
現代のネット環境では、ユーザー単位でのセキュリティ対策がますます重要になっています。ブラウザの使い方やアクセス先の違いにより、感染リスクやフィッシング被害も人それぞれです。
Windows 11では、こうした状況に対応するために「Web Threat Defense ユーザー サービス」という個別ユーザー向けセキュリティ機能が導入されています。このサービスは、ユーザーごとにインスタンスが起動し、ウェブの脅威から個別に保護する役割を担います。
本記事では、このサービスの基本情報、設定方法、トラブル対処法などをわかりやすく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Web Threat Defense ユーザー サービス
- 内部サービス名:
WebThreatDefSvc_XXXXXX
(ユーザーごとに異なる) - 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:自動
サービスの概要
Web Threat Defense ユーザー サービスは、ユーザー単位でブラウザ活動を監視し、マルウェアサイトやフィッシングサイトへのアクセスをブロックする補助的なセキュリティサービスです。
Web Threat Defense(本体サービス)と連携し、SmartScreenやDefender機能を補完することで、より細かな保護を提供します。
主な用途と機能
- 個別ユーザーのWebブラウジングの監視と保護
- 危険なURLの検出とアクセス遮断
- 複数アカウント使用時でも各ユーザーに対して保護を提供
- Microsoft DefenderおよびSmartScreenとの統合動作
サービスの設定方法

Ctrl + Shift + Esc
でタスクマネージャーを開き、「サービス」タブへ- 一覧から
WebThreatDefSvc_
で始まるサービス名を探す - 「サービスとして開く」を右クリックし、「services.msc」にジャンプ
- ダブルクリックしてスタートアップの種類や状態を確認
有効化や無効化の手順
有効化する場合
ユーザーごとにインスタンスがあるため、該当ユーザーでログイン後、以下のコマンドを実行します。
sc config WebThreatDefSvc_<UserSuffix> start= auto
net start WebThreatDefSvc_<UserSuffix>
※ <UserSuffix>
は実際のサービス名を確認してください(例: WebThreatDefSvc_13f24
)
無効化する場合
同様にユーザー単位で無効化が可能です。
net stop WebThreatDefSvc_<UserSuffix>
sc config WebThreatDefSvc_<UserSuffix> start= disabled
推奨設定とその理由
「自動」設定のままが推奨されます。
- 各ユーザーのWeb操作に即時反応するためには常駐が必要
- SmartScreenやDefenderとの連携が円滑に機能する
- 無効化すると個別アカウントの保護が不完全になる可能性がある
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- アカウント切替時にサービスエラーが発生する
- 一部のブラウザ拡張機能と干渉してページが正しく表示されない
- サービス名が複数あり管理が難しい
- SmartScreen機能が効かないように感じる
解決手順
- タスクマネージャーでサービス名の確認
サービスタブに表示されているインスタンス名を記録しておくと便利です
- サービスの状態確認と再起動
sc query WebThreatDefSvc_<UserSuffix>
net stop WebThreatDefSvc_<UserSuffix>
net start WebThreatDefSvc_<UserSuffix>
- SmartScreen機能の再有効化
「Windows セキュリティ」→「アプリとブラウザー コントロール」→「SmartScreen 設定」から設定を確認
- ブラウザのキャッシュと拡張機能を見直す
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Web Threat Defense | サービス本体(ユーザーサービスを制御) |
Microsoft Defender Antivirus | 全体的なウイルス対策 |
SmartScreen | Webサイトのセーフチェック |
Windows Event Log | 問題発生時のログ記録 |
バッチファイル例(例として一つのユーザーサービスを再起動)
@echo off
sc stop WebThreatDefSvc_13f24
sc start WebThreatDefSvc_13f24
pause
FAQセクション
Q1:このユーザーサービスはなぜ複数あるのですか?
Windows 11では各ユーザーごとに別インスタンスのセキュリティサービスを起動することで、よりきめ細かな保護が可能になっています。そのためアカウントが複数あるとサービス名が複数表示されます。
Q2:一時的にサービスを無効にしても問題ありませんか?
一時的には問題ありませんが、悪質なサイトへの保護機能が働かなくなるため、再度有効化を忘れないように注意が必要です。
関連リンク
まとめ
Web Threat Defense ユーザー サービスは、Windows 11でユーザーごとのブラウザ操作を保護するために設計された重要な補助サービスです。通常は自動で管理されますが、アカウントごとのトラブルやセキュリティの設定に応じてサービスの状態を確認することが必要です。
複数ユーザー環境やセキュリティに厳しい用途でPCを使う場合、このサービスの有効性を活かすことで安全性を一段と高められます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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