
Windows 11では、各ユーザーごとに個別の環境が提供され、壁紙やブラウザの履歴、アプリの設定などがログインごとに保持されます。こうしたユーザー固有の情報を管理する「プロファイル」の読み込み・書き込みを担当するのが「User Profile Service」です。
このサービスが正しく動作していないと、ログイン時に「ユーザープロファイルを読み込めません」などのエラーが発生し、通常の操作ができなくなる可能性があります。本記事ではこのサービスの機能と設定方法、トラブルへの対処法まで詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:User Profile Service
- 内部サービス名:
ProfSvc
- 実行ファイル:
svchost.exe -k netsvcs -p
- スタートアップの種類:自動
サービスの概要
User Profile Serviceは、Windowsログオン時にユーザーのプロファイル(個人設定)を読み込み、ログオフ時に安全に保存するためのサービスです。
プロファイルは、ドキュメントやデスクトップ、ブラウザ設定などユーザーに固有の情報を含みます。このサービスが正しく機能することで、毎回同じ環境でWindowsを使用できます。
主な用途と機能
- ユーザープロファイル(レジストリ・設定・データ)の読み込み
- ログオフ時のプロファイル保存とクリーンアップ
- ローミングプロファイルの読み込み(ドメイン環境)
- プロファイル破損時のエラーハンドリング補助
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を入力- 「User Profile Service(ユーザープロファイルサービス)」を探してダブルクリック
- 「スタートアップの種類」が「自動」になっているか確認
- 状態が「実行中」であることを確認
有効化や無効化の手順
有効化する場合
何らかの理由で無効化されている場合は、以下のコマンドで再有効化できます。
sc config ProfSvc start= auto
net start ProfSvc
無効化する場合
通常は無効化すべきではありません。このサービスが無効化されていると、ログインに失敗し、Windowsの使用自体ができなくなる可能性があります。
それでも無効化が必要な場合は、以下のように実行できます。
net stop ProfSvc
sc config ProfSvc start= disabled
※動作環境を理解している場合のみ実行してください
推奨設定とその理由
スタートアップの種類は「自動」が推奨です。
- 通常のWindows運用に必須のサービス
- 無効にするとログインやユーザー設定の保存ができなくなる
- 特に複数ユーザー環境では安定したセッション管理に不可欠
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ログイン時に「ユーザープロファイルを読み込めません」と表示される
- 一時プロファイルでログインされ、設定が保存されない
- デスクトップのアイコンや背景が初期化される
- ローミングプロファイルが読み込まれない(企業ネットワーク)
解決手順
- サービス状態の確認
sc query ProfSvc
- サービスが停止している場合は起動
net start ProfSvc
- スタートアップ種類の復旧
sc config ProfSvc start= auto
- レジストリで一時プロファイルを削除(自己責任)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList
にある .bak
の付いたSIDキーを削除し、正しいキー名を修正する
- 新しいユーザープロファイルの作成も選択肢
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
User Manager | セッションとアカウントの管理 |
Group Policy Client | グループポリシー適用時にプロファイルへ反映 |
Credential Manager | 資格情報の保存と認証 |
Windows Logon | ログオンセッションの制御 |
バッチファイル例
@echo off
sc config ProfSvc start= auto
net start ProfSvc
pause
FAQセクション
Q1:User Profile Serviceが停止するとどうなる?
ユーザープロファイルが読み込めず、Windowsにログインできない、または一時プロファイルでログインされるようになります。設定は保存されず、再起動でリセットされる可能性があります。
Q2:ローミングプロファイルとは何ですか?
ドメイン環境で使用される機能で、ユーザーの設定やデータをネットワーク経由で読み込み、どのPCからでも同じ環境を利用できる仕組みです。User Profile Serviceはこの処理も担います。
関連リンク
- Windows 11でプロファイルが読み込めない場合の修正方法|HP公式
- scコマンドでサービスを操作する方法|Microsoft Docs
- バッチファイルでサービス操作を自動化する方法
- ユーザープロファイルのトラブルとレジストリ編集方法
まとめ
User Profile Serviceは、Windows 11のログイン時にユーザー環境を正常に読み込み、ログオフ時に保存する重要なサービスです。停止や無効化はログイン不可やプロファイル破損の原因となるため、常に「自動」起動が推奨されます。
ユーザー環境に関する問題が発生したときには、まずこのサービスの状態を確認することで多くのトラブルを回避または解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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