
パソコンやタブレットに搭載されたセンサーは、照度や加速度などさまざまな情報を収集し、ユーザー体験の向上に活かされています。これらのセンサーが正常に動作しているかをバックグラウンドで見守っているのが「Sensor Monitoring Service」です。
この記事では、このサービスの役割、設定方法、よくある不具合の対処法について詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Sensor Monitoring Service
- 実行ファイル:
SensrSvc.dll
(svchost経由で実行) - スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
SensrSvc
センサー異常時の通知など、他のサービスやアプリケーションとの連携も担っています。
サービスの概要
Sensor Monitoring Serviceは、内蔵または外部接続されたセンサーの状態を継続的に監視し、異常があった場合にアプリケーションやOSに通知するサービスです。
センサーが停止した、応答しない、データが不自然といった状態を検知し、ユーザーへの影響を最小限に抑える役割を果たします。
主な用途と機能
このサービスの主な役割は以下の通りです。
- 照度センサー、加速度センサーなどの状態監視
- センサーの異常や応答停止の検知
- 異常時にアプリやシステムに通知を送信
- センサーデータが正しく取得できているかの確認支援
- 他のセンサー関連サービスと連携して安定性を確保
OSレベルでの信頼性維持や、安全な動作環境の確保に貢献しています。
サービスの設定方法

Sensor Monitoring Serviceの状態は以下の手順で確認・設定できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Sensor Monitoring Service」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択
- 状態が「停止中」であれば「開始」をクリックして起動可能
有効化や無効化の手順
有効化する場合
センサー異常に関する通知が必要な場合や、センサー系アプリの監視機能を利用する場合は、有効化が必要です。
手順
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックして実行
- コマンド操作の場合
sc config SensrSvc start= demand
net start SensrSvc
無効化する場合
以下のようなケースでは無効化も可能です。
- センサーを使用しないデスクトップPC
- 省電力設定を重視しているノートPC
- センサー監視機能が不要な運用環境
手順
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 「停止」ボタンを押す(起動中であれば)
推奨設定とその理由
通常は「手動」設定が推奨されます。
- センサーを利用する場面で必要に応じて自動起動される
- 常時監視が必要なわけではないため、リソースを節約できる
- センサーを多用するアプリを利用する場合は「自動」でも問題なし
利用頻度や用途に応じて柔軟に設定するのが効果的です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 画面の自動明るさや回転が突然効かなくなる
- センサー系アプリで「センサーが見つかりません」と表示される
- イベントビューアーにSensor Monitoring Serviceの警告が記録される
- ノートPCの向きや位置変化に対する反応が鈍い
解決手順
- サービスが停止していないか確認
sc query SensrSvc
- センサーがデバイスマネージャーで正しく認識されているか確認
- センサーを必要とするアプリが最新であるかチェック
- Sensor Data Serviceなど関連サービスも併せて確認
- 必要に応じてWindows Updateやドライバ更新を行う
関連サービスや補足情報
Sensor Monitoring Serviceは以下のサービスや機能と連携します。
- Sensor Data Service:センサーデータそのものの処理
- Display Enhancement Service:画面調整や視覚フィードバック処理
- 電源設定・バッテリー制御:センサー連動による省電力動作
- ロック画面やユーザー体験関連機能
バッチファイルで簡単に状態確認する例:
@echo off
sc query SensrSvc
pause
FAQセクション
Q1:このサービスが停止していると何が起こりますか?
センサーの異常検知や通知が行われなくなります。センサーのデータ自体は取得できますが、問題が発生しても気付かないことがあります。
Q2:サービスを無効化してもセンサーは使えますか?
はい、Sensor Data Serviceが動作していれば基本的なセンサーデータは取得可能です。ただし、状態監視や異常通知は機能しません。
関連リンク
- Windows 11でユーザー別のサービスの確認を行う方法
- コマンドプロンプトでサービス状態をチェックする方法
- センサーの有効・無効化とトラブル対処方法(Windows 11)
- 画面の明るさや回転が動作しないときの対処法
まとめ
Sensor Monitoring Serviceは、Windows 11でセンサーの状態を監視し、異常が発生した場合に通知するバックグラウンドサービスです。センサー機能そのものの補助的な役割を担っており、センサーを多用する環境では有効にしておくことで安定性と信頼性が高まります。
基本的には「手動」での運用で十分ですが、アプリやシステム要件に応じて「自動」設定に切り替えるのも有効です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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