
Windowsにはウイルス対策やファイアウォールなど、さまざまなセキュリティ機能が標準で備わっています。それらを一元的に管理し、ユーザーに異常を通知する役割を担っているのが「セキュリティ センター(Security Center)」です。
このサービスが正常に動作していないと、セキュリティ機能の状態が正しく反映されなかったり、通知が届かなくなることがあります。本記事では、セキュリティ センターの役割、設定方法、トラブル時の対処法をわかりやすく紹介します。
サービスの基本情報
サービスの概要
- サービス名:Security Center
- 表示名(日本語):セキュリティ センター
- 実行ファイル:
wscsvc.dll
- 初期スタートアップの種類:自動(遅延開始)
- サービス名(内部名):wscsvc
- 依存関係:Remote Procedure Call(RPC)、DCOM Server Process Launcher など
主な用途と機能
セキュリティ センターは、以下のようなセキュリティ機能の状態を統合的に監視・管理する役割を担っています。
- Microsoft Defender(ウイルス対策)の状態確認
- ファイアウォールの有効・無効状態の監視
- アプリやブラウザーコントロール、アカウント保護などの通知
- セキュリティに関する異常があった際のユーザーへの警告表示
- タスクバー右下のWindowsセキュリティの警告アイコン表示
これにより、セキュリティ上の問題を即座にユーザーが把握できる仕組みが整っています。
サービスの設定方法
有効化や無効化の手順

有効化する場合
Win + R
を押して「services.msc」と入力し、Enter- 一覧から「セキュリティ センター(Security Center)」をダブルクリック
- 「スタートアップの種類」を「自動(遅延開始)」に設定
- 「開始」ボタンをクリックし、「OK」で保存
無効化する場合
- 同様にサービス一覧から「Security Center」を開く
- 「スタートアップの種類」を「無効」に変更
- 「停止」ボタンを押してから「OK」で設定完了
ただし、無効化するとセキュリティ警告が表示されなくなり、システム保護に関する判断が難しくなるため注意が必要です。
推奨設定とその理由
セキュリティ センターはWindowsの安全性を維持するための中核的なサービスであるため、常に「自動(遅延開始)」または「自動」に設定しておくことが強く推奨されます。
このサービスが無効になっていると、ウイルス対策ソフトが無効になっていても通知が来なかったり、ファイアウォールがオフになっていることに気付けないといったリスクがあります。Windows Defenderを使っていない場合でも、他社製セキュリティソフトの状態もここで把握されるため、無効化するメリットはほとんどありません。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 「セキュリティ センターサービスが開始されていません」と表示される
- Windowsセキュリティ画面に「状態を確認できません」と出る
- タスクバーに警告アイコンが表示されない
- セキュリティの通知が一切届かない
解決手順
まず確認すべきはサービスの状態です。services.msc
で「Security Center」が「実行中」かつ「自動(遅延開始)」になっているかを確認してください。それでも改善しない場合は、以下の手順を試します。
- サービスの再起動を試す
sc stop wscsvc sc start wscsvc
- Windowsセキュリティの通知設定を確認
→ [設定] → [システム] → [通知] → 「セキュリティとメンテナンス」または「Windowsセキュリティ」がオンになっているかを確認 - SFC /DISMでシステムファイル修復を実行
sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
関連サービスや補足情報
- Windows Defender Antivirus Service:Microsoftの標準ウイルス対策機能を支えるサービス
- Windows Firewall(MpsSvc):ファイアウォール機能の中核サービス
- Security Accounts Manager(SamSs):認証とセキュリティポリシーを管理する重要なサービス
- Windows Update:セキュリティパッチの配信・適用を担当
これらのサービスと連携することで、セキュリティ センターはより正確な監視と管理を実現しています。
FAQセクション
Q1:セキュリティ センターを無効にしても他のセキュリティソフトが動作していれば問題ありませんか?
→ 動作自体は可能ですが、セキュリティの状態を視覚的に確認できなくなり、トラブルの発見が遅れる可能性があります。通知やログの管理が行われなくなるため、非推奨です。
Q2:セキュリティ センターが開始できないときの対処法は?
→ サービス依存関係(RPCなど)が無効になっていないか確認してください。加えて、システムファイル破損が疑われる場合はSFCまたはDISMのコマンドで修復を試すと改善することがあります。
関連リンク
- Windows 11 セキュリティ設定と管理方法|Microsoft公式
- セキュリティ センターのエラー解決ガイド(Microsoft公式)
- コマンドプロンプトでのサービス管理方法
- バッチファイルでサービス操作を自動化する方法
まとめ
セキュリティ センターは、Windowsのセキュリティ状態を統合的に監視・管理するサービスであり、ウイルス対策、ファイアウォール、アカウント保護などの機能と連携してシステム全体の安全性を確保しています。このサービスが正常に動作していないと、警告が表示されずに脅威を見逃すリスクが高まるため、常に有効にしておくことが推奨されます。トラブルが発生した場合はサービス状態を確認し、再起動やシステム修復で対応することで多くの問題は解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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