
「IF関数が複雑になって読みにくい…」
「ネストが深くてエラーが出やすい…」
そんな悩みを解決するのが IFS関数(イフエス関数) です。
IFS関数を使えば、複数の条件分岐をすっきりと1行で書けるようになります。
この記事では、IFS関数の構文と基本的な使い方から、IF関数との違い、実務での活用例までわかりやすく紹介します。
目次
IFS関数とは?
- 読み方:イフエス関数
- 用途:複数の条件に応じて異なる値を返す関数
構文
=IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2, ..., 条件N, 結果N)
- 上から順番に評価され、最初にTRUEとなった条件の結果を返します。
- TRUEになる条件が1つもない場合はエラー(#N/A)になります。
基本的な使い方
例1:点数に応じた評価(90点以上:A、70点以上:B、それ以外:C)

=IFS(A2>=90, "A", A2>=70, "B", A2<70, "C")
→ A2の値によって評価が自動で切り替わります。
例2:売上に応じてランクを表示
=IFS(B2>=100000, "S", B2>=70000, "A", B2>=50000, "B", B2<50000, "C")
IF関数との違い
比較項目 | IF関数(ネスト) | IFS関数 |
---|---|---|
可読性 | 複雑で読みにくくなりがち | シンプルで読みやすい |
記述量 | 入れ子が深くなる | フラットな構造で記述できる |
使用可能バージョン | 全Excel対応 | Excel 2016以降(365含む)で使用可能 |
応用パターン
1. 条件に一致しないときの「その他」対応
IFS関数には ELSE のような指定はないため、最後に「すべて当てはまらない」条件を加えて対応します:
=IFS(A2>=90, "A", A2>=70, "B", A2<70, "C")
または全体の最後に TRUE, "その他"
を追加する:
=IFS(A2>=90, "A", A2>=70, "B", TRUE, "C")
2. IF関数で書いたネストをIFS関数に変換する例
ネストIF版
=IF(A2>=90, "A", IF(A2>=70, "B", "C"))
IFS関数版
=IFS(A2>=90, "A", A2>=70, "B", TRUE, "C")
→ 条件が多い場合はIFSの方が見た目もエラーも減りやすい。
注意点と対処法
注意点 | 解説・対策 |
---|---|
TRUEになる条件がないと #N/Aエラーになる | 最後に TRUE, "その他" を加えるのがベスト |
条件の順番が重要 | 上から順番に評価されるため、広い条件は下に書く |
Excelのバージョン制限あり | Excel 2016以降で使用可能。古いバージョンでは使えません。 |
まとめ|IFS関数で複雑な条件分岐をすっきり記述しよう
IFS関数を使えば、複数のIF条件をわかりやすく整理できるため、可読性も保守性も大幅に向上します。
- 複数の条件を簡潔に1行で記述可能
- ネスト不要でエラーを防ぎやすい
- 条件分岐が多い業務ロジックで非常に便利
Excelのバージョンが対応していれば、IF関数のネストよりもIFS関数を優先的に活用するのがおすすめです。
関連リンク
- 【解説】ExcelのIF関数とは?条件によって処理を分ける使い方と構文
- 【図解】IF関数ネストの基本と複雑な条件分岐の書き方
- Excel関数一覧|よく使う関数まとめ
- 【解説】AND関数とOR関数の違いと組み合わせ方
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