
「IP Helper」は、IPv6ネットワークへの移行を支援し、接続性を向上させるためにWindowsに搭載されている重要なサービスです。特に企業ネットワークやVPN環境で利用されるIP-HTTPSやISATAPなどの機能に関係しています。
本記事では、IP Helperサービスの役割や設定方法、よくあるトラブルの対処法をわかりやすく解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:IP Helper
- 内部名:iphlpsvc
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:自動(既定)
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
IP Helperは、IPv6移行テクノロジー(ISATAP、6to4、Teredo、IP-HTTPSなど)をサポートし、Windowsシステムのネットワーク接続性を改善するサービスです。
IPv4とIPv6の混在環境やVPN通信において、シームレスな接続を実現するための中間的な役割を担っています。
主な用途と機能
- IPv6移行テクノロジのサポート(ISATAP、6to4、Teredo)
- IP-HTTPSトンネリングのサポート(VPN接続で利用)
- ネットワークアダプタの構成支援
- トンネルアダプターの作成と管理
サービスの設定方法

- 「スタート」→「サービス」と検索して起動
- 一覧から「IP Helper(iphlpsvc)」を探す
- 右クリックして「プロパティ」を選択
- 「スタートアップの種類」を確認・変更
- 「開始」または「停止」で状態を管理
有効化/無効化の手順
有効化
- 「スタートアップの種類」を「自動」に設定
- 「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動
無効化
- 通常は無効化を推奨しません
- ただしIPv6を使用しないローカル環境では「手動」や「無効」にしても大きな影響はありません
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動(IPv6環境やVPN使用時)
理由
- IP-HTTPSやTeredoなど、一部のVPNやセキュア通信機能に依存するため
- 将来的なIPv6移行に備えて有効にしておくのが無難
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- VPN接続が確立しない
- ネットワーク接続が断続的になる
- 「iphlpsvc」に関連するエラーがイベントビューアに記録される
解決手順
- IP Helperサービスが起動しているか確認
- ネットワークアダプターのIPv6が有効かチェック
- VPNクライアントのバージョン・構成を再確認
- 「コマンドプロンプト」で
netsh int ipv6 reset
を実行
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 | 推奨設定 |
---|---|---|
DHCP Client | IPアドレスの取得 | 自動 |
Network Connections | 接続状態の管理 | 自動 |
Remote Access Auto Connection Manager | VPNなどの自動接続 | 手動 |
FAQセクション
Q1:IPv6を使わない場合、IP Helperは無効にしても問題ない?
A1: 多くの一般的な使用環境では問題ありませんが、VPNなどでIP-HTTPSを利用している場合は影響があります。
Q2:IP Helperサービスが停止していると何が起きる?
A2: IPv6移行技術や一部VPN接続に支障が出る場合があります。特に企業ネットワークでは通信不能になることもあります。
関連リンク
まとめ
IP Helperは、Windowsのネットワーク通信をより柔軟に、将来のIPv6環境にも対応させるための重要なサービスです。特にVPNや企業内ネットワークでの安定接続を支える存在であり、通常は「自動」設定で有効にしておくことをおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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