
「70点以上なら合格、50点以上なら追試、それ以下なら不合格」
このような3段階評価をExcelで行うときに便利なのが、IF関数のネスト(入れ子)です。
ただし、IF関数を複数組み合わせると、カッコの数が増えて混乱しやすいのも事実。
この記事では、IF関数のネスト構造を図でわかりやすく解説し、実務でよく使われる多段階の条件分岐のパターンを丁寧に紹介します。
目次
IF関数のネストとは?
- ネスト(Nest) とは、「関数の中にさらに関数を入れる」こと
- IF関数では、1つの条件が成立しなかったときに、次のIFを入れることで複数の条件に対応できます。
基本構文(2段階)
=IF(条件1, 値1, IF(条件2, 値2, 値3))
条件1 | 条件2 | 結果 |
---|---|---|
TRUE | – | 値1 |
FALSE | TRUE | 値2 |
FALSE | FALSE | 値3 |
よくある実用パターン
例1:3段階の評価(90点以上=A、70点以上=B、それ以下=C)

=IF(A2>=90, "A", IF(A2>=70, "B", "C"))
例2:4段階の判定(売上によってランク分け)
=IF(B2>=100000, "S", IF(B2>=70000, "A", IF(B2>=50000, "B", "C")))
ネストをわかりやすく書くコツ
- 条件が上から順にチェックされることを意識
- 一番よく当てはまる条件を先に書く(例:上位の点数から順に)
- カッコの対応を確認しながら、1行ずつ段階的に構成するのがおすすめ
読みやすい書き方(インデント付き)
=IF(A2>=90, "A",
IF(A2>=70, "B",
IF(A2>=50, "C", "D")
)
)
ネストの注意点とエラー対策
問題点 | 対処法 |
---|---|
カッコが合わない | 関数を入れるたびに「開き」と「閉じ」をセットで確認する |
条件が逆順になってしまう | 条件の優先順位を明確にしてから式を書く |
IFが多すぎて読めない | IFS関数 の使用を検討(Excel 2019以降) |
まとめ|IF関数ネストを使えば多段階評価も簡単にできる
IF関数をネストすれば、複数条件の判定や段階的な評価を自動化できます。
- 2〜4段階の判定まではネストで十分対応可能
- 条件の順番と構造を意識して組み立てるのがポイント
- より複雑な条件処理は
IFS関数
やSWITCH関数
の検討も◎
ネストを使いこなせば、Excelでの条件分岐が柔軟かつ効率的になります。まずは2〜3段階の例から慣れてみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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