー連携)
- システムイベント音の再生
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を実行- 「Windows Audio」をダブルクリック
- スタートアップの種類が「自動」になっているか確認
- サービスが「実行中」になっていなければ「開始」をクリック
有効化や無効化の手順
有効化する場合
サービスが無効または停止している場合、以下のコマンドで有効化および起動できます。
sc config Audiosrv start= auto
net start Audiosrv
無効化する場合
通常無効化することは推奨されませんが、特定の制限環境下などで必要な場合は以下の通りです。
net stop Audiosrv
sc config Audiosrv start= disabled
推奨設定とその理由
スタートアップの種類は「自動」が推奨されます。
- 音声機能は多くのアプリで必須
- 無効化するとYouTubeやZoom、音楽プレイヤーなどが無音になる
- 再生デバイスが認識されなくなる可能性あり
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 音が出ない(すべてのアプリで)
- マイクが反応しない
- 「オーディオサービスが実行されていません」と表示される
- 音量ミキサーが操作できない
解決手順
- サービス状態を確認
sc query Audiosrv
- サービスを再起動
net stop Audiosrv
net start Audiosrv
- 依存関係にあるサービスも確認
「Windows Audio Endpoint Builder」が停止していないか確認
- ドライバーの確認
デバイスマネージャーでオーディオドライバーを更新または再インストール
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Windows Audio Endpoint Builder (AudioEndpointBuilder ) | 音声のハードウェア設定を補助 |
Remote Procedure Call (RPC) | システムサービス間通信の基盤 |
Plug and Play | オーディオ機器の認識と管理に影響あり |
バッチファイル例
@echo off
sc config Audiosrv start= auto
net stop Audiosrv
net start Audiosrv
pause
FAQセクション
Q1:Windows Audioサービスが停止すると何が起こりますか?
音声の再生・録音ができなくなり、システムサウンドやメディア再生がすべて無音になります。また、一部の音声デバイスも認識されなくなります。
Q2:このサービスを再起動しても改善しない場合は?
「Windows Audio Endpoint Builder」や「オーディオドライバー」の問題が原因のことがあります。セットで確認するとよいでしょう。
関連リンク
- Windows 11で音が出ないときのトラブルシューティング
- コマンドプロンプトでサービス操作を行う方法(scコマンド)
- AudioEndpointBuilderとの連携と違い
- バッチで音声サービスを再起動する手順
まとめ
Windows Audioサービスは、Windows 11で音声機能を支える中心的なサービスです。音が出ない、マイクが動かないといったトラブルの多くは、このサービスの停止や異常が原因となっていることが多いため、状態を確認することがトラブル解決への第一歩になります。
自動設定での運用が基本ですが、必要に応じてコマンドやサービス画面から確認・制御を行うことで、スムーズな音声環境を保つことができます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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