
Windows 11では、クラウドストレージやイントラネット上のファイルサーバーと連携する方法が多様化しています。その中でもWebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)を使ったファイルアクセスは、業務用途で今も広く利用されています。
このWebDAV接続をWindowsのエクスプローラーで実現するために必要なのが「WebClient」というサービスです。この記事では、WebClientの役割、設定方法、そしてトラブルが起きた際の対処法についてわかりやすく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:WebClient
- 内部サービス名:
WebClient
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalService
- スタートアップの種類:手動
サービスの概要
WebClientは、WebDAV対応サーバーへの接続を可能にし、リモート上のファイルやフォルダーをWindowsのドライブのように操作できるようにするサービスです。
このサービスを有効にすることで、https://example.com/webdav/
のようなアドレスをエクスプローラーで開き、あたかもローカルフォルダのようにファイルを操作できます。
主な用途と機能
- WebDAVプロトコルを使用してファイルを送受信
- SharePoint、NAS、クラウドストレージとの統合
- リモートサーバー上のフォルダをネットワークドライブとしてマウント
- 認証を通じた安全なファイル転送のサポート
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を実行- 「WebClient」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「手動」または「自動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
以下のコマンドでWebClientサービスを有効にし、即時起動します。
sc config WebClient start= auto
net start WebClient
または、必要なときだけ起動する場合は以下のように設定します。
sc config WebClient start= demand
net start WebClient
無効化する場合
WebDAVを使わない場合、無効化することで不要なリソース使用を防げます。
net stop WebClient
sc config WebClient start= disabled
推奨設定とその理由
「手動」もしくはWebDAVを使う環境では「自動」が推奨されます。
- 使用しない場合は停止状態でも問題なし
- SharePointやNASを頻繁に使う場合は自動起動で利便性向上
- セキュリティ上不要なプロトコルは無効化するのがベストプラクティス
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワークドライブの割り当てができない
- エクスプローラーでWebDAVアドレスを開くとエラーになる
- サーバーへの接続に時間がかかる
- 認証失敗や「場所が利用できません」エラーが表示される
解決手順
- サービス状態を確認
sc query WebClient
- サービスの再起動
net stop WebClient
net start WebClient
- サーバーURLの形式確認
「https://~」のセキュアな接続を使用し、サーバーがWebDAVに対応しているか確認
- 資格情報マネージャーの再設定
control keymgr.dll
で保存された資格情報を見直す
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Workstation | ネットワーク共有フォルダーとの接続を提供 |
Web Threat Defense | Web上のセキュリティを補完 |
Windows Event Log | 接続トラブル時のログ確認に利用 |
バッチファイル例:
@echo off
sc config WebClient start= demand
net start WebClient
pause
FAQセクション
Q1:WebClientが起動していないとWebDAVは使えませんか?
はい。WebClientサービスが起動していないと、エクスプローラーでWebDAVアドレスにアクセスすることはできません。
Q2:WebClientは常に起動させておいたほうがいいですか?
頻繁にWebDAV接続を行う場合は「自動」設定でも問題ありませんが、不要なときは「手動」や「無効」でリソース節約できます。
関連リンク
まとめ
WebClientサービスは、Windows 11でWebDAV接続を実現するための重要なコンポーネントです。手動での運用が基本ですが、業務用途などで頻繁に使用する場合は自動起動にすることで利便性が向上します。
接続できない場合は、サービスの状態確認やURL、認証情報のチェックが解決への近道です。Webベースのファイル共有を利用する環境では、このサービスの役割を理解しておくことがスムーズな運用につながります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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