
Ryzen 7 7800X3Dは、今でも多くのゲームでトップクラスの性能を誇る人気CPUです。一方、次世代のRyzen 7 9800X3Dが登場し、「買い替えるべきかどうか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
筆者としては、このタイミングでのアップグレードはおすすめしません。この記事では、価格や性能、実際の使用感をもとに、その理由を詳しく解説していきます。
目次
価格と仕様比較表(Amazon実売価格ベース)
項目 | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 9800X3D |
---|---|---|
価格(Amazon) | 約67,000円(税込) | 約93,000円(税込) |
コア / スレッド数 | 8コア / 16スレッド | 8コア / 16スレッド |
ベースクロック | 4.2GHz | 4.7GHz |
最大ブーストクロック | 5.0GHz | 5.2GHz |
キャッシュ(L2+L3) | 104MB | 104MB(L2 8MB + L3 96MB) |
TDP | 120W | 120W |
GPU | 非搭載 | Radeon Graphics(2CU) |
対応ソケット | AM5 | AM5 |
PCIeレーン | PCIe 5.0 x24 | PCIe 5.0 x24 |
ゲーミング性能比較

解像度 | 平均FPS向上率(9800X3D vs 7800X3D) | 備考 |
---|---|---|
1080p | 最大26%(例:Baldur’s Gate 3) | CPU依存の高いゲームで顕著な差 |
1440p | 約5〜11% | 多くのゲームで5〜10%の向上 |
4K | ほぼ同等(0〜3%) | GPUボトルネックが主因 |
特にBaldur’s Gate 3では、9800X3Dが7800X3Dに対して約27%のFPS向上を示しましたが、これは例外的なケースです。多くのゲームでは、1440pでの性能向上は5〜11%程度に留まります。
消費電力と効率性
指標 | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 9800X3D |
---|---|---|
ゲーム中の平均消費電力 | 約69W | 約98.7W |
FPS/W(Starfield) | 高い | やや低下 |
9800X3Dは高クロックを維持するため、消費電力が増加しています。これにより、発熱量も増加し、冷却性能が求められます。
Redditでのユーザーの反応まとめ(要約)
- 「性能差は8%以下」「実ゲーム環境では2〜3%程度(特に1440pや4K)」が多数派意見
- 「1% lows(フレーム安定性)」は改善するが、体感では微妙
- 「価格差が大きすぎる」「7800X3Dはまだトップクラス」
- 「9800X3DはPBO(自動OC)に強いが、それ目的なら上位モデル(9950X3D)の方が良い」
筆者の見解:なぜおすすめしないか?
筆者がアップグレードをおすすめしない理由は、以下の通りです。
- 実際のゲームプレイで得られる性能向上はわずか(平均5%未満)
- 価格差が約26,000円と大きく、費用対効果が悪い
- 特に1440p以上ではGPUがボトルネックとなり、CPU差が感じにくい
- 7800X3Dは現在でもトップクラスのゲーミングCPUで、まだまだ現役
アップグレードする価値があるかどうかは、「何を目的にするか」によって大きく変わってきます。
こんな人は検討してもよいかも
- 5090+360Hzの超高リフレッシュレート環境でわずかな1% lows向上にも価値を見出す人
- 7800X3Dを高値で売却できる or 他の用途に回す予定がある人
- PBOや手動OCを前提に、さらなる調整を楽しみたい自作ユーザー
結論:多くのユーザーにとってアップグレードは不要
Ryzen 7 9800X3Dは、Zen 5アーキテクチャと第2世代3D V-Cacheを採用し、特定のゲームや用途で性能向上が見られます。しかし、Ryzen 7 7800X3Dからのアップグレードによる実際の性能向上は限定的であり、多くのユーザーにとってはコストに見合わない可能性があります。
まとめ
Ryzen 7 9800X3Dは確かに進化したCPUではありますが、7800X3Dからのアップグレードは「価格に見合った実感」が得られにくいのが実情です。
今の環境に不満がなければ、無理にアップグレードせず、Zen 6世代のさらなる進化を待つのが賢い選択ではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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