
通話アプリで音声が途切れたり、動画配信中に音ズレが起きたりした経験はありませんか。Windowsには、こうしたネットワーク経由の音声・映像通信の品質を最適化するためのサービスが存在します。それが「Quality Windows Audio Video Experience(QWAVE)」です。
このサービスは、ストリーミング再生やビデオ会議、VoIP通話の音声品質を改善するためにネットワーク帯域の調整や優先順位制御などを行います。本記事では、QWAVEの役割、設定方法、停止による影響、トラブル対処法などを詳しく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Quality Windows Audio Video Experience
- 実行ファイル:
qwave.dll
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
QWAVE
Windows Vista以降に搭載され、特にネットワーク経由のリアルタイム通信で効果を発揮します。
サービスの概要
Quality Windows Audio Video Experience(QWAVE)は、ネットワークを使用する音声・映像アプリケーションの品質向上を支援するサービスです。
VoIP通話やオンライン会議、ライブストリーミングなど、リアルタイム通信の安定性や遅延の軽減を目的として動作します。ネットワークトラフィックの優先制御により、映像や音声が安定して届けられるよう調整されます。
主な用途と機能
このサービスには以下のような用途と機能があります。
- 音声や映像を含むストリーミング通信の品質向上
- VoIP通話(SkypeやTeamsなど)での遅延・途切れの最小化
- アプリごとのネットワーク帯域制御を支援
- ネットワークの負荷に応じた通信優先度の調整
- オーディオ・ビデオセッションに適したパケット処理
このサービスは直接目に見える形で働くわけではありませんが、裏で通信の最適化を支えています。
サービスの設定方法

Quality Windows Audio Video Experienceの設定は以下の手順で確認・変更できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Quality Windows Audio Video Experience」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
- 状態を確認し、必要に応じて「開始」または「停止」を実行
有効化や無効化の手順
有効化する場合
音声や映像の途切れが頻発する、通話品質が安定しない場合は、このサービスの有効化を試してみると改善する可能性があります。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 状態が「停止中」の場合、「開始」ボタンを押す
- 設定を保存して閉じる
無効化する場合
QWAVEを利用しない環境(通話やストリーミングをほぼ行わない)では、次の手順で無効化も可能です。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 実行中であれば「停止」ボタンをクリック
- OKを押して設定を保存
無効化しても基本的なネットワーク機能には影響しませんが、通話や配信アプリで品質が劣化する可能性があります。
推奨設定とその理由
QWAVEサービスは、手動(既定)での運用が推奨されます。
- ネットワーク帯域の制御は、VoIPアプリ利用時にのみ必要
- 常時起動は不要なため、手動設定で十分対応可能
- 通話や配信を多用する環境では「自動」にすることで安定性向上も期待できる
リソースを節約しつつ、必要なときだけ起動される手動設定が最適です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 通話アプリで音声が断続的に聞こえる
- ライブ配信で音声と映像が同期しない
- ネットワーク使用量が高騰しているのに他のアプリが優先されない
- QoS(Quality of Service)設定が反映されない
解決手順
- サービス状態の確認
services.msc
でQuality Windows Audio Video Experienceが「停止」状態になっていないか確認 - VoIPアプリの設定見直し
アプリ側でQoS設定が有効になっているか確認 - ネットワークアダプターのドライバー更新
通信品質に影響することがあるため、最新ドライバーに更新する - 再起動でサービスを再読み込み
設定が反映されない場合はPC再起動で解決するケースもあり
関連サービスや補足情報
このサービスは、以下のような機能や他のサービスと連携することがあります。
- Windows Audio Endpoint Builder:音声処理の基本サービス
- Multimedia Class Scheduler Service(MMCSS):マルチメディアタスクの優先度制御
- QoSポリシー(グループポリシーで設定可能):通信の帯域制御設定
また、企業ネットワークでは、QoS設定と合わせてQWAVEの活用が推奨されています。
FAQセクション
Q1:このサービスを無効にしてもYouTubeやNetflixは再生できますか?
はい、QWAVEはネットワーク最適化の補助的な役割のため、無効でも基本的なストリーミング再生は可能です。ただし、通信状態が悪い場合には品質が低下することがあります。
Q2:通話アプリで音切れがあるのはこのサービスが原因ですか?
原因の一つである可能性があります。QWAVEが無効になっていると、通話アプリの通信が最適化されず、音声品質に影響が出ることがあります。サービスを有効化して様子を見るとよいでしょう。
関連リンク
まとめ
Quality Windows Audio Video Experienceは、ネットワークを使った音声・映像通信の品質を向上させるためのWindowsサービスです。特にVoIP通話やライブ配信を行う際に、安定した通信環境を保つのに役立ちます。
既定では手動起動の設定ですが、通話やストリーミングを頻繁に利用する場合は「自動」に変更することで通信の安定性が向上することもあります。音声トラブルに直面した際は、このサービスの有効性を一度見直してみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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