
Excelで検索関数を使いたいけど、「VLOOKUPは列番号がややこしい」「XLOOKUPはバージョンが対応していない」
そんなときに手軽に使えるのが LOOKUP関数 です。
LOOKUP関数は、指定した値を検索し、対応する値を返すシンプルな検索関数です。
ただし、動作にはいくつかの注意点があるため、正しく使いこなすためには仕組みの理解が欠かせません。
この記事では、LOOKUP関数の基本的な構文、近似一致の仕組み、実務での使い方、VLOOKUPやXLOOKUPとの違いについてわかりやすく解説します。
目次
LOOKUP関数とは?
- 読み方:ルックアップ関数
- 用途:検索範囲内から指定した値を探し、対応する値を返す
構文
=LOOKUP(検索値, 検索範囲, [戻り値範囲])
引数 | 説明 |
---|---|
検索値 | 探したい値 |
検索範囲 | 値を探すための一列または一行の範囲(昇順に並んでいる必要あり) |
戻り値範囲(省略可) | 一致した値に対応する範囲(同じサイズで並列) |
LOOKUP関数の使い方と例
例1:数値に応じた評価を表示(近似一致)

=LOOKUP(82, {0,60,70,80,90}, {"D","C","B","A","S"})
→ 点数82に対して「B」と返す(近似一致)
例2:リスト内で名前を探して所属部署を返す
=LOOKUP("鈴木", A2:A6, B2:B6)
→ A列にある「鈴木」の行に対応するB列の値(部署)を返す
※ A列は 昇順に並んでいる必要あり
LOOKUP関数の特徴と注意点
特徴 | 内容 |
---|---|
基本は近似一致のみ | 完全一致はサポートされていない(MATCHやXLOOKUP推奨) |
検索範囲は昇順に並べる必要あり | 並んでいないと誤った結果が返る |
検索値が見つからない場合は最も近い小さい値を返す | これは他の検索関数と異なる動作 |
1列 or 1行のみで構成された範囲に対応 | 複数行×複数列の2次元検索には非対応 |
他の検索関数との違い
関数 | 特徴 | 完全一致対応 | 柔軟性 | バージョン制限 |
---|---|---|---|---|
LOOKUP | シンプルな近似一致 | ✕ | △ | すべてのExcel対応 |
VLOOKUP | 縦方向検索(左→右) | ○ | △ | すべてのExcel対応 |
XLOOKUP | 双方向・柔軟 | ◎ | ◎ | Excel 365 / 2019以降 |
INDEX+MATCH | 組み合わせで柔軟 | ◎ | ◎ | すべてのExcel対応 |
応用パターン
1. 給与等級や点数によるグレード表示に活用

=LOOKUP(B2, {0,200000,300000,400000}, {"D","C","B","A"})
→ B2の給与に応じて評価ランクを表示
2. 昇順の顧客IDから名前を取得(簡易マスタ)
=LOOKUP(105, A2:A10, B2:B10)
まとめ|LOOKUP関数はシンプルな近似一致検索に最適
LOOKUP関数は、基本的な検索処理を簡潔に記述したいときに使える軽量な検索関数です。
- 検索値と結果範囲を1行で指定できて手軽
- 昇順データを前提にした「近似一致検索」に最適
- 完全一致や柔軟な検索には他の関数(MATCH、INDEX、XLOOKUP)がおすすめ
昇順ソート済みのデータに対する等級表示やマスタ参照に向いています。
関連リンク
- 【解説】ExcelのVLOOKUP関数とは?基本構文と縦方向の検索方法
- 【解説】ExcelのXLOOKUP関数とは?柔軟な検索処理の決定版
- 【解説】ExcelのMATCH関数とは?位置を取得する柔軟な検索方法
- Excel関数一覧|よく使う関数まとめ
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