
ネットワークがつながらない、通信が不安定、特定のサイトにだけアクセスできないなど、ネットワークの不調は突然起こります。そんなときに活用できるのが「コマンドプロンプト」です。見た目は地味でも、強力なチェックツールとして機能します。
接続状況の確認コマンド
まずは、パソコンがどのような状態なのかを知るために、基本的なコマンドを試します。
1. IPアドレスの確認

ipconfig
このコマンドで、接続しているネットワークの状態が確認できます。もし「メディアが切断されています」と表示されたら、ケーブルやWi-Fi接続の見直しが必要です。
通信の確認と診断
次に、インターネットとのやり取りが正しく行えているか確認します。
2. 通信できているか確認する

ping www.google.com
これで応答があればネットワークはつながっています。返答がない場合、DNSの問題やルーターの障害が考えられます。
3. DNSの動作確認
名前をIPアドレスに変換する機能が正常かどうかも重要です。
nslookup www.google.com
このコマンドで正しいIPアドレスが表示されれば、DNSは問題ありません。応答がなければ、DNSの設定を見直す必要があります。
トラブル箇所の切り分け
4. 近くのルーターに接続できているか確認
ping 192.168.1.1
家庭用ルーターの多くはこのIPを使っています。応答がなければ、ルーターまたはLANの設定に問題があります。
5. 通信経路をたどる

tracert www.google.com
途中で止まっている箇所があれば、そこで問題が発生している可能性があります。プロバイダ側のトラブルや外部ネットワークの障害を見極める手がかりになります。
設定のリセットと更新
何らかの原因で設定が崩れている場合は、リセットを試すと改善することがあります。
6. IPアドレスを再取得
ipconfig /release
ipconfig /renew
接続を一度リセットして、あらためてネットワーク情報を取得します。
7. DNS情報をクリア
ipconfig /flushdns
過去に取得した情報が残っていて、接続に支障をきたしている場合に効果的です。
実践的な対処法と考え方
ネットワークのトラブルは「どこに問題があるのか」を見つけることがポイントです。コマンドプロンプトを使えば、ネットワークの構造を段階的にチェックできます。まずは「接続そのものがあるか」、次に「インターネットに出られるか」、さらに「特定の場所に届くか」という流れで切り分けていくのが有効です。
トラブルチェックの工夫
- Wi-Fiの場合:SSIDの再接続やパスワードの確認も忘れずに
- LANケーブル使用時:差し直しで改善することも多い
- VPNを使っているとき:一時的に切って確認してみるのも有効
まとめ
Windows 11では、コマンドプロンプトを使うことでネットワークの状態を正確に把握できます。原因の切り分けができるだけでも、大きな前進です。急に接続できなくなったときは、慌てず段階的にチェックを進めてみてください。
地味ながら頼りになるツール、それがコマンドプロンプトです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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