
近年のWindowsデバイスには、スマートフォンのようにさまざまなセンサーが搭載されています。たとえば、画面の自動回転を可能にする加速度センサーや、ディスプレイの自動点灯に関わる近接センサーなどです。
こうしたセンサーの動作をWindows上で管理する基盤となるのが「Sensor Service」です。この記事では、その機能や設定方法、トラブル発生時の対処法までをわかりやすく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Sensor Service
- 実行ファイル:
sensorsservice.dll
(svchost経由で動作) - スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
SensorService
このサービスはセンサーの初期化や、センサーデータを扱う他サービスとの連携に関与します。
サービスの概要
Sensor Serviceは、Windowsデバイスに搭載されたハードウェアセンサーの基礎的な動作を管理するサービスです。センサーの検出、初期化、状態の制御を担い、他のセンサー関連サービスが正常に機能するための土台となります。
このサービスが停止していると、センサー自体が認識されなかったり、センサーを必要とするアプリケーションが正常に動作しなくなる場合があります。
主な用途と機能
Sensor Serviceが果たす役割には次のようなものがあります。
- ハードウェアセンサーの認識と管理(加速度、近接、照度など)
- センサーデータの有効化・無効化制御
- アプリケーションやOS機能にセンサーデータを中継する
- 画面回転や輝度調整などのセンサー連動機能を支援
- Sensor Data Service、Sensor Monitoring Serviceとの連携
センサーデバイスの動作が前提となる多くの機能に影響を与える重要なサービスです。
サービスの設定方法

Sensor Serviceの状態確認や設定変更は以下の手順で行えます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Sensor Service」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択
- 必要に応じて「開始」ボタンでサービスを起動
有効化や無効化の手順
有効化する場合
センサーを使用する機能やアプリが正しく動作しない場合、このサービスを有効化することで解決することがあります。
- 「スタートアップの種類」を「手動」または「自動」に変更
- 状態が「停止中」であれば「開始」ボタンを押す
- コマンド操作も可能:
sc config SensorService start= demand
net start SensorService
無効化する場合
センサー機能を一切使わない場合、無効化も可能です。
- 「スタートアップの種類」を「無効」に設定
- 実行中であれば「停止」ボタンを押す
- ただし、関連機能(画面の自動回転など)が使えなくなります
推奨設定とその理由
通常は「手動」設定が推奨されます。
- センサーに依存する機能やアプリが必要なタイミングでサービスが起動するため、リソースを無駄にしない
- センサー未搭載のPCでは無効にしても問題なし
- 常時センサーを使う環境(タブレットなど)では「自動」でもOK
使用目的と端末仕様に応じて柔軟に設定を調整しましょう。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- センサー関連アプリが「センサーが見つかりません」と表示する
- 画面の自動回転や照度調整が機能しない
- センサーがデバイスマネージャーに表示されない
- イベントビューアーにSensorServiceのエラーが記録される
解決手順
- サービス状態を確認
sc query SensorService
- サービスが停止していれば起動する
- デバイスマネージャーでセンサーが認識されているか確認
- Sensor Data ServiceやMonitoring Serviceも起動しているかチェック
- Windows Updateやセンサードライバーの更新を実施
関連サービスや補足情報
Sensor Serviceは以下のようなサービスや機能と連携します。
- Sensor Data Service:センサーデータの収集と提供
- Sensor Monitoring Service:センサーの状態監視と異常通知
- Display Enhancement Service:明るさや画面制御と連動
- 電源管理サービス:照度センサーとバッテリー最適化機能
状態確認用のバッチファイル例:
@echo off
sc query SensorService
pause
FAQセクション
Q1:Sensor Serviceを無効にしても問題ありませんか?
センサーを使用しないPC(デスクトップなど)では問題ありません。ただし、タブレットやセンサー搭載ノートでは一部機能に影響があります。
Q2:Sensor Serviceが停止していると何が動作しなくなりますか?
画面の自動回転、照度連動の明るさ調整、近接センサー対応の自動画面消灯などが使えなくなります。
関連リンク
- Windows 11でユーザー別のサービスの確認を行う方法
- コマンドプロンプトでサービスを管理する方法(scコマンド)
- センサーの有効・無効化とトラブル対処方法(Windows 11)
- 画面の明るさや回転が動作しないときの対処法
まとめ
Sensor Serviceは、Windows 11におけるセンサー機能の基盤を支える重要なサービスです。加速度センサーや近接センサーの動作管理を通じて、画面の回転や自動明るさ調整などの便利な機能を可能にします。
使用環境に応じて「手動」や「自動」に設定し、トラブル発生時にはこのサービスが正しく動作しているかを最初に確認しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント