
リモートデスクトップで他のパソコンにアクセスする場合、正しく通信するためのポートが開放されていることは非常に重要です。特にWindows 11では、セキュリティのためにポートの開閉が厳密に管理されています。
ここでは、リモートデスクトップで使われる標準ポート3389が正しく設定されているかを確認し、必要に応じてバッチファイルを使ってポートを開放する手順を、具体的な操作例を交えながら解説します。
はじめに
リモートデスクトップを利用する際、まず最初にチェックするべきは、接続先のパソコンがリモート接続用のポート(通常は3389)を使用できる状態になっているかどうかです。
ポートが閉じている場合、どんなに設定を正しくしても接続は成立しません。ここでは、まずポートの確認方法、その後バッチファイルでポートを開放する方法について説明します。
ポートの確認方法

Windows 11の設定画面やコマンドプロンプトを使って、リモート接続用ポートが有効かどうか確認します。
たとえば、コマンドプロンプトで以下のように入力して、ポート3389の状態を確認できます。
netstat -an | find "3389"
このコマンドは、現在のネットワーク接続とポートの状態を表示します。表示結果に「LISTENING」と書かれていれば、ポート3389は開いている状態です。もし何も表示されなければ、ポートが閉じている可能性があります。
バッチファイルでのポート開放方法
次に、バッチファイルを使用してポートを開放する手順を説明します。これにより、パソコンの起動時に自動で設定が反映され、リモートデスクトップの接続がスムーズに行えるようになります。以下の手順を参考にしてください。
1. バッチファイルの作成

まず、メモ帳などのテキストエディターを開き、以下の内容を入力します。
@echo off
REM リモートデスクトップ用ポート3389を開放する
netsh advfirewall firewall add rule name="RDP Port 3389" protocol=TCP dir=in localport=3389 action=allow
echo ポート3389の開放が完了しました。
pause
このスクリプトは、ファイアウォールの設定に新しいルールを追加し、リモートデスクトップ用のポート3389への通信を許可するものです。入力後、「remote_desktop_port.bat」などの名前で保存してください。
※バッチファイルのダウンロードは以下のリンクをご利用ください
2. バッチファイルの実行
作成したバッチファイルを管理者として実行します。
ファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選ぶと、ファイアウォールにルールが追加され、ポートが開放されます。
実行後、画面に「ポート3389の開放が完了しました。」と表示されれば、設定は正しく反映されています。
ポイント
従来、手動でファイアウォールの設定を変更する方法と比較すると、バッチファイルを利用することで以下のメリットがあります。
- 自動化: 一度設定を作成すれば、パソコンの起動時や定期的なメンテナンスに組み込むことが可能です。
- 効率性: 複数台のパソコンに同じ設定を適用する場合、ファイルを配布するだけで済み、時間と手間を大幅に削減できます。
- 安定性: コマンドを正確に記述することで、人為的なミスを防ぎ、常に一定の設定が維持されるため、リモート接続環境が安定します。
まとめ
リモートデスクトップを利用する際、リモート接続用のポート3389が正しく開放されていることは、快適な接続環境を保つための基本です。今回ご紹介した方法では、コマンドプロンプトでポートの状態を確認し、バッチファイルを使って自動でポートを開放する手順を解説しました。これにより、ファイアウォールの設定が自動化され、リモートデスクトップの接続トラブルを未然に防ぐことができます。
この記事が、Windows 11環境でリモートデスクトップを利用する際の接続トラブル解決に役立ち、快適なリモート作業環境の構築に貢献できれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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