
テレワークや外出先から社内ネットワークにアクセスする際、VPN接続が活躍します。これらの接続を裏側で支えているのが「Remote Access Connection Manager(ラズマン)」というWindowsのサービスです。
このサービスが正常に動作していないと、VPNがうまくつながらない、ネットワークに接続できないといった問題が発生することがあります。この記事では、Remote Access Connection Managerの役割、設定方法、トラブル時の対処法などを詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Remote Access Connection Manager
- 実行ファイル:
svchost.exe
(複数サービスで共有) - スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
RasMan
このサービスは、必要なときに自動で起動される仕組みです。
サービスの概要
Remote Access Connection Managerは、Windows 11でVPN接続やダイヤルアップ接続を作成・管理するサービスです。接続の作成や確立、セッションの制御などを担当し、ユーザーが安定してリモートネットワークにアクセスできるようにします。
VPNクライアントの多くがこのサービスに依存しており、停止すると接続ができなくなります。
主な用途と機能
このサービスが果たす主な役割は以下の通りです。
- VPN接続の作成・制御・維持
- ダイヤルアップ接続の管理
- 接続プロファイルの読み込みと実行
- 接続に必要な認証やセッションの処理
- 他のサービス(例:IKEサービス、Auto Connection Manager)と連携してリモートアクセス全体を管理
日常的に目にすることはありませんが、VPNの中核を担う重要なサービスです。
サービスの設定方法

Remote Access Connection Managerの状態は、以下の手順で確認・変更できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Remote Access Connection Manager」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
- 必要に応じて「開始」または「停止」を選択して設定を保存
有効化や無効化の手順
有効化する場合
VPNが機能しない、接続が開始できないといった場合はこのサービスが無効になっている可能性があります。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に変更
- 「開始」ボタンを押して実行中にする
- 関連サービス(IKEサービスなど)もあわせて有効化するとより安定
無効化する場合
VPNやダイヤルアップ接続をまったく使わない環境では、サービスを停止しておくことも可能です。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 状態が「実行中」であれば「停止」ボタンで終了
- 無効化によってVPN関連機能は使用できなくなります
推奨設定とその理由
このサービスは手動(既定)設定での運用が推奨されます。
- 必要なときに自動で起動するため、通常は常時起動の必要がない
- セキュリティリスクの軽減とパフォーマンス負荷の抑制が可能
- VPN接続が必要な場面でだけ動作し、効率的なリソース管理が可能
VPNを頻繁に使う場合は「自動」に設定しておくのも有効です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- VPNが接続できない、接続がすぐ切れる
- 「このサービスは起動していません」エラーが出る
- VPN接続設定が表示されない
- ネットワークに接続してもインターネットが利用できない
解決手順
- サービスの起動を確認
services.msc
でRemote Access Connection Managerが実行中であることを確認 - 依存サービスも確認
「Remote Access Auto Connection Manager」や「IKE and AuthIP IPsec Keying Modules」が停止していないかチェック - VPNプロファイルの削除と再作成
破損した設定が原因の場合、接続設定を削除して再構成することで解消されることがあります - Windowsの再起動
サービスが異常終了している場合は再起動で回復することがあります
関連サービスや補足情報
このサービスは、以下のWindows 11のネットワーク関連機能と連携しています。
- Remote Access Auto Connection Manager:必要なときにVPNを自動で接続
- IKE and AuthIP IPsec Keying Modules:VPNの鍵交換処理を管理
- Routing and Remote Access:主に企業ネットワークでの高度なリモート接続用
また、WindowsのネイティブVPN機能や一部のサードパーティVPNソフトもこのサービスに依存しています。
FAQセクション
Q1:このサービスが無効だとVPNは使えませんか?
はい、Remote Access Connection Managerが停止していると、VPN接続の確立ができません。必ず有効にしておく必要があります。
Q2:毎回VPN接続が失敗します。原因はこのサービスですか?
可能性があります。このサービスが自動で起動できていない、または依存サービスが停止していると、VPN接続が正しく動作しません。
関連リンク
まとめ
Remote Access Connection Managerは、Windows 11でVPNやダイヤルアップ接続を支える基盤的なサービスです。通常は「手動」で設定されており、接続が必要になったときに自動で起動する仕組みです。
VPNを利用する環境では、このサービスが正しく動作していることが接続成功のカギになります。トラブル発生時は、まずこのサービスの状態を確認することが解決への第一歩です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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