
Windows 11では通常「設定 > アカウント > サインイン オプション」からPIN(Windows Hello)を削除できますが、環境によっては「削除」ボタンがグレーアウトして操作できないことがあります。
この記事では、PINが削除できない原因と、その対処法について詳しく解説します。手順を進める際は慎重に行ってください。
PIN削除がグレーアウトする原因とは?

PINが削除できない主な原因は以下の通りです。
- Windows Helloが強制的に有効化されている
- Microsoftアカウントでログインしている状態
- システム内部のNgcフォルダにアクセス権がない
- 管理者権限の不足
対処法1:Windows Helloの設定を確認する

- 設定 > アカウント > サインイン オプション を開く
- 「セキュリティ向上のため、このデバイスではMicrosoftアカウント用にWindows Helloサインインのみを許可する(推奨)」を オフ にする
項目が表示されない場合、通常の方法ではPIN削除できない可能性があります
対処法2:「PINを忘れた場合」から削除を試す

- 同じく サインイン オプション > PIN(Windows Hello) を開く
- 「PINを忘れた場合」をクリック
- Microsoftアカウントのパスワードを入力し、PIN再設定画面をキャンセルまたはスキップ
対処法3:一時的にローカルアカウントへ切り替える

- 設定 > アカウント > ユーザーの情報 にアクセス
- 「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」を選択(表示されている場合)
- パスワードを設定して再ログイン後、「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」に戻してPIN削除を試す
バージョンによってこのオプションが表示されない場合もあります
対処法4:Ngcフォルダを削除してPIN設定をリセット

- エクスプローラーで以下のフォルダにアクセス
C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\Microsoft\Ngc
- アクセス拒否される場合
- Ngcフォルダを右クリック → [プロパティ] → [セキュリティ] → [詳細設定]
- 所有者を「Administrators」または現在のユーザーに変更
- 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェック
- [適用]後、アクセス許可をフルコントロールに設定
- Ngcフォルダを削除
- 管理者権限で削除
- 再起動後、パスワード入力表示に変更されてるかチェック
⚠ 注意:誤って別のフォルダを削除しないようご注意ください
対処法5:レジストリからHello設定を無効化

- Win + R > regedit を入力し、レジストリエディターを開く
- 以下のパスへ移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\default\Settings\AllowSignInOptions
value
を 0 に設定- PCを再起動してPIN削除を再試行
⚠ レジストリ編集は誤るとシステムに不具合を起こす可能性があります。ログイン不可となる可能性もあります。自己責任で実施してください。
❓ よくある質問(FAQ)
- 「セキュリティ向上のため〜Helloサインインのみを許可する」の項目が表示されません
アカウントがローカルアカウントだったり、Microsoftアカウントが完全に連携されていないと、このオプションは表示されません。ローカルアカウント風の構成でも、内部的にMicrosoftアカウント情報が統合されている場合があり、挙動が不安定になります。
- Ngcフォルダを削除したらPIN削除できました。これは安全な方法ですか?
正しくアクセス権限を設定して Ngcフォルダを削除する方法は有効です。ただし、Windowsのシステム領域に関わるため、誤った削除はリスクがあるため注意が必要です。アクセス許可や所有権の変更手順を理解してから実施してください。
- 「@outlook.jp」と表示されているのに、Microsoftアカウントとして認識されていないのはなぜですか?
最初にローカルアカウントとして作成し、後から Microsoft アカウントを Office などに追加した場合、「Microsoft アカウント風のローカルアカウント」状態になります。この場合、一部機能(PIN削除など)が制限されることがあります。
- 「PINを削除できませんでした」や「グレーアウトしています」と表示される原因は?
多くは以下の原因によります。
- Hello オプションが強制的に有効
- Microsoft アカウント関連のポリシーが有効
- Ngcフォルダのアクセス拒否
- 管理者権限不足
- レジストリ変更とNgc削除、どちらを先に試すべきですか?
安全性を考慮するとNgcフォルダ削除が先です。レジストリ変更はよりリスクが高く、操作ミスでシステムが不安定になることがあります。
関連記事リスト
まとめ:段階的に試して解決しよう
手順 | 難易度 | 管理者権限 | 備考 |
---|---|---|---|
Hello設定の無効化 | 低 | 不要 | 最初に試すべき |
「PINを忘れた場合」 | 低 | 不要 | UI上から可能 |
ローカルアカウント切替 | 中 | 必要 | 表示されない場合もある |
Ngcフォルダ削除 | 高 | 必要 | 所有権の変更が必要 |
レジストリ変更 | 高 | 必要 | 最終手段として使用 |
PINの削除がうまくいかないときは、上記の手順を順に試して解決を目指しましょう。設定変更の前には、念のため重要なデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント
※ コメントは確認後に公開されます。反映まで少し時間がかかる場合があります。