
音が出ない、マイクが認識されない、そんなときにチェックすべきWindowsの重要なサービスが「Windows Audio Endpoint Builder」です。これは音の入出力を支える「Windows Audio」サービスと連携し、スピーカーやマイクなどの物理デバイスとの接続や設定を管理する役割を担っています。
音響まわりの不具合が発生した際には、このサービスが正しく動作しているかを確認することが、解決の第一歩となります。
サービスの基本情報
- サービス名:Windows Audio Endpoint Builder
- 内部サービス名:
AudioEndpointBuilder
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalSystemNetworkRestricted
- スタートアップの種類:自動
サービスの概要
Windows Audio Endpoint Builderは、オーディオデバイスとの通信を確立し、Windows Audioサービスが正常に動作できるよう環境を整える基盤的なサービスです。
スピーカーやマイクの「準備完了」「未接続」などのステータス表示、音声デバイスの初期化・認識にも関わっています。
主な用途と機能
- サウンドデバイス(出力/入力)の検出と初期化
- Windows Audioサービスの補助的な土台構築
- オーディオデバイスのプロパティ取得や再設定
- 音量ミキサーや録音デバイスのリスト管理
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を入力してサービス一覧を開く- 「Windows Audio Endpoint Builder」をダブルクリック
- スタートアップの種類が「自動」であることを確認
- 状態が「実行中」でなければ「開始」ボタンで起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
以下のコマンドを使ってサービスを起動・有効化できます。
sc config AudioEndpointBuilder start= auto
net start AudioEndpointBuilder
無効化する場合
基本的には無効化は推奨されませんが、制限された環境では以下の手順で停止可能です。
net stop AudioEndpointBuilder
sc config AudioEndpointBuilder start= disabled
推奨設定とその理由
「自動」設定が必須レベルで推奨されます。
- このサービスが停止すると、Windows Audioが正常に動作しません
- デバイスが未接続と誤認識され、音声出力が無効になります
- 多くの音声トラブルの原因になりやすいため、常に有効にしておくべきです
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 音がまったく出ない(ミュートではない)
- オーディオデバイスが表示されない
- 「オーディオサービスが実行されていません」と表示される
- 再生/録音デバイスの切り替えができない
解決手順
- サービス状態の確認
sc query AudioEndpointBuilder
- サービスの再起動
net stop AudioEndpointBuilder
net start AudioEndpointBuilder
- Windows Audioサービスも合わせて確認
sc query Audiosrv
- ドライバの再インストールや更新
デバイスマネージャーから対象のオーディオデバイスを右クリック → ドライバーの更新
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Windows Audio (Audiosrv ) | 音の再生・録音処理を担当 |
Plug and Play | デバイスの検出と状態管理に影響 |
Remote Procedure Call (RPC) | システム間通信を支える基礎サービス |
バッチファイル例
@echo off
sc config AudioEndpointBuilder start= auto
net stop AudioEndpointBuilder
net start AudioEndpointBuilder
pause
FAQセクション
Q1:AudioEndpointBuilderを再起動すると音声設定が初期化されますか?
いいえ。再起動しても既存の再生・録音設定は保持されますが、音声デバイスの再検出が行われるため、認識されていなかったデバイスが使えるようになる可能性があります。
Q2:このサービスを停止するとどうなりますか?
スピーカーやマイクが認識されなくなり、Windows Audioサービスも実質的に機能しなくなります。音声まわりのすべての機能が停止します。
関連リンク
まとめ
Windows Audio Endpoint Builderは、音声デバイスの認識と接続状態の管理を担う非常に重要なサービスです。Windows Audioとセットで動作し、サウンド機能の土台を構築します。
音声に関するトラブルの多くはこのサービスの異常や停止が原因であり、まず確認すべきポイントです。サービスを自動に設定しておくことで、安定したサウンド環境を維持できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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