
Windowsの正規ライセンスやMicrosoftアプリケーションの正当な利用を保証するため、OSにはさまざまな保護機構が組み込まれています。その中核を担うのが「Software Protection」というサービスです。
このサービスが正常に動作していないと、ライセンスの認証ができなかったり、突然アクティベーションが解除されたりといった問題が発生します。本記事ではSoftware Protectionの役割、設定、そしてトラブルが起きた際の対処法を詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Software Protection
- 実行ファイル:
sppsvc.exe
- スタートアップの種類:自動(遅延開始)
- 内部サービス名:
sppsvc
このサービスは、Windowsと一部のMicrosoft製品の正規ライセンス確認と保護機能を提供します。
サービスの概要
Software Protectionは、Windows OSおよび一部アプリケーションのライセンス認証・検証・保持を行う重要なサービスです。
正規ライセンスを保持しているかどうかのチェックや、製品キーの登録、デジタルライセンスのアクティベーションなど、Microsoft製品を正しく使い続けるための基盤となります。
主な用途と機能
このサービスが担う主な機能は以下の通りです。
- Windowsライセンスのデジタル認証(オンライン認証を含む)
- Microsoft Officeなど一部アプリケーションのライセンス確認
- ライセンスの有効期限や整合性の監視
- 不正コピーや改ざんの検出および対処
- アクティベーション状態の維持と再認証の自動処理
このサービスが無効になると、アクティベーションが解除され「Windowsのライセンス認証をしてください」といった警告が表示される可能性があります。
サービスの設定方法

Win + R
を押してservices.msc
と入力しEnter- 「Software Protection」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「自動(遅延開始)」に設定(通常は既定)
- 状態が「停止中」であれば「開始」ボタンをクリック
有効化や無効化の手順
有効化する場合
サービスが停止していると、Windowsのライセンス認証が行われなくなることがあります。以下の手順で手動起動が可能です。
sc config sppsvc start= delayed-auto
net start sppsvc
タスクマネージャー上でも「Software Protection」がsvchostの下で稼働しているか確認可能です。
無効化する場合
基本的に無効化は推奨されません。
- 無効化すると認証が無効になり、ライセンス警告や制限モードになる可能性があります
- Windowsの一部機能が制限されることもあるため、特殊なテスト環境以外では無効化すべきではありません
推奨設定とその理由
「自動(遅延開始)」が推奨設定です。
- システム起動後、負荷を避けて遅延的にサービスが起動する設計
- 通常のユーザー操作には支障を与えず、認証維持に必要な処理が自動で実行される
- 停止や無効化は、ライセンスエラーやOS機能制限の原因になります
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- Windowsがライセンス未認証と表示される
- 正常にライセンスを入力してもアクティベーションされない
- イベントビューアーに「sppsvc」関連のエラーが記録される
- Windowsの一部機能が「使用できません」と表示される
解決手順
- サービスの状態確認
sc query sppsvc
- 停止している場合は起動
net start sppsvc
- 管理者としてコマンドプロンプトを開き、アクティベーション確認
slmgr /xpr
- ライセンス情報を再読み込み・再認証
slmgr /ato
- 必要に応じてMicrosoftサポートへの連絡を検討
関連サービスや補足情報
- Windows Update:一部更新プログラムにライセンス関連の修正が含まれることもある
- Windows Activation Technologies:ライセンス検証と整合性チェックのコンポーネント
- イベントログ(Application):Software Protection関連のエラー記録箇所
- スクリプトやバッチでのアクティベーション操作:企業環境での大量展開時に利用される
FAQセクション
Q1:Software Protectionサービスを停止してもWindowsは使えますか?
一時的には使用可能ですが、ライセンス状態が未認証になり、機能制限や警告が表示されるようになります。
Q2:このサービスは常に起動している必要がありますか?
起動は「遅延開始」で問題ありませんが、無効化は避けるべきです。起動状態であればバックグラウンドで必要な認証作業が実行されます。
関連リンク
- Windows 11のライセンス認証について(Microsoft公式)
- scコマンドでサービスを操作する方法
- slmgrコマンドによるライセンス操作の基本
- Windowsのアクティベーションが解除されたときの対処法
まとめ
Software Protectionは、WindowsやMicrosoftアプリケーションのライセンス認証と保護を担う極めて重要なサービスです。このサービスが停止または無効になると、正規ライセンスであっても使用に制限がかかる可能性があります。
特に企業環境や長期運用を考える場合、誤って停止したり無効化しないよう注意が必要です。問題が発生した場合は、サービスの状態とライセンスコマンドの確認から対応を始めるとよいでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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