
Windowsでファイルを開こうとした際に、破損や読み取りエラーが発生することがあります。こうしたトラブルの予兆を検出するために動作しているのが「Spot Verifier」というサービスです。
このサービスはバックグラウンドで動作し、ディスクI/O(入力・出力)時にファイルシステムの整合性をチェックし、問題が発生しそうな箇所を早期に洗い出す仕組みになっています。この記事では、Spot Verifierの基本情報や設定方法、関連トラブルの対処法まで詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Spot Verifier
- 実行ファイル:
svchost.exe -k LocalSystemNetworkRestricted
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
svsvc
このサービスは、ドライブの信頼性チェックやデータ整合性の確認を目的とした補助機能です。
サービスの概要
Spot Verifierは、ファイルシステムの読み取りエラーや破損の兆候を検出し、ログに記録するサービスです。ディスクアクセス時に不良セクターや破損の兆候を見つけた場合、システムがそれに応じた対処を実行できるよう支援します。
このサービスは通常、他のシステムツールと連携してバックグラウンドで動作し、ユーザーの操作なしで異常検出に貢献します。
主な用途と機能
Spot Verifierによって提供される機能は以下の通りです。
- ファイルアクセス時にメディアの整合性チェックを実施
- ファイルシステムの破損やセクター異常の兆候を検出
- 不良ブロックやディスクの劣化サインをログに記録
- ストレージの信頼性向上に寄与
- Windowsの回復機能(例:自動修復)の前提情報を提供
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
を入力しEnter- 「Spot Verifier」をダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「手動」「自動」「無効」から選択
- 状態が「停止中」の場合、「開始」ボタンをクリックで起動可能
有効化や無効化の手順
有効化する場合
ディスクの状態に不安がある場合は、以下のように有効化できます。
sc config svsvc start= demand
net start svsvc
起動後、イベントビューアーや chkdsk
などと連携して、異常の兆候を把握できます。
無効化する場合
通常は「手動」のままで問題ありませんが、意図的にサービスを起動させない場合は「無効」に設定することも可能です。
- services.msc で「無効」に設定
- 実行中であれば「停止」ボタンで終了
推奨設定とその理由
既定の「手動」設定が推奨されます。
- 通常は自動で起動する必要がなく、他のシステム機能から呼び出されて動作する構造
- ディスク異常が発生した際に必要に応じて起動されるため、無駄なリソースを消費しない
- トラブル発生時にのみ意識すれば十分
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- イベントビューアーに
svsvc
の警告が出る - chkdsk 実行後に Spot Verifier 関連のエラーログが表示される
- HDDアクセスが重くなる、フリーズすることがある
解決手順
- サービス状態の確認
sc query svsvc
- 必要であれば再起動
net stop svsvc
net start svsvc
- イベントビューアーでログ確認
eventvwr.msc
→ 「アプリケーション」ログから Spot Verifier
関連の情報を確認
- ディスクチェックツールの併用
chkdsk /f /r
または PowerShell での診断:
Get-EventLog -LogName System -Source svsvc
関連サービスや補足情報
- Windows Error Reporting:Spot Verifierによって記録された障害情報と連携
- Windows Defender:ストレージ健全性との連携で警告を出すこともあり
- タスクスケジューラ:システム保守タスクとしてSpot Verifierが起動される場合あり
- Storage Spaces、RAID環境:Spot Verifierの動作影響を考慮する必要あり
FAQセクション
Q1:Spot Verifierを停止しても大丈夫ですか?
通常利用では問題ありません。ただし、ストレージの健全性を診断する一部機能が無効になる可能性があるため、トラブル時は手動で有効化するのが望ましいです。
Q2:Spot Verifierはどういう場面で動作しますか?
ディスクの読み取りエラーが検出されたときや、chkdskのようなチェックツール使用時、Windows自動修復の診断フェーズで使用されることがあります。
関連リンク
- Windows 11でユーザー別のサービスの確認を行う方法(Microsoft公式)
- chkdskコマンドによるディスクチェックの使い方
- scコマンドでサービスを管理する方法(Microsoft公式)
- イベントビューアーでのエラー確認手順
まとめ
Spot Verifierは、Windows 11でストレージの健全性を監視する補助的なサービスであり、主にファイルシステムの破損検出やエラーログの記録を目的としています。
普段はユーザーが意識することは少ないですが、ディスク関連のトラブルが起きた際にはこのサービスの状態を確認することで、原因特定や修復につなげることができます。基本は「手動」設定のままで問題ありませんが、必要時にはコマンドやサービス一覧から簡単に起動可能です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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