
ノートパソコンやタブレットに搭載されたセンサーを活用して、Windowsの機能やアプリが自動で動作を調整する場面が増えています。明るさの自動調整や画面の回転など、こうした機能の裏側で動作しているのがSensor Data Serviceです。
本記事では、Sensor Data Serviceの役割や設定方法、よくあるトラブルと対処法について詳しく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Sensor Data Service
- 実行ファイル:
sensrsvc.dll
(svchost経由で動作) - スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
SensorDataService
このサービスは、必要に応じてセンサー機能を使うアプリが呼び出す形で起動します。
サービスの概要
Sensor Data Serviceは、Windows 11に接続または内蔵された各種センサーから収集されたデータを処理し、アプリケーションやシステム機能が活用できるように整えるサービスです。
照度、加速度、回転、方位、気圧など、センサーの種類は多岐にわたり、サービスはこれらの情報を一元管理して提供します。
主な用途と機能
このサービスによって以下のような機能が実現されています。
- 照度センサーによる画面の自動輝度調整
- 加速度センサーによる画面の自動回転
- ヘルスケアアプリや地図アプリがセンサーデータを取得
- バッテリーや消費電力に応じたシステムの最適化支援
- 一部のWindows機能(例:集中モード、自動明るさ)との連携
このように、ユーザー体験の向上に役立つ背景機能の一つです。
サービスの設定方法

Sensor Data Serviceの設定は、以下の手順で確認・変更できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Sensor Data Service」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択
- 状態が「停止中」であれば「開始」をクリック可能
有効化や無効化の手順
有効化する場合
以下のような機能を使用したい場合はサービスを有効化する必要があります。
- 画面の明るさや回転をセンサーに連動させたい
- センサーデータを必要とするアプリを使用する場合
手順
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 「開始」ボタンを押す
- コマンドでも可能:
sc config SensorDataService start= demand
net start SensorDataService
無効化する場合
センサーを使用しない場合やバッテリー消費を抑えたい場合は、以下の手順で無効化可能です。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 状態が「実行中」であれば「停止」ボタンを押す
推奨設定とその理由
Sensor Data Serviceは「手動」設定が推奨されます。
- 使用アプリが必要としたときに自動で起動するため、常時起動の必要はない
- バッテリー消費を抑えつつ利便性を確保できる
- 常にセンサーを使う環境では「自動」にしても問題なし
不要な場合は「無効」にしてもOSに大きな影響はありません。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 自動で画面が回転しなくなる
- 明るさ調整が機能しない
- センサー情報を必要とするアプリが動作しない
- イベントビューアーにSensorDataService関連のエラーが記録される
解決手順
- サービス状態の確認
sc query SensorDataService
- センサー関連デバイスが正しく認識されているか確認
デバイスマネージャーで「センサー」が存在しているか確認 - Windows Updateでドライバーを最新にする
- サービスを手動で起動し、アプリが動作するか確認
関連サービスや補足情報
Sensor Data Serviceと連携する主な機能・サービスは以下の通りです。
- Sensor Monitoring Service:センサーの状態監視
- Display Enhancement Service:画面設定への反映
- User Profile Service:ユーザー設定への反映に関与
- 電源管理機能:明るさ制御やスリープ制御との統合
以下のバッチスクリプトで簡単に状態確認ができます。
@echo off
sc query SensorDataService
pause
FAQセクション
Q1:このサービスを無効にするとどうなりますか?
画面の自動回転や明るさ調整など、センサー依存の機能が無効になります。センサーを使用しない場合は問題ありません。
Q2:常にこのサービスを起動しておく必要はありますか?
いいえ。多くの場合「手動」で十分です。必要なときだけ自動で起動される設計になっています。
関連リンク
- Windows 11でユーザー別のサービスの確認を行う方法
- コマンドプロンプトでサービスを管理する方法(scコマンド)
- センサーの有効・無効化とトラブル対処方法(Windows 11)
- 画面の明るさや回転が動作しないときの対処法
まとめ
Sensor Data Serviceは、Windows 11で内蔵センサーからの情報を取得し、アプリやシステム機能が活用できるようにする重要なサービスです。基本的には「手動」設定で問題ありませんが、センサーを頻繁に使う環境では「自動」にすることで利便性が向上します。
センサー依存の機能に不具合が発生した場合は、このサービスの状態を確認することで原因特定に役立つことがあります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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