
Net.Tcp Port Sharing Service は、複数のアプリケーションが同一の TCP ポートを共有できるようにする Windows のサービスです。主に WCF(Windows Communication Foundation)を利用したアプリケーションで使用されます。
サービスの基本情報
- サービス名:Net.Tcp Port Sharing Service
- サービス名(内部):NetTcpPortSharing
- スタートアップの種類(初期設定):無効
- 実行ファイル:SMSvcHost.exe
- 関連技術:WCF、net.tcp プロトコル、通信共有
サービスの概要
このサービスは、Windows上で複数のWCFアプリケーションが同じTCPポートを利用できるように、リクエストのルーティングを行います。通常、WCFアプリはポートの競合を避けるためにポートを専有しますが、本サービスを使うことでポートを共有する構成が可能になります。
主な用途と機能
- net.tcpプロトコルを使用するWCFアプリのポート共有
- 同一ポート番号に複数のリスナーを割り当てる
- 通信パフォーマンスの最適化
- セキュアなサービス公開環境の構築
サービスの設定方法

- スタートメニューで「サービス」と検索しアプリを開く
- 「Net.Tcp Port Sharing Service」を探して右クリック
- 「プロパティ」を選択し、「スタートアップの種類」を選択
- 使用環境に応じて「自動」または「手動」に変更
- 必要に応じて「開始」ボタンをクリック
有効化や無効化の手順
有効化の手順
このサービスは初期状態では無効です。WCFを使用するアプリケーションでnet.tcpポート共有を行う場合は「手動」または「自動」に設定して開始します。
無効化の判断
net.tcpプロトコルを利用するアプリを使用していない場合、無効のままで問題ありません。不要に有効化するとポート使用に関するセキュリティリスクが高まる可能性があります。
推奨設定とその理由
通常は「無効」で問題ありません。WCFベースのアプリケーションを使用しておらず、ポート共有の必要がない場合には有効化する必要はありません。必要時のみ手動で起動する構成が安全です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- WCFアプリケーションが起動しない
- ポート競合による通信エラー
- サービスが自動起動しない
解決手順
- サービスが無効化されていないか確認
- サービスのプロパティで「スタートアップの種類」を変更
- アプリケーションの構成ファイルでポート設定を見直す
- ファイアウォールのポート制限を確認
関連サービスや補足情報
サービス名 | 説明 | 推奨設定 |
---|---|---|
Net.Tcp Listener Adapter | net.tcp接続のリスニングを行うサービス | 手動 |
Windows Communication Foundation | WCFベースのアプリケーションフレームワーク | 使用時に必要 |
FAQセクション
Q1:このサービスを有効にすべきなのはどんなときですか
A1:net.tcpプロトコルを使うWCFアプリケーションを複数同時に動かす場合に有効にします。
Q2:サービスが有効でも通信ができません
A2:WCFアプリの構成ファイルやファイアウォール、関連サービスの動作状況を確認してください。
まとめ
Net.Tcp Port Sharing Service は、WCFアプリケーションでのポート共有を可能にするサービスです。用途が限定されているため、多くのユーザーにとっては無効のままで問題ありませんが、WCFベースの通信を行う環境では有効にすることで柔軟な構成が可能になります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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