Windowsでは、タスクマネージャーやリソースモニターを使ってCPUやメモリの使用率をリアルタイムに確認できます。これらの情報を裏で支えているのが「パフォーマンスカウンター」です。
その中でも「Performance Counter DLL Host」というサービスは、特定のパフォーマンスカウンターを個別に読み込むことで、システムの安定性や信頼性を高める役割を担っています。本記事では、このサービスの概要、設定方法、無効化による影響やトラブル対処法をわかりやすく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名：Performance Counter DLL Host
- 実行ファイル：
hostedservice.dll - スタートアップの種類：手動
- 内部サービス名：
PerfHost
このサービスは通常、必要なときだけ起動される設計になっており、常時起動の必要はありません。
サービスの概要
Performance Counter DLL Hostは、システムパフォーマンスを計測するための「パフォーマンスカウンター」の一部を、個別プロセス内で安全に読み込むためのサービスです。
不安定なカウンターDLLが原因でシステム全体に影響を与えないように、DLLを分離して処理することで安定性を向上させています。
主な用途と機能
このサービスが提供する主な機能は以下の通りです。
- パフォーマンスカウンター用DLLの分離実行
- 不安定な拡張カウンターのクラッシュからシステムを保護
- リソースモニターや監視ツールで使用される統計情報の提供
- サードパーティ製の拡張カウンターに対するサンドボックス的役割
Performance Monitor（パフォーマンスモニター）などの管理ツールを使う場面で、裏で動作していることが多いです。
サービスの設定方法
Performance Counter DLL Hostの設定は以下の手順で確認できます。
Win + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.mscと入力しEnter- 「Performance Counter DLL Host」を探してダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
ただし、通常は「手動」のままで十分なため、変更は慎重に行いましょう。
有効化や無効化の手順
有効化する場合
何らかの理由でサービスが無効になっていて、パフォーマンスモニタリングが正常に動作しない場合は以下のように設定します。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動
- 「OK」を押して設定を保存
無効化する場合
このサービスは常時起動を必要としないため、使用していない環境では無効化も可能です。
- スタートアップの種類を「無効」に変更
- 実行中であれば「停止」ボタンを押して終了
- 「OK」で設定を保存
ただし、モニタリングツール使用時に不具合が出る可能性があるため注意が必要です。
推奨設定とその理由
このサービスは「手動」設定のまま維持するのが推奨されます。
- 必要なときにのみ起動されるため、リソースを無駄に消費しない
- 無効化すると一部のパフォーマンス監視ツールでデータ取得に失敗する可能性がある
- 自動起動にするメリットはほとんどなく、手動が最適なバランス
特に変更する必要がなければ、初期設定のままで問題ありません。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- パフォーマンスモニターで「一部のカウンターが利用できない」と表示される
- サードパーティ製モニタリングツールが正常に動作しない
- PerfHost.exe のCPU使用率が高騰する
- Windowsログにパフォーマンスカウンターのエラーが出る
解決手順
- サービスの状態を確認
services.mscで「Performance Counter DLL Host」が停止していないか確認します - 問題のあるカウンターを特定
コマンドプロンプトでlodctr /qを使用して状態を確認 - パフォーマンスカウンターの再構築
lodctr /rでシステムのパフォーマンスカウンターを再登録することで復旧する場合があります - イベントビューアーのログ確認
Applicationログの中に、関連エラーが出ていないかをチェックします
関連サービスや補足情報
Performance Counter DLL Hostは、以下の要素と関連しています。
- Performance Logs & Alerts
パフォーマンス情報の収集とログ出力を行うサービス - Remote Registry
他のPCからパフォーマンス情報を取得する際に使用されることがあります - Windows Management Instrumentation（WMI）
WMI経由でパフォーマンス情報を取得するツールとの連携もあります
特にモニタリングやシステム診断ツールを使う際に、これらのサービスと合わせて動作するケースが多くなります。
FAQセクション
Q1：このサービスを無効にしてもWindowsは通常通り動作しますか？
はい、一般的なPCの使用には影響ありません。ただし、リソースモニターや一部のパフォーマンス管理ツールが正しく機能しない可能性があります。
Q2：頻繁にCPU使用率が高くなるのはなぜですか？
拡張カウンターやサードパーティのDLLが不安定な場合に、PerfHost.exe が過剰に動作することがあります。問題のあるカウンターを無効化するか、カウンターの再構築を試みることで改善することがあります。
関連リンク
まとめ
Performance Counter DLL Hostは、Windowsのパフォーマンス監視機能を安定して提供するための裏方的なサービスです。特定のパフォーマンスカウンターDLLを分離してホストすることで、システムの信頼性を保っています。
通常は「手動」設定で必要に応じて起動されるため、特別な理由がない限りはそのままで問題ありません。もしパフォーマンスモニターや監視ツールで問題が発生した場合には、このサービスの状態や関連設定を見直すことで解決につながることがあります。
Tamaglo最後までお読みいただきありがとうございます。
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