
ホームネットワーク上でプリンターやNAS、ストリーミング機器などを自動で検出・接続できるのは、Windowsに搭載されている「SSDP Discovery」というサービスのおかげです。
このサービスは、UPnP(Universal Plug and Play)技術に基づいた機器の検索に使われており、利便性の高いネットワーク環境を支えています。本記事では、SSDP Discoveryサービスの仕組み、設定方法、トラブル対応までをわかりやすく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:SSDP Discovery
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalServiceAndNoImpersonation
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
SSDPSRV
このサービスは、UPnP対応のネットワーク機器やサービスの検出に使用されます。
サービスの概要
SSDP Discoveryは、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)を使ってネットワーク内の対応機器を検索し、Windowsに通知するサービスです。
主にUPnPを利用するデバイスに対して有効で、自動で検出・接続の補助を行います。DLNAメディアサーバーや共有プリンター、ネットワークストレージなどがその対象です。
主な用途と機能
このサービスの主な役割は次の通りです。
- UPnPに対応したネットワーク機器の検出
- DLNAメディアサーバーやスマート家電の自動認識
- 他のWindowsサービスやアプリケーションに機器情報を提供
- 家庭用ネットワーク環境での自動接続機能の基盤を構築
- UPnP Device Hostサービスとの連携による自動構成の補助
サービスの設定方法

Win + R
→services.msc
を入力しEnter- 「SSDP Discovery」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択
- 状態が「停止中」の場合、「開始」ボタンでサービスを起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
UPnP機能を活用する機器(NAS、TV、ルーターなど)を使う場合は有効化が必要です。
sc config SSDPSRV start= demand
net start SSDPSRV
またはサービス一覧からスタートアップの種類を「手動」または「自動」に変更し、必要に応じて起動します。
無効化する場合
UPnPを使用しない場合、セキュリティ上の観点から無効化することも検討可能です。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 起動中の場合は「停止」ボタンでサービスを終了
推奨設定とその理由
通常は「手動」設定で問題ありません。
- 必要に応じて他のサービス(UPnP Device Hostなど)から起動されます
- 不要な常駐を避け、セキュリティリスクを最小限に抑える
- UPnP機能を使う場合のみ明示的に有効化すれば十分
UPnPのセキュリティリスクを考慮し、必要な環境でのみ利用するのが望ましいです。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワーク上のメディアサーバーやプリンターが検出されない
- DLNA機器がWindows上に表示されない
- イベントビューアーに
SSDPSRV
関連のエラーが記録される - UPnP Device Hostが依存して起動できない
解決手順
- サービスの状態を確認
sc query SSDPSRV
- 手動で起動
net start SSDPSRV
- 「UPnP Device Host」サービスも合わせて起動する
- ネットワークの場所が「プライベート」になっているか確認(パブリックではUPnPが制限されることがある)
- ファイアウォール設定でSSDP(UDP 1900)がブロックされていないか確認
関連サービスや補足情報
SSDP Discoveryは以下のサービスと連携します。
- UPnP Device Host:UPnPデバイスの制御と管理を実行
- Function Discovery Resource Publication:デバイス共有のサポート
- ネットワーク探索機能(Explorer):デバイス一覧への表示を補助
- Windows Defender ファイアウォール:SSDPポート制御(UDP 1900)
状態確認用バッチファイルの例:
@echo off
sc query SSDPSRV
pause
FAQセクション
Q1:SSDP Discoveryを無効にするとどうなりますか?
UPnP対応の機器がWindowsに表示されなくなり、自動認識や接続ができなくなることがあります。
Q2:セキュリティ的にこのサービスは危険ですか?
UPnPは便利な反面、外部からの攻撃に悪用されるリスクがあるため、利用しない場合は無効化するのが安全です。
関連リンク
まとめ
SSDP Discoveryは、Windows 11でUPnP機能を使ったネットワークデバイスの自動検出を可能にするサービスです。便利な反面、セキュリティリスクを伴うため、使用環境に応じた適切な設定が求められます。
必要がある場合のみ有効化し、利用しない場合は「手動」または「無効」に設定して、安全性とパフォーマンスのバランスを取りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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