
Windows 11には、デジタル支払いやチケット管理などをサポートする「ウォレット」機能が搭載されています。主にMicrosoft Storeやアプリ内課金などで使用されるこの仕組みを裏側で支えているのが、「WalletService」です。
このサービスは通常は手動起動で、特定の機能を使用する際のみアクティブになりますが、まれにバックグラウンドでのエラーや同期失敗の原因となることもあります。本記事では、WalletServiceの役割や設定方法、トラブル対処法をわかりやすく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:WalletService
- 内部サービス名:
WalletService
- 実行ファイル:
svchost.exe -k appsvcs
- スタートアップの種類:手動
サービスの概要
WalletServiceは、Windowsにおけるウォレット機能(支払い方法、チケット、パスなど)を利用するために必要なオブジェクトをホストするサービスです。
Microsoft Store、Outlook、サードパーティアプリでの支払い処理や資格情報保存に関係することがありますが、通常のPC利用ではほとんど目立つことのないサービスです。
主な用途と機能
- ウォレットに登録された支払い情報の管理
- アプリによる支払い・パスの表示や利用の補助
- Microsoft Storeやクラウドサービスとの連携
- セキュアなトランザクションのための認証支援
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を実行- 「WalletService」を探してダブルクリック
- スタートアップの種類が「手動」になっていることを確認
- 状態が必要に応じて「停止中」または「実行中」であることを確認
有効化や無効化の手順
有効化する場合
支払い処理などでWalletServiceが必要な場合、以下のコマンドでサービスを手動起動できます。
sc config WalletService start= demand
net start WalletService
無効化する場合
ウォレット機能をまったく使わない場合は、無効化することで余計なバックグラウンド動作を抑えることもできます。
net stop WalletService
sc config WalletService start= disabled
推奨設定とその理由
スタートアップの種類は「手動」が推奨です。
- 通常は使用時のみ起動され、リソースを節約できる
- 常時起動の必要はなく、アクティブになる場面は限定的
- 無効化しても一般的なPC操作には支障がない
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- Microsoft Storeでの購入が途中で止まる
- アプリ内課金が動作しない
- 資格情報の読み込みエラーが発生する
- イベントログに「WalletServiceの起動に失敗しました」と出る
解決手順
- サービスの状態確認
sc query WalletService
- 停止している場合は起動
net start WalletService
- スタートアップの種類確認・設定
sc config WalletService start= demand
- Microsoft Storeのキャッシュクリア
wsreset.exe
- 支払い情報の再設定
Microsoftアカウントの支払い情報をブラウザから再登録することでエラーが解消することがあります
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
Credential Manager | 資格情報の保存と管理 |
Microsoft Account Sign-In Assistant | Microsoftアカウントとの連携をサポート |
Windows Push Notification Service | アプリの通知連携に関与 |
Application Information | アプリ起動と権限制御のサポート |
バッチファイル例:
@echo off
sc config WalletService start= demand
net start WalletService
pause
FAQセクション
Q1:WalletServiceを無効化しても大丈夫?
Microsoft Storeやアプリ内課金を使わない場合、無効化しても通常のPC操作には影響ありません。ただし、将来的にストアアプリを利用する際は再有効化が必要になる場合があります。
Q2:WalletServiceは勝手に起動しますか?
はい。手動設定でも、ウォレット機能を使用するアプリやシステム操作によってトリガーされることがあります。
関連リンク
- Windows 11のサービス一覧と役割(公式ドキュメント)
- scコマンドによるサービスの管理方法
- Microsoft Storeで購入ができない場合の対処法
- Windowsでサービスをバッチファイルで制御する方法
まとめ
WalletServiceは、Windows 11のウォレット機能を支える補助的なサービスで、主にMicrosoft Storeやアプリの支払い機能で使用されます。通常は「手動」のまま運用され、必要なタイミングでのみ起動するため、パフォーマンスへの影響はほとんどありません。
ただし、支払い関連のトラブルが発生した際には、このサービスの状態を確認することで解決の糸口が見つかることがあります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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