
PCの起動が遅くなった、ファイルの読み込みがもたつく――そんなときに見直すべきなのがドライブの最適化です。Windowsでは「Optimize Drives(ドライブの最適化)」というサービスが自動的にデフラグやSSDの最適化を行い、パフォーマンスを保つ役割を果たしています。
このサービスは裏で定期的に動作しており、ユーザーが意識しなくてもディスクの状態を整えてくれます。この記事ではOptimize Drivesの機能、設定方法、無効化の影響、トラブル解決法などを詳しく紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Optimize Drives
- 実行ファイル:
defragsvc.dll
- スタートアップの種類:手動
- 内部サービス名:
defragsvc
このサービスは、Windowsのスケジュールに従って自動的に起動されることが多く、通常は「手動」設定でも定期的に動作します。
サービスの概要
Optimize Drivesは、HDDやSSDなどのストレージデバイスに対して定期的に最適化処理を行うことで、アクセス速度の低下や断片化によるパフォーマンス低下を防ぐサービスです。
HDDにはデフラグ(断片化の解消)、SSDにはTRIMコマンドなどの最適化処理が実行され、ストレージの寿命や速度の維持に貢献します。
主な用途と機能
Optimize Drivesが提供する主な機能は以下の通りです。
- HDDのデフラグ(ファイル断片化の解消)
- SSDへのTRIMコマンド送信による最適化
- 定期的なドライブ分析と最適化スケジュールの実行
- 最適化状況の記録とレポート機能(イベントログへの出力)
このサービスは、PCの動作が遅くなるのを未然に防ぐ目的で組み込まれています。
サービスの設定方法

Optimize Drivesのサービス設定は以下の手順で確認・変更できます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力しEnter- 一覧から「Optimize Drives」をダブルクリック
- スタートアップの種類を「手動」「自動」「無効」から選択可能
通常は手動のままでも、タスクスケジューラによって定期実行されます。
有効化や無効化の手順
有効化する場合
ストレージの最適化が実行されていない場合は、以下の手順でサービスを有効にします。
- スタートアップの種類を「手動」または「自動」に設定
- 状態が「停止中」であれば「開始」ボタンをクリック
- 「OK」を押して設定を保存
無効化する場合
何らかの理由で最適化を止めたい場合は、以下のように設定します。
- スタートアップの種類を「無効」に変更
- 実行中の場合は「停止」ボタンを押す
- 設定を保存して画面を閉じる
ただし、無効化するとディスクの断片化やパフォーマンスの劣化が起きる可能性があるため、注意が必要です。
推奨設定とその理由
Optimize Drivesサービスは通常、「手動」のままでも問題ありません。これは、Windowsのタスクスケジューラにより定期的に最適化処理が実行されるためです。
- ストレージの種類に応じて最適な処理を自動で実行
- サービスを無効化しない限り、最適化タスクは継続
- 無効化すると定期的な処理が止まり、断片化の蓄積やSSDのパフォーマンス低下につながる恐れあり
特にHDD環境ではデフラグがパフォーマンス維持に大きく関係するため、無効化は非推奨です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- デフラグがスケジュール通りに実行されていない
- SSDなのに「デフラグ」が行われているように見える
- 最適化処理中にシステムが重くなる
- サービスが開始されず、最適化が失敗する
解決手順
- サービスの状態を確認
「Optimize Drives」が停止していないか、無効になっていないかを確認 - タスクスケジューラを確認
「Microsoft → Windows → Defrag」の中にある最適化タスクが有効かをチェック - ドライブの状態を確認
「ドライブの最適化とデフラグ」ツールで状態を手動チェック・実行可能 - イベントビューアーでログを確認
最適化エラーが発生している場合は、イベントログに記録されていることがあります
関連サービスや補足情報
Optimize Drivesサービスは次のような要素と連携しています。
- タスクスケジューラ(Task Scheduler)
最適化処理はこのスケジューラによって定期的に実行されています - Windows Search
ファイル検索パフォーマンスと関係するため、最適化との相性が影響することもあります - ストレージドライバー
ドライブの種類を正確に識別できないと、誤った最適化処理が行われる可能性があります
FAQセクション
Q1:Optimize DrivesはSSDにもデフラグを行うのですか?
いいえ。SSDの場合は「デフラグ」ではなく「TRIMコマンド」を使った最適化処理が行われます。見た目上「デフラグ」と表示されることもありますが、内容は異なります。
Q2:最適化を無効にするとどんな影響がありますか?
HDDでは断片化が進行し、読み書き速度が低下する可能性があります。SSDでもTRIMが行われず、パフォーマンスや寿命に影響する恐れがあります。
関連リンク
まとめ
Optimize Drivesサービスは、Windowsが自動的にドライブを最適な状態に保つために用意されている仕組みです。HDDでは断片化の解消、SSDではTRIMによる最適化を通じて、ストレージのパフォーマンス維持に貢献します。
通常は「手動」のままで問題ありませんが、無効化すると最適化処理が行われなくなり、長期的なパフォーマンス低下につながる可能性があります。動作の有無が気になるときは、サービス状態とタスクスケジューラの設定を確認してみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント