
Windowsでは複数のネットワークに接続する機会があり、それぞれのネットワークがどのような種類かを識別する必要があります。このときに裏側で動作しているのが「Network List Service(ネットワークリストサービス)」です。
ネットワークの種類によってはファイル共有やセキュリティ設定が自動的に切り替わるため、このサービスは安定したネットワーク動作に欠かせません。この記事では、サービスの機能や設定方法に加えて、無効化の影響やトラブル時の対処法もあわせて紹介します。
サービスの基本情報
- サービス名:Network List Service
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:手動(トリガー起動)
- 内部サービス名:
netprofm
このサービスは、他のネットワーク関連サービスと連携しながら動作するため、単体での停止や無効化には注意が必要です。
サービスの概要
Network List Serviceは、接続されたネットワークの名前や種類(パブリック、プライベート、ドメイン)などの情報を収集・識別します。Windowsではこの情報に基づいて、ファイアウォール設定や共有設定などが自動的に調整されます。
たとえば、新しいWi-Fiネットワークに接続したときに「ネットワークの場所を選んでください」と表示されるのは、このサービスが動作しているからです。
主な用途と機能
Network List Serviceの主な役割は以下のとおりです。
- 接続中のネットワークの種類(パブリック/プライベート/ドメイン)を識別
- 各ネットワークに名前やプロパティを付与して管理
- ファイアウォールや共有機能の適切な設定を補助
- ネットワークの状態に応じた通知や動作を他のサービスへ伝達
このように、単なる表示機能ではなく、システム全体のセキュリティや動作に関わる重要な役割を果たしています。
サービスの設定方法

Network List Serviceの設定は「サービス」管理ツールから行えます。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開くservices.msc
と入力して「サービス」画面を起動- 一覧から「Network List Service」を探してダブルクリック
- スタートアップの種類を変更可能(自動/手動/無効)
デフォルトでは「手動(トリガー開始)」になっており、必要に応じて起動される仕組みになっています。
有効化や無効化の手順
有効化する場合
Network List Serviceが無効になっていてネットワーク識別ができない場合は、以下の手順で再有効化しましょう。
- 「スタートアップの種類」を「手動」または「自動(遅延開始)」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動
- OKで保存して終了
無効化する場合
基本的に無効化は推奨されませんが、特定のトラブルシューティング目的などで一時的に停止したい場合は以下のように設定します。
- スタートアップの種類を「無効」に設定
- 「停止」ボタンをクリック(状態が「実行中」の場合)
- OKを押して設定を保存
推奨設定とその理由
通常使用する場合、このサービスは「手動(トリガー開始)」のままが最適です。理由は以下の通りです。
- Windowsが必要なときだけ起動するため、リソースの無駄がない
- 無効化するとネットワーク識別が行われず、パブリックネットワークとして扱われるケースがある
- ファイル共有やリモート接続が意図せず制限される可能性がある
特に家庭やオフィスでのネットワーク共有を利用している場合は、無効化によって大きな支障が出ることもあるため注意が必要です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワークの種類が「パブリック」のまま変更できない
- ネットワーク名が「不明なネットワーク」と表示される
- ファイル共有が機能しない
- 一部のアプリがネットワークを検出できない
解決手順
- Network List Serviceが起動中か確認
サービス一覧で状態が「実行中」になっていない場合は手動で開始します。 - 関連サービスを確認
Network Location Awareness
などのサービスも連携して動作しているため、そちらも同様に確認します。 - ネットワークプロファイルのリセット
レジストリやPowerShellを使って既存のネットワークプロファイルを削除・再作成することで、正しく認識されるようになる場合があります。 - グループポリシーやレジストリの制限確認
企業ネットワークなどで設定が制限されている場合、ローカルでの変更ができないことがあります。
関連サービスや補足情報
Network List Serviceは、以下のような他のサービスと密接に関わっています。
- Network Location Awareness(NLA)
ネットワークの詳細な環境を把握し、Network List Serviceに情報を提供します。 - Windows Defender Firewall
ネットワークの種類によりルールを切り替えるため、識別情報が重要になります。
また、ネットワーク共有やリモートデスクトップなどの機能とも間接的に関係しています。
FAQセクション
Q1:Network List Serviceを無効にしてもインターネットにはつながりますか?
はい、インターネット接続自体は可能です。ただし、ネットワーク識別ができないため、共有フォルダが使えなくなるなどの影響が出る場合があります。
Q2:ネットワークの場所がいつも「パブリック」になってしまいます。どうすればいいですか?
Network List Serviceが停止しているか、他の関連サービスが無効になっている可能性があります。サービスを確認して再起動することで解決するケースが多いです。
関連リンク
まとめ
Network List Serviceは、Windowsでネットワークの種類を識別し、適切なセキュリティ設定を適用する重要な役割を担っています。無効化すると見た目の変化は少ないものの、ファイル共有や接続の安定性に影響する場合があります。
トラブルが発生した場合は、サービスの状態を確認することが第一歩です。関連するサービスやネットワークプロファイルの設定を見直すことで、多くの問題は解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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