
「Internet Connection Sharing (ICS)」は、1台のWindows PCのインターネット接続を他のデバイスと共有できるようにするサービスです。家庭内ネットワークや一時的なネットワーク共有の場面で活用されます。
この記事では、ICSサービスの仕組み、設定方法、トラブル時の対処法を解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:Internet Connection Sharing (ICS)
- 内部名:SharedAccess
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:手動(既定)
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
ICSは、1台のPCを通して他のデバイスにインターネット接続を提供するためのサービスです。PCが「ルーター」のような役割を果たし、LANやWi-Fi経由で接続されている他の機器がインターネットを利用できるようになります。
主な用途と機能
- 1台のPCを介したインターネット共有
- アドホックネットワークやモバイルホットスポット環境での使用
- NAT(ネットワークアドレス変換)機能の提供
- 簡易DHCPサーバー機能でクライアントにIPアドレスを配布
サービスの設定方法
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」を開く
- 「アダプターのオプションを変更する」をクリック
- 共有したいネットワークアダプターを右クリック →「プロパティ」
- 「共有」タブで「ほかのネットワーク ユーザーに…」にチェックを入れる
- 共有先のアダプターを選択し「OK」
有効化/無効化の手順

有効化
- 手動でネットワークの共有設定を行うと、ICSサービスが起動します
- サービス一覧から「SharedAccess」を開始しても有効化可能
無効化
- 「サービス」アプリで「SharedAccess」を右クリック →「停止」
- スタートアップの種類を「無効」に設定(使用しない場合)
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動(必要時のみ起動)
理由
- 通常はルーターで接続共有を行うため、ICSを常時有効にする必要はありません
- 手動で共有設定を行うと自動的に起動するため、必要なときだけ使用する形が安全です
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- 接続先のデバイスがインターネットにアクセスできない
- IPアドレスが割り当てられない
- ICSサービスが自動的に停止する
解決手順
- ICSサービス(SharedAccess)が起動しているか確認
- 共有元のネットワーク接続が有効か確認
- セキュリティソフトやファイアウォールがブロックしていないか確認
- 必要に応じてICSサービスを再起動
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 | 推奨設定 |
---|---|---|
DHCP Client | IPアドレスの取得 | 自動 |
Network Connections | ネットワーク接続の管理 | 自動 |
Windows Firewall | 通信制御とICSの制限管理 | 自動 |
FAQセクション
Q1:ICSとモバイルホットスポットは同じですか?
A1: 概念は似ていますが、モバイルホットスポットはWindowsのGUI機能で、内部的にはICSを利用しています。
Q2:複数のネットワークを同時に共有できますか?
A2: ICSは1つのインターフェースにしか共有できません。複数共有にはルーターやブリッジ接続が必要です。
関連リンク
まとめ
Internet Connection Sharing (ICS)は、Windowsで他のデバイスにインターネット接続を共有するための便利なサービスです。ルーターが使えない環境や一時的なネットワーク構築時に活用されます。使用後は不要であれば無効化しておくのが安全です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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