
データが増えれば増えるほど、ストレージの容量は圧迫されていきます。特に同じようなファイルを複数回保存している場合、それが無駄なディスク使用につながっているかもしれません。
Windowsには、ReFS(Resilient File System)という耐障害性に優れたファイルシステムで、重複したデータを自動で検出・削除する仕組みが用意されています。それを支えているのが「ReFS 重複除去サービス」です。
この記事では、このサービスの役割、設定方法、停止の影響、トラブルの対処法まで詳しく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:ReFS 重複除去サービス
- 実行ファイル:
deduprefsv1.exe
(バージョンにより異なる) - スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
ReFsDedup
このサービスは、ReFSボリュームで重複除去が有効になっているときに起動されます。
サービスの概要
ReFS 重複除去サービスは、ReFSファイルシステムを使用しているドライブに対し、同じ内容のデータを検出して削除・統合することで、ストレージ容量を節約するためのWindowsサービスです。
例えば、同じPDFや動画ファイルが複数コピーされていた場合、それらを1つのデータブロックとして扱い、重複分を削除することで、実際の使用容量を大幅に抑えることが可能になります。
主な用途と機能
このサービスの主な機能は以下のとおりです。
- ReFSファイルシステム内での重複データの自動検出
- 不要な重複ブロックの統合と削除
- ストレージの利用効率向上と空き容量の確保
- スケジュールに基づく重複除去処理の実行
- システムに影響を与えないよう、低優先度でのバックグラウンド実行
特にサーバー環境や大量のファイルを管理するシステムで活躍するサービスです。
サービスの設定方法

ReFS 重複除去サービスの状態は以下の手順で確認・設定できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 一覧から「ReFS 重複除去サービス」を探してダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
- 状態を確認し、必要に応じて「開始」または「停止」をクリック
有効化や無効化の手順
有効化する場合
ReFSドライブで重複除去を利用するには、サービスが有効である必要があります。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動
PowerShell
でEnable-DedupVolume
を実行して重複除去を有効化
無効化する場合
重複除去機能を使わない、または不要なサービスを停止したい場合は以下の手順で無効化できます。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 状態が「実行中」であれば「停止」ボタンをクリック
- ストレージの最適化機能が停止することを確認
推奨設定とその理由
ReFS 重複除去サービスは、ReFSボリュームで重複除去を使用している場合に「手動」または「自動」設定での運用が推奨されます。
- 重複除去を有効化していない環境ではサービスの起動は不要
- データ量の多い環境では、自動で定期的に実行されると効率的
- リソースの消費を抑えるため、スケジュール実行が基本となる
使用環境に応じて、手動か自動かを選びましょう。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 重複除去処理が開始されない
- ReFSボリュームで空き容量が増えない
- エラーログに「ReFsDedupサービスに失敗しました」と記録される
- PowerShellのコマンドでエラーが返る
解決手順
- サービスの状態を確認
services.msc
でReFS 重複除去サービスが実行中かどうかを確認 - PowerShellで状態確認
Get-DedupStatus
やGet-DedupVolume
コマンドで処理状況をチェック - 対象ドライブがReFSであることを確認
NTFSではなくReFSでフォーマットされているかをチェック - イベントビューアーのログ確認
重複除去関連のエラーが記録されている場合は詳細な原因を特定
関連サービスや補足情報
このサービスは以下のコマンドや機能と連携します。
- PowerShellのDedupモジュール:
Enable-DedupVolume
やStart-DedupJob
など - タスクスケジューラ:重複除去のスケジュール実行を管理
- ReFSファイルシステム:NTFSとは異なる構造で設計された高信頼ファイルシステム
- データ整合性ストリーム(Integrity Streams):ReFS特有の保護機能と連携
FAQセクション
Q1:このサービスを無効にするとデータは削除されますか?
いいえ。サービスを停止しても既に保存されたデータはそのまま残ります。重複除去が実行されないだけで、データへの影響はありません。
Q2:NTFSではこのサービスは使えますか?
いいえ。このサービスはReFS専用です。NTFSでの重複除去には別途NTFS重複除去機能(Windows Server限定)が必要です。
関連リンク
まとめ
ReFS 重複除去サービスは、ReFSファイルシステムを使った環境において、ストレージの効率化を図るための重要なサービスです。重複ファイルの自動検出と削除により、空き容量を確保し、データの最適化を実現します。
既定では手動設定ですが、ReFS重複除去機能を活用する環境では、自動での運用や定期的な手動実行が有効です。動作に問題がある場合は、サービスの状態やPowerShellコマンドを確認し、適切に対応しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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