
USB接続でMP3プレーヤーやデジタルカメラをPCに接続した際、すぐにデバイスを認識し、ファイルの同期や写真のインポートがスムーズに行えるのは「Portable Device Enumerator Service」のおかげです。
このサービスは、接続されたポータブルデバイスに対するイベント処理やメディア同期を裏で支えています。本記事では、このサービスの役割や設定方法、無効化した場合の影響、トラブル時の対処法まで詳しく解説します。
サービスの基本情報
- サービス名:Portable Device Enumerator Service
- 実行ファイル:
wpdmtp.dll
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
WpdService
このサービスは、メディアデバイスの接続時に必要に応じて起動されます。
サービスの概要
Portable Device Enumerator Serviceは、MP3プレーヤー、スマートフォン、デジタルカメラなど、USB経由で接続されたポータブルデバイスの管理を担当するサービスです。
Windows Media Playerなどで行われるメディアファイルの同期処理や、デバイスのイベント(例:写真のインポート)を正しく動作させるための土台となっています。
主な用途と機能
このサービスが担う主な機能は次の通りです。
- ポータブルデバイスの識別と状態管理
- Windows Media Playerによるメディアファイルの同期サポート
- デバイス接続時の自動処理(写真取り込みや再生アプリの起動)
- デバイスイベントの監視と処理の実行
- デジタル著作権管理(DRM)機能の一部サポート
特にメディアファイルのやり取りや、自動再生機能において重要な役割を果たしています。
サービスの設定方法

Portable Device Enumerator Serviceの状態は、以下の手順で確認・変更できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力してEnter- 「Portable Device Enumerator Service」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
通常は「手動」に設定されており、必要なときに自動で起動されます。
有効化や無効化の手順
有効化する場合
ポータブルデバイスが認識されない、または同期ができないといった場合は、以下の手順でサービスを有効にします。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 状態が「停止中」の場合、「開始」ボタンを押して起動
- 設定を保存し、デバイスを再接続して動作確認
無効化する場合
デバイス同期機能を使用しない、または不要なサービスを減らしたい場合は、次のように無効化します。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 状態が「実行中」であれば「停止」ボタンをクリック
- OKを押して設定を完了
無効にしても、ファイルエクスプローラーによるデバイス認識や基本的なファイル転送は行えます。
推奨設定とその理由
このサービスは「手動」設定のままが推奨されます。
- ポータブルデバイス接続時に必要に応じて起動されるため、常時起動は不要
- リソースの無駄を抑えながら、必要な機能だけを提供
- 無効化しても致命的な影響は少ないが、一部のアプリや自動同期機能が制限される可能性がある
メディア同期を使う場合は、動作確認のために一度「自動」起動に設定しておくのも選択肢です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- デジタルカメラやMP3プレーヤーが自動的に認識されない
- Windows Media Playerで同期デバイスとして表示されない
- デバイス接続時の自動アクション(写真のインポートなど)が動作しない
- サービスのエラーがイベントビューアーに記録される
解決手順
- サービスの状態を確認
services.msc
でPortable Device Enumerator Serviceが有効かチェック - デバイスマネージャーでデバイスを確認
ドライバーが正しく認識されていない場合は再インストールを実施 - 自動再生設定の確認
「設定 → デバイス → 自動再生」で正しい動作が設定されているか確認 - 関連アプリ(WMPなど)の設定リセット
メディア同期が不安定な場合はWindows Media Playerのライブラリ設定を初期化
関連サービスや補足情報
Portable Device Enumerator Serviceは、以下のようなサービスや機能と連携しています。
- Shell Hardware Detection:デバイス接続時の自動再生処理をサポート
- Windows Media Player Network Sharing Service:メディアライブラリの共有・同期
- Plug and Play:デバイスの認識と構成をサポート
また、スマートフォンやタブレットをUSB接続する際にも、このサービスが裏で動作していることがあります。
FAQセクション
Q1:このサービスを無効にしてもスマートフォンやカメラの写真は取り込めますか?
はい、エクスプローラー経由での手動コピーは可能ですが、自動同期や自動再生などの一部機能は使えなくなります。
Q2:Media Playerで同期が始まらないのはこのサービスが原因ですか?
可能性があります。Portable Device Enumerator Serviceが停止していると、デバイスを同期対象として認識しない場合があります。サービスを有効にして再起動してみてください。
関連リンク
- Microsoft公式:ポータブルデバイスの管理
- Windows Media Playerでの同期設定方法
- Shell Hardware Detectionサービスの設定方法
まとめ
Portable Device Enumerator Serviceは、ポータブルデバイスのメディア同期やイベント管理を支えるWindowsの補助的なサービスです。通常は「手動」設定で問題なく、必要なときに自動で起動されます。
無効化しても多くの操作は可能ですが、メディア同期や自動アクション機能を活用する場合は有効にしておくのが安心です。デバイスが正しく認識されないときは、このサービスの状態を確認するのがトラブル解決の第一歩になります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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