
Windows 11には、家庭内ネットワークでの機器同士の接続性を高めるために、さまざまな通信プロトコルやサービスが組み込まれています。そのひとつが「UPnP(Universal Plug and Play)」機能であり、この機能をローカルデバイスで有効にするための重要なサービスが「UPnP Device Host」です。
このサービスが有効であれば、メディアサーバーやネットワークカメラなどのUPnP対応機器とWindowsが自動で連携し、複雑な設定なしに利用できるようになります。ここではその概要から設定方法、無効化時の影響までを詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:UPnP Device Host
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalService
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
upnphost
このサービスは、PCが他のUPnP機器と通信する際に必要なホスト機能を提供します。
サービスの概要
UPnP Device Hostは、このコンピューター上でUPnPデバイスをホスト可能にするためのWindowsサービスです。UPnP対応機器とのやり取りを自動で構成し、メディア共有やネットワーク構成の自動化をサポートします。
たとえば、DLNAメディアサーバーとして動作するアプリや、ネットワークプリンタの自動認識などがこのサービスを利用することがあります。
主な用途と機能
- UPnP対応デバイスのホスト機能提供
- メディアストリーミング(DLNA)のサポート
- UPnPデバイスへの制御メッセージの送信
- ネットワーク機器の自動認識・設定支援
- ホームネットワークでの簡易接続機能を提供
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を入力- サービス一覧から「UPnP Device Host」をダブルクリック
- 「スタートアップの種類」が「手動」になっているか確認
- 状態が「停止中」であれば、「開始」ボタンをクリック
有効化や無効化の手順
有効化する場合
UPnPデバイスの検出や利用ができない場合、以下のコマンドでサービスを手動で起動・有効化できます。
sc config upnphost start= demand
net start upnphost
または「サービス」画面でスタートアップの種類を「手動」に設定し、「開始」をクリックします。
無効化する場合
UPnPを使用しない場合やセキュリティを強化したい場合は、以下のコマンドで無効化できます。
net stop upnphost
sc config upnphost start= disabled
推奨設定とその理由
通常は「手動」のまま維持することが推奨されます。
- UPnPを利用しない環境では起動する必要がなく、リソースを節約できる
- 一方で、メディア共有など一部機能には必要となるため、使いたいときだけ起動できる「手動」がバランスの良い設定です
- ネットワーク経由での脆弱性リスクがあるため、自動起動は避けた方が無難です
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- DLNA対応テレビがPCを認識しない
- メディアストリーミング機能が動作しない
- UPnP対応アプリが「ホストが見つかりません」と表示する
- サービスが「依存関係エラー」で起動できない
解決手順
- サービスの状態確認
sc query upnphost
- 起動していない場合は再起動
net start upnphost
- 依存関係のサービス確認
- 「SSDP Discovery」サービスが停止していると、UPnP Device Host は起動できません
- 依存サービスも以下で確認・起動:
sc query SSDPSRV
net start SSDPSRV
- Windows機能の確認
「Windows の機能の有効化または無効化」から「メディア機能」が有効かを確認します
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 |
---|---|
SSDP Discovery(SSDPSRV) | UPnPデバイスの検索に使用されるプロトコル |
Function Discovery Provider Host | デバイス検出関連機能 |
Windows Media Player Network Sharing Service | DLNAとしてのメディア共有機能を提供 |
バッチファイル例:
@echo off
sc config SSDPSRV start= demand
net start SSDPSRV
sc config upnphost start= demand
net start upnphost
pause
FAQセクション
Q1:UPnP Device Hostを無効にするとどうなりますか?
UPnP対応デバイスの自動認識や制御ができなくなり、DLNAメディア共有などの機能が使えなくなります。セキュリティ向上にはなりますが、利便性は落ちます。
Q2:このサービスが勝手に起動しているのは問題ですか?
「手動(トリガー起動)」設定であれば、必要なときに自動で起動し、使用後は停止されるため問題ありません。
関連リンク
まとめ
「UPnP Device Host」は、Windows 11でUPnP対応機器とスムーズに連携するためのホスト機能を提供するサービスです。通常は手動での起動設定となっており、必要なときだけ動作します。
メディアストリーミングやネットワークプリンタなどの機能を利用する際に必要となる場合があるため、使わないなら無効化、使うなら「手動」のままにしておくのがバランスの良い運用方法です。
UPnPに関するトラブルの多くはこのサービスや依存サービスの未起動が原因なので、状態確認と手動起動で簡単に解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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